太宰「はぁ、何か疲れたな、」
太宰「早く部屋に行って休もう」
そう呟きながら長い廊下を歩く
すると、背後から気配がしてふと振り返ると
森さんが居た
森「やっと見つけたよ太宰君」
太宰「何の用ですか?」
森「実は急用で君に任務を頼みたくてね」
太宰「私任務終わったばかりなんですけど」
森「それでも頼みたくてね~…」
太宰「はぁ~、内容は何ですか?」
太宰は態と大きなため息を吐いた
森「ごめんよ~…」
森「内容は組織の壊滅なんだけどね」
太宰「壊滅多くないですか?」
森「君が居ない間に組織も大きくなったから敵対組織も増えたのだよ」
太宰「只ポートマフィアが舐められてるだけでは?」
森「酷いなぁ笑」
森「あぁ、今回の任務も中也君が居るから」
太宰「又ですか…」
森「嫌な顔しないでよ!」
太宰「ずっと中也と一緒じゃないですか」
森「二人が揃ってる方が利益が良いからね」
太宰「あっそ」
森「君の部下だけで足りるかい?」
太宰「中也も居るし足りるでしょう」
森「そうかい」
森「それより太宰君」
太宰「何ですか」
森「今回こそは殺せる様にね」
太宰「…..」
其の言葉だけ異様に圧を掛けられたのが
痛い程分かった
太宰「…何故其処迄して私に殺しをさせようとしてくるのですか?」
太宰「私は殺しをしなくても事務仕事の交渉役としてでも役立てるでしょう」
森「答えは簡単さ」
森「どちらも出来た方が利益が大きい」
森「只其れだけだよ」
太宰「…そうですか」
森「今回、私は任務に着いて行かないから」
森「ちゃんと自分で殺すんだよ」
今回、任務に着いて行かない
其の言葉を聞いた瞬間、少し肩の力が抜けた
太宰「…わかりました」
森「ではよろしくね」
森「良い報告を期待しているよ」
そう言い残して森さんは自分の進行方向の
逆の方向に歩き出した
太宰『又任務か、』
太宰『もう失敗は許されない』
太宰『今度こそ、今度こそ殺さないと』
太宰『もし今回も殺せなくて躾を受けたら…』
太宰『私もう心が持たないかも…笑』
私は急足で中也の執務室に向かっていた
足取りは軽く感じる
…いや無理矢理軽くしているのかもしれない
執務室に着くと思いっ切り扉を開ける
バンッ
太宰「中也!任務入ったよ!」
私にしては大きな声で中也を起こす
中也「うぉッ吃驚した…」
どうやら本気で驚いた様だ
太宰「私の任務に君も同行だから急いで」
中也「先刻任務終わったばっかりだろ…」
太宰「私もそう言ったけど森さんがどうしてもって言うんだもん」
太宰「しょうがないでしょ」
中也は支度をしながら会話をする
中也「任務の内容は?」
太宰「組織の壊滅」
中也「又かよ」
太宰「舐められてるんじゃないの?」
中也「まぁ組織も増えてきたしな」
太宰「中也が弱っちいからだよ」
中也「あ”ぁ?弱くねぇよ」
太宰「あ、ごめん。」
太宰「中也はチビで弱かったね」
中也「巫山戯んじゃねぇぞ!」
太宰「ほんと昔から変わらない」
太宰「良いから急いでよ」
中也「分かってるよ!」
太宰「…遅いから先に車乗ってる」
中也「了解、置いて行くんじゃねぇぞ」
太宰「分かってるよ」
私は執務室を後にした
中也『彼奴やけに元気だな』
俺は太宰の元気の良さに驚いた
中也『先刻迄の混乱はどうしたんだ?』
俺は正直、太宰が何時も通りで安心している
しかし、其の元気の良さに何かが引っ掛かる
中也『何か、空回りしてるっつうか』
中也『無理矢理元気を演じてる感じ』
中也「…..」
中也「後で話すかボソッ」
そう呟いて俺は執務室を後にした
車の中で数分待っていると中也が来た
中也「遅くなってすまねぇ」
太宰「本当だよ…」
太宰「もう部下は先に行ったよ」
