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【ドズルsaid】 ※ドズルさん高校生です
「やっば、急いで帰らないと。」
放課後。
学校に残って、
図書室で生徒会の資料をまとめていたところ。
最悪だ。雨が降ってきたのだ。
天気予報では晴れだと言っていたのに、
傘なんて持ってきてn……いわけないでしょ。
何があってもいいようにと、
常に折りたたみ傘を持ってきていたんだった。
図書室の鍵を閉めて出ていこうとしたところ。
「僕も連れていって。」
と、確かに誰かがそう言ったのだ。
「えっ、誰!?」
驚いて後ろを振り返ると、、、
メガネをかけた僕と同じ歳くらいか、
ちょっと年下くらいの男の子が、
背後に立っていたのだ。でも、何かがおかしい。
さっきまで僕は1人でいたはずだ。
それに、生徒会長として
全校生徒の顔を覚えることは当たり前なのに。
何て言うんだろう………
今まで見たことのない
とても綺麗な顔つきをしていた。
「ごめんね、驚かせて。」
「また、驚くことになるかもしれないけど………」
見惚れてしまっている僕に、彼はこう言ったのだ。
「僕、幽霊なんだ。」
彼の話を聞いていると、
いくつか初めて知ったことがあった。
この学校が建てられる前は、
元々、お屋敷が建っていたことは知っている。
そのお屋敷に住む一族の跡取り息子だったらしいが、
その時、流行っていた病に感染してしまい、
当時はまだ治療法がみつかっていない故に、
そのまま命を落としてしまったという。
なぜか成仏できないまま、
図書室で本を読み、静かに暮らしていたそうだ。
「その……未練はない?」
「………ないよ。僕、家族が嫌いなんだ。」
「どうして?」
「なんで聞きたがるの?」
「だって、君も………」