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寮の部屋。
ベッドの上で
緑谷出久 は静かに横になっていた。
さっきまで乱れていた呼吸も、少しずつ落ち着いてきている。
ベッドの横には
リカバリーガール。
脈を確認し、小さく頷いた。
「とりあえず命に関わる状態じゃないよ」
その言葉に
相澤消太 が腕を組む。
「精神的なものか」
「だろうねぇ」
リカバリーガールはデクの額の汗を拭きながら言った。
「体より心の疲れが強い」
「少し休ませな」
デクのまぶたがわずかに動く。
「……」
「まだ起きなくていいよ」
リカバリーガールは優しく言った。
「しばらく安静だ」
相澤はスマホをしまう。
「なら一人残る」
その言葉にオールマイトが言った。
「私が残ろう」
オールマイトは静かにベッドの横へ座った。
「少年の体調は私が観察する」
相澤は少しだけ頷く。
「任せた」
リカバリーガールも杖を持ち直す。
「何かあったらすぐ呼ぶんだよ」
二人は部屋を出ていった。
静かになる部屋。
ベッドの横でオールマイトがデクを見る。
「……」
苦しそうだった表情が、少しだけ穏やかになっていた。
「少年」
小さな声で言う。
「君はまだ一人で戦おうとしている」
窓の外の光が差し込む。
「だが…ヒーローも、人に頼っていいんだ」
デクの指がわずかに動いた。
⸻
その頃――
雄英高校 の教室。
雄英高校1年A組。
しかし教室の空気はいつもと違った。
「緑谷くん…大丈夫かな」
心配そうに言う
麗日お茶子。
「授業どころじゃないぞ…」
切島も机に肘をつく。
「様子見に行かない?」
上鳴が小声で言う。
飯田が腕を組む。
「だが先生は教室へ行けと…」
その時――
椅子がガタンと鳴った。
立ち上がったのは
爆豪勝己。
「行くぞ」
「え!?」
麗日が驚く。
「どうせろくなことじゃねぇ」
爆豪はドアへ向かう。
「様子見に行くだけだ」
数人が立ち上がる。
切島、上鳴、麗日、蛙吹。
「飯田くんも行こ!」
「むむ…!」
飯田は悩んだ末――
「安全確認は必要だ!」
結局、ほとんどの生徒が立ち上がった。
廊下へ出て、寮へ向かおうとする。
だが――
曲がり角で
ぴたりと足が止まった。
そこに立っていたのは
相澤消太。
「……」
寝不足のような目が、生徒たちを見る。
沈黙。
そして低い声。
「どこ行くつもりだ」
飯田が固まる。
「えっと、その…」
相澤はため息をついた。
「授業は?」
誰も答えられない。
爆豪が舌打ちする。
「……チッ」
相澤は教室の方を指した。
「戻れ」
そして少し間を置き――
「一限目は説教だ。」
その言葉に
1-A全員が固まった。
教室へ戻る足取りは、いつもよりずっと重かった
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