中也「そうか」
太宰「車、出して」
そう運転手に指示すると
運転手は素早く車を発進させた
太宰「…..」
中也「…..」
沈黙が続く
其の沈黙を破ったのは太宰だった
太宰「今回の作戦だけど」
中也「あぁ」
太宰「今回の組織は大型だから中也と部下に取り敢えず時間稼ぎに暴れてもらう」
太宰「私は其の間に使える情報を抜き出す」
太宰「私が部下と中也、同時に合図するから私から合図が来たら全員殺す」
中也「手前にしては珍しいな」
中也「時間稼ぎに部下を使うなんて」
中也「昔の手前なら部下何て時間稼ぎにもならないって言うけどな」
太宰「今回の私の部下は強いからね」
太宰「時間稼ぎくらいにはなるだろう」
中也「そうか」
又沈黙が続く
次に沈黙を破ったのは中也だった
中也「…なぁ」
太宰「何だい?」
中也「…..」
中也は歯切れの悪い言葉を発して
黙ってしまった
其れに対して太宰は何を言おうとしているのか
見当が付いた
中也の言いづらそうな顔を見て
悩んだ末に自分から言う事を決めた
太宰「…今は大丈夫だよ」
中也「!」
太宰「今は未だ大丈夫」
太宰「でもこの後迄この調子で居られるかは正直保証は無い、」
中也「…..」
太宰「先刻ね、森さんと話した時に又人を殺す様に言われてしまったよ」
太宰「…もう失敗は許されない」
太宰「私がもし、何時も通りの私で居られなくなったら…」
太宰「よろしくね、中也」
私は中也に笑い掛けた
でも、ちゃと笑えていたかは判らない
もうやるしかないのだ
嫌でも苦しくても辛くても
躾を受けると思ったらきっと体は動いてくれる
そう信じて任務をするしか無い
太宰「…もう失敗は許されない」
そう言った太宰の顔は
とても苦しそうな顔だった
心の底からそう思っている様な
悲しい顔をしていた
太宰「私がもし、何時も通りの私で居られなくなったら…」
太宰「よろしくね、中也」
そう言われた瞬間、俺の心臓が跳ねた
よろしく、と言った太宰の顔には
歪な笑顔が貼り付けられていた
中也「…おう、任せろ」
俺が助ける
そう心に誓った
任務場所に着くと部下が私と中也に挨拶をする
部下一同「お疲れ様です!」
太宰「どうも」
太宰「じゃあ早速だけど任務を始めるよ」
太宰「君達は中也を先頭に組織の壊滅を行う」
太宰「細かい指示は中也に聞いて」
太宰「君達が組織を壊滅してる間に私は使えそうな情報を引き抜く」
太宰「外に居る敵が全員が倒れたら組織の中に入って残りの敵を殺せ」
部下一同「はい」
太宰「中也、指示を」
中也「まず、俺が空に向かって一発撃つ」
中也「其れが太宰が行動する合図だ」
中也「俺が打てば必ず中から敵が出てくる」
中也「お前らは其の外に出てきた奴らを殺せ」
中也「後は其の場で指示を出す」
部下一同「はい」
太宰「じゃあ作戦開始だ」
太宰「後は任せたよ、中也」
中也「おう」
そう言って私はみんなとは別行動を取る
草むらの中からタイミングを測る
暫くすると中也が空に向かって銃を構え
一発撃つ
其の音で中から敵が出てくる
其れと同時に私が草むらから組織本部へと
移動を始める
気配を消すのが得意な為、
組織に侵入するのは容易だった
外から銃声が聞こえる
中に居た敵がどんどん外へと出る
そうすると中の警備が甘くなる
全て作戦通り
私は簡単に情報保管室に入った
情報に目を通し要るものと要らないを分けた
此処迄は順調だった
銃声が段々と近づいている
もう中に入ったのかと安心していた
すると突然大量の足音が聞こえて
私は咄嗟に物陰に隠れた
物陰から覗くと其処には組織の長らしき人物と護衛が居た
長「確かに気配がしたのだが」
長「気のせいだったか」
私は其の言葉に息が詰まる
