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真澄「馨、別れよう」
馨「すみません、直しますから…っ」
喧嘩してから早3日。やっと話したと思うとそんな一言。
分かってねぇじゃねえか…
真澄「…直せねぇよ、お前には。」
諦め半分で答える。
その言葉を聞いて意を決したのか肩を少しあげて息を吸った。
馨「…じゃあ言いますけどっ!!」
真澄「は?」
馨「真澄さんは可愛いです」
真澄「…あ?」
馨「仕事に集中してる真面目な真澄隊長も好きです。 後輩と会話して楽しそうな真澄さんも、 疲れた時、甘えたり甘やかしてくれるとこも、 ご飯食べてる時小さい口で食べてるとこも。」
真澄「てめェ…」
ツラツラと真澄さんの好きエピソードを喋る僕に、ぷるぷる震える。それでも喋る事はやめない。
馨「書類まとめてるとき癖で口ムッってしてるとこも、 朝気分で髪のセットも任せてくれるとことか。 後輩を想ってもそれが本人達に中々伝わらなくて顔に出てる真澄隊長とか。イラついたらすぐ煽る所とか」
真澄「チ…ッ/」
喋り続けて息が保てなくなった頃。
少し息を吸って大事な事を、ゆっくり、じんわり浸透していってほしいと願いを込め以下の言葉を吐いた。
馨「全部全部、愛してます…」
それぐらい愛してる人に今、別れを告げられている事実がショックで、顔を覆い力無くそう言いしゃがみ込む。
真澄「…」
恥ずかしながらも顔を背けながら黙って聞いていた。
伝わっているのか分からない。でも、ただどれくらい貴方を想ってるのか、本当の事を知った上で僕と”別れたい”と言うならば。
真澄「…、」
別れる。そう言おうとしたって言葉にならない。いや、言いたくない。結局、僕がそう口にしたのは『別れたくない』、そんな言葉。
真澄「かおる」
馨「…はい」
真澄「…ちょ、と待ってくれ」
馨(声が震えてる…。)
お互い感情がぐちゃぐちゃで。
言いたいことがあるはずなのに言葉が繋がらない。言えば箇条書きになってしまう 。
馨「はい…、」
意見が整ったのか、少し間をおいて喋りだす。
真澄「俺は、ただお前の気持ちが、っ…。」
馨「…、はい。」
真澄「分かりたくて…」
真澄「ハー…馨は、本当に俺が好きなのか」
「疑問に浮かぶようになって。どんどん不安になって」
馨「はい…、」
真澄「…でも今お前の気持ちが聞けて、安心した。」
馨「ふふ。僕も、こんなに想ってくれてたなんて凄く嬉しいです。」
真澄「はは、お互い伝わってなかったって事かよ」
馨「おかしいですよね、お互いこんなに想ってるのに」
真澄「そりゃ後輩にも伝わんねーわな」
馨「あは、確かに」
真澄「…なぁ、馨」
そう名を呼び手を手首に沿りながら手を握る。
馨「?」
真澄「好き」
ちゅ、と軽いリップ音が鳴るとゆっくり顔から離れながらおでこ同士をくっつけた。
馨「愛してるじゃなくていいんですか、」
真澄「うるせー、よ」
馨「えぇ、真澄さんの愛してるが聞きたいです。」
真澄「…あと10年はえーな」
馨「え、長くないですかっ」
真澄「ばーか、そんな安かねぇって事だよ」
馨「何したら言ってくれます??」
真澄「あー、そーだな。結婚したらな」
馨「…」
え!!!!!
馨「してくれるんですか、考えてくれてたんですか!!!?♡」
真澄「あぁ?あー…」
馨「結婚指輪買いに行きましょう」
真澄「ぁ?」
馨「時間空いてますよね、なら今からでも」
真澄「おいおいおいおい…」
馨「そうと決まれば着替えて行きますよ!!」
ずりずり
真澄「ぁーあ…」
そうだ、こうなったらコイツなぁんにも聞かねぇんだ。