とある町に伝わる物語がある。少し栄えた町の外れ、厚き雲が覆う空の割れ目から目映く光りこぼれ落ちた物があった。
町の者たちがそこに近づくことが許さなかった、何故ならその光りの落ちた場所が遠い昔からエルフが所有している神聖なる草原だったからだ。その草原に近づこうものなら、酷い目にあうと子供の頃から耳にたこが出来る程言い聞かされていた。
その話しを聞いた一人の冒険者らしき青年、いや少年と言っても差し支えない者が話しを聞いて尚、向かおうとしたのだ、その少年はフードを浅く被り、先に大きな紫に輝く宝石を二つ下げていた、フードのしたの顔はやや中性的で濡れ烏のような艶やかな黒い髪をしていた。
瞳も黒曜石の如く吸い込まれんばかりの不思議な魅力を引き立てていた。
一方その頃物語で出てきた、エルフの国は、何か問題が起きた様だった何でもエルフの国の国王が第一王女に急な結婚話しを持って来たそうだ。それに第一王女は普段の朗らかな性格であるにもかかわらず、とても反発したそうだ。
第一王女は、シルクの様な美しい髪をなびかせ白い陶器の肌にアメジストの瞳がより魅惑的だった。
その後結婚話しは王女の了解無しに次々に決まって行った。
ウェディングドレスに身を包んだ第一王女は何かを決心し、部屋から逃げたのであった。
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