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#レムでリゼロを知り、今ではレムさんと握手を交わしている
──「つかお前ここ来てからベア子に会ってないよな?」
「ベア、子?」
「そ、ベア子ことベアトリス。俺が決めてやったプリティな呼び名」
「絶対嫌がれてそうなあだ名だね」
「それが意外と定着しつつあるんだなこれが!」
「押し切ってるだけじゃないの、それ?」
「細けぇこと気にすんな!」
スバルは得意げに笑いながら、廊下の角を曲がる。
「で、お前ここではベア子以外ほぼ出会ってるからな。俺が紹介してグッドな関係を作ってあげようと」
「上から目線で話さないで、蹴るよ?」
「暴力反対!!」
騒がしい声が廊下に響く。
静かな屋敷には不思議と似合わないはずなのに、なぜか違和感はなかった。
「てかそのベアトリスって子はどこにいるの?」
「ベア子は禁書庫にいてな、ちなみに魔法でそこは隠されてんだけど」
「うわ、一気に胡散臭くなった」
「そうか?魔法なんて全人類憧れるもんじゃねえの?」
「憧れと実際にあるのは違うもんなの」
そうゆうもんか‥‥とスバルは呟きながら屋敷の廊下をずんずん進んでいく
「で?結局そのベアトリスはどこに」
「ここに」
スバルの目の前にあったドアを開けると、そこは図書館のようになっていた。
本がまるで何百、何千、何万とあり、簡潔にいうと数えられないくらいあるってことだ。
その図書館の手前にはちょこんと椅子がたてかけてあり、そこには
──クリーム色の髪をしている少女が座っていた。
「昨日から騒がしい客が押し寄せてきてるのはどうしたらいいのかしら」
「そんなこと言うなよベア子、そんな顔してるとせっかくのロリのよさがなくなっちまうぞ」
「その不快な呼び方と単語をそろそろいうんじゃないのよ!」
しかめっ面をしている幼女はスバルに対して不服を申し上げた。
だがそんなものにはスバルには効かないらしく笑いながら流している
「もう、お前はうるっさいたらありゃしないかしら、とにかくベティーの時間を使って何をしようと‥‥し、‥て?」
──幼女、いやベアトリスが顔色を変えたのは私に目を向けた時だった。
ベアトリスは体を震わせ、かわいらしい目を小さくさせて硬直してる。
「なん‥‥か、し」
その様子は通常のベアトリスを見ているもの
ならば、いや見なくとてもわかるおかしなものだった。
──その空気を壊したのは、一人の少女の声だった。
「え、何この子天使!?可愛すぎて死んじゃうんだけど!?」
「‥‥は?」
「え、待ってちっちゃ、かわい、何?お人形?」
「ベ、ベティーは人形じゃないのよ!?ペタペタさわるのはやめるかしら!!」
「喋った!!!」
「さっきからずっと喋ってるかしら!?」
スバルが「おー、シソウすげえな。ベア子のペース乱してら」と笑う。
だがベアトリスはそんなことを気にする余裕もなく、じっと急接近に焦りながらもシソウを見つめていた。
まるで、何かを確かめるみたいに。
「え。お、お前は誰なのよ‥‥」
「私?私カラサワ・シソウ!なんて呼んでもいいからね!ベアちゃん!あ、何か他にした方がいいことある!?」
「カラサワ‥‥シソウ?」
「そう!シソウっていうの!」
「シソウ‥‥そうかしら」
ベアトリスは救われたようでいて、切なさを残したがシソウはベアトリスの可愛さに、スバルは今までに見たこともないベアトリスの慌てように興味津々で気づかなかった。
「……ベアちゃん?」
「その呼び方は‥‥やめるかしら」
「じゃあ‥‥ベアトリスちゃん?」
「もっと嫌かしら!!」
「えぇ〜……」
シソウが残念そうに肩を落とす。
その様子に、ベアトリスはなぜか少しだけ言葉を詰まらせた。
「……別に、ベアちゃんでも構わないのよ」
「え、いいの!?」
「しょ、仕方ないから許してあげるのかしら!特別なのよ!」
「やった!ベアちゃん大好き!」
ぱっと表情を明るくするシソウ。
その隣で、スバルが目を丸くした。
「え、何?俺との差別酷くね?差別反対だよ?」
