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おいおい楽しみが増えちゃたぞ
もしやたこもちゃん吹部なのか?
好きですねこれは
 
 
 
 【うさぎのサックス吹き】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 カランカラン…
 tt『いらっしゃ~い』
 今日も扉が開く。
扉を開けると外の街の音と、鐘の音。
もう随分と聞き慣れた音だ。
 「tt君〜…聞いてくれよぉ〜…」
 tt『なになに(笑)どうしたん?』
 慣れた会話に手慣れたシェイカーの振り。
常連は味を聞かずとも何が欲しいのかもう分かる。今は相手のターンだ。
 「今日も上司に残業やらされてさ〜…」
 tt『それは大変やったな』
 「まぁでも…」
 スルッ…
 「可愛いうさぎさんとお話できて元気が出てきたよ♡」
 tt『……それは良かった(笑)』
 俺はバニーボーイ。
ここのバーのうさぎだ。
相手の欲しい言葉をあげて、相手の考える可愛くて甘くて いい子なうさぎにならなければならない。
tt『はい、いつものどうぞ』
 「……いつもより薄いね」
 tt『今日はいっぱい疲れてそうやから』
 tt『俺と沢山お話しよ♡』
 「…ふふ(笑)可愛いうさぎさんだね♡」
 ほら、すぐ釣れた。
向こうはうさぎを狩った気でいるけど
優位に立てているのは俺の方だ。
 
「でねぇ~…ッそれから〜…//」
 tt『うんうん、ほんで〜?』
 酔いつぶれた客にはバレないように水を飲ませていく。酔いすぎて舌が馬鹿になってるから。
 「…それ…で……………z…z」
 tt『…ッはぁ…ギリギリまでほっとくか…』
 相手が寝たら、次は俺のターン。
会話のバックに挟む曲を、俺のための曲にして聞く。
サックスの音色。薄暗いバーによく似合う。
俺が横目で追っていた人の顔とともに
じっくり聞けるんだから。
 tt『……今日も流石やな』
 カウンターから斜め前。
薄暗い店のスポットライトが当たったサックスと彼は、本当に魅力的だ。
 
 tt『…jp……//』
 俺は。
 
 サックス吹きに恋をしている。
 
 
 
 
 
 
 続く…
↑♡100