長「…..」
部屋を出て行く雰囲気がして安心したが
そう簡単にはいかなかった
突然振り向き私が隠れている物陰を撃った
太宰「ッ」
長「其処に居るのだろう?」
太宰「…..」
私は大人しく物陰から出た
太宰「良く判りましたね」
長「気配を感じるのが得意でな」
長「ポートマフィアだろう?」
長「お前の顔は知っている」
太宰「其れはどうも」
長「此処で何をしていた?」
太宰「…..」
私が黙ると敵は私に銃を向けて
私の肩を貫通させた
バンッ
太宰「ッ…」
私は其の場に座り込んだ
長「…反撃しないのか」
太宰「…カチャ」
私は静かに銃を構える
でも、撃つ事はしなかった
長「撃たないのか」
太宰「…..」
太宰『又だ、』
太宰『又…』
太宰『手が震えてる』
カタカタカタ
長「…..」
長「怖いのか」
そう言って段々と私に近づく
太宰「…..」
私から1メートル程離れた処で止まった
長「私も痛ぶる事は好まない」
そう言って私の額に向けて構える
長「此のまま殺してやろうか」
太宰「…良いよ、殺してよ」
最も大事な情報はもう拠点へ送信した
私が死んでも問題ない
殺せないのなら死ぬしか無い
どう抗っても殺せなかった
其れが私の限界なのだ
どうせ死ぬなら誰も傷付けずに死にたい
私はそっと目を閉じた
長「…さらばだ」
私は死を覚悟した
しかし、私が死ぬ事は無かった
バンッ
部下「ッ」
目の前で血飛沫が上がった
太宰「…!?」
ドシャ
目の前で部下が倒れる
長「もう此処迄来たか」
其の直後、沢山の部下が続いて来た
あっという間に敵が居なくなった
太宰「ハッハッハッ」
部下「幹部!大丈夫ですか!?」
何を言っているのか聞き取れない
俺は敵幹部と戦っていた為、少し手こずり
部下を先に中に入らせる事を選んだ
戦っている間も太宰が心配でならなかった
漸く決着が付き俺は太宰が居ると思われる
情報管理室に向かった
案の定、情報管理室には部下が群がっていた
しかし、様子が可笑しく嫌な予感がした
中也「どうした!」
部下「太宰幹部が…ッ」
太宰「ハッハッハッ」
中也「ッ」
俺は其の光景を見て何となく何が起こったか理解した
中也「此れで任務は終わりだ!」
中也「報告書は明日までに俺に出せ」
部下「はい、」
みんな混乱している様だった
そりゃそうだ
太宰が部下にこんな姿を見せた事は無い
俺はすぐさま太宰の元へと駆け付けた
お久しぶりです!!!
約一年?約半年?
いつぶりかは忘れてしまったのですが
長い期間を空けてやっと投稿できました!
投稿していないにも関わらず
フォローしてくれた皆様
❤️を押してくれた皆様
本当にありがとうございました!
これからも頻度的には遅い投稿になると
思いますがこれからも温かく待ってもらえると幸いです…!
投稿しなさすぎてみんな私のこと
忘れちゃったかな?笑
また投稿を再開したいと思っているので
よろしくお願いします!
次回は❤️2000で投稿します!
コメント・❤️してくれると嬉しいです!
ではまたね!
コメント
5件
此れこの前一気見してめっちゃ大好きで待ってました!!!! 神作だなぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ、 苦しむのって一種の芸術だと思うんですよね(???) んー最高(天空カジノ逝き 次回待ってます❤️✨
待ってましたあああああああ!! 全然忘れてなんかいないですよ!雲さんが居ない時も、沢山雲さんの作品見てました!!ほんと全部が神作すぎて禿げそう(? まじで最高でした!😇 やっぱり苦しんでる推しは神… そして中也がかっこいい...! 次も楽しみにしてます!