「お前はうるさいからなのよ、少しは黙るという行動を理解することから始めるかしら」
「ベア子ォ‥‥絶対対応シソウと違うよな!?」
「ふん、態度をわきまえてないお前のせいかしら」
「‥‥つーかベア子がこんな速攻で懐柔されてんの初めて見たんだけど」
「獣みたいにいうんじゃないのよ!」
「懐柔って言い方失礼じゃないの?アホなの?」
「お前はまだ会って数分だろ!?あと当たり強えよ!」
「でもベアちゃん可愛いししょうがない」
「理由が羽のように軽いんだけど!?」
騒ぐスバルを横目に、シソウは改めて禁書庫を見回した。
積み上がった本。
静かな空気。
紙の匂い。
「不思議と落ち着く‥‥ここ、好きかも」
ぽつりと漏れた言葉に、ベアトリスが小さく目を見開いた。
「ほんとなのかしら!?」
「うぇ、?あ、うん!私本は嫌いじゃないし!」
「わかってるのよ!シソウ!そんなシソウのためにベティーがシソウに合う本を選んであげるかしら!ちょっと待ってるのよ!」
──本が好き。
その言葉を聞き、ベアトリス
は目をキラキラと輝かせてシソウの方をみた。
先程までの上品で、お姉さんらしいベアトリスとは一転。
本が好きと言ったら見た目通りの行動で本を選ぼうと誘ってくれている。
「シソウはどんな本が好きなのかしら!ベティーに何でも聞くのよ!」
「えー……読むなら文豪の小説とかミステリー?」
「みすてりー……?」
「謎解きする感じの本」
「うにゅ……少し待ってるかしら!」
ベアトリスは本棚の方へぱたぱたと走っていく。
その小さな背中を見ながら、シソウは思わず笑った。
……この子ほんとかわいい、生物の中でもトップクラスに可愛い。
「いやマジで懐かれてんなお前」
「ベアちゃんは見る目があるから」
「それ自分で言うか?」
呆れたようにスバルが肩を竦めた、その時だった。
何かが脳裏を掠めたのだろう。さっきまでの余裕が、見る間に剥がれ落ちる。
「やべっ!?姉様に早めに帰ってこいって言われてんだった!」
「早く帰らねえと殺される!!」
「え、そこまで‥‥!?」
「姉様ならやりかねない‥‥!!」
慌てて騒ぎ始めるスバルを見て、
ベアトリスは呆れたようにため息を吐いた。
「騒がしい男なのよ……」
そう言いながらも、
ベアトリスは本を一冊抱えたまま、じっとシソウを見る。
「……また来るといいかしら、シソウ」
「え、」
「別に、本を貸してあげてもいいのよ」
少しだけ視線を逸らしながら、ぶっきらぼうにそう言う。
シソウは一瞬きょとんとして、それから大きく笑った。
「ベアちゃん‥‥!!わかった!毎晩ここ来るから!」
「っ……!」
ベアトリスは何かを誤魔化すように、勢いよく本を開いた。
「は、早く仕事へ戻るのよ!あの桃色の娘に叱られるんじゃないのよ!」
「‥‥ベア子照れてる?」
「お前の場合は今すぐ黙って消え去るのよ!!」
スバルに急かされるまま、
シソウは禁書庫の扉へ向かう。
「ほらシソウ!マジで急がねえと俺が死ぬ!」
「それ絶対大袈裟でしょ!」
「ラムちー相手だとマジなんだって!」
騒がしい声を聞きながら、
シソウは扉の前で一度だけ振り返った。
本に囲まれた小さな少女。
静かな空気。
紙の匂い。
さっきまで何もかも知らなかったこの世界で、
初めて“また来たい”と思えた場所だった。
「あとでね、ベアちゃん!」
「……ふん、来たいなら招いてあげるのよ。」
そっぽを向きながらも、ベアトリスの声はどこか嬉しそうだった。
コメント
1件
あ〜もうめっちゃ良かった!!😭💕 ベアトリスちゃん、最初はツンツンしてるのにシソウには秒でデレるとかずるすぎるでしょ!!「ベアちゃんでも構わないのよ」って照れながら言うとこ、完全に心掴まれたよね…天使かよ!!🫶✨ あとスバルのベア子への当たりの強さとシソウへの対応の差が尊すぎて笑ったw「差別反対」って叫ぶシーンは声出たwww 「また来たい」って思える場所ができるって、異世界でめっちゃ大事だよね。この温度感、すごく好きな空気感でした!次の話も楽しみにしてるよ〜!🌸