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卒業の日。
パリの空は、静かに澄んでいた。
ガウンを纏ったミユと、
背筋を伸ばしたコビー。
並んで歩く二人。
「……長い道のりでしたね」
「ええ」
ミユは立ち止まり、彼を見る。
「あなたが一緒でよかった」
「僕もです。会長が……先生で」
自然に、手が重なる。
言葉はまだ完璧じゃない。
でも、伝えたい気持ちは、もう十分だった。
パリの街角で、二人は静かに歩き出す。
学生としての物語は、ここで終わる。
けれど――
人生は、これからも続いていく。
二人で、同じ歩幅で。