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中也「太宰ッ!」
声を掛けても返事が返って来ない
焦点も合っていない
俺は必死に太宰に声を掛け続けた
中也「太宰!太宰!」
太宰「ヒュッハッハッヒュッ」
太宰『目の前で人が死んだッ』
太宰『其れも私を庇って…ッ』
一向に良くならない呼吸に焦りを覚えた
中也「太宰ッ!息ちゃんと吐けッ!」
俺は太宰の肩を乱暴に揺らす
中也「太宰ッ太宰ッ!」
ずっとそうしている内に太宰の焦点が戻った
太宰『ちゅう、や?』
中也「太宰!」
中也「聞こえてるか!」
太宰「ヒュッヒュッ、ッ!」
何かを話そうとしている姿を見て、意識がある事が判ったので
先ずは息を落ち着かせる事に専念する事にした
中也「良いか、太宰」
中也「息を吐け」
中也「俺の呼吸に合わせろ」
太宰「コクッ」
中也「すーはー、」
太宰「ヒュッハー、ハー、ッ」
中也「すーはー」
太宰「ハー、ッ、ハー」
中也「すーはー」
太宰「フーッ、フーッ、」
中也「其の調子だ」
太宰「フー、フー、」
約5分くらい経った頃、太宰の呼吸は
何時も通りになっていた
俺も肩を下ろす
中也「大丈夫か?」
太宰「…うん」
中也「其れなら良かったぜ…」
太宰「…又、私、、」
太宰「…ごめん」
中也「別に気にしなくて良い」
中也「…..」
呼吸が落ち着いても尚、
太宰の手が震えている事に気づいた
中也「手、震えてるぞ」
太宰「…..」
中也「今は何も考えなくて良い」
中也「俺が守ってやる」
太宰「!…」
太宰「ありがとうボソッ」
中也「おう」
太宰の感謝の言葉に驚いたが
それ以上に其の言葉がとても嬉しく感じた
中也「今は何も考えなくて良い」
中也「俺が守ってやる」
中也が私にそんな言葉を言うとは思わなくて
正直凄く驚いた
でも、それ以上に其の言葉が嬉しく感じた
今だけは、言える気がする。
そう思って今の気持ちを素直に伝えた
太宰「ありがとうボソッ」
私がそう呟いて中也の顔をちらりと覗くと
中也は柔らかい笑顔で返事をした
中也「おう」
とても嬉しそうな顔をしていた
暫く其の場で休むと中也がしゃがむ体制になった
中也「背中乗れよ」
中也「歩けねぇだろ」
太宰「うん、」
私は大人しく中也の背中に乗った
何時もの私なら最悪などの愚痴を言うだろうが今の私にはそんな余裕も無かった
中也「手前、軽すぎだ」
中也「ちゃんと食え」
太宰「食べてるよ」
中也「もっと食え」
太宰「はいはい」
拠点に近づくにつれ
先刻迄治っていた手の震えが再発した
中也「…大丈夫か?」
太宰「、うん」
中也は手の震えに気が付いていた様だ
中也「…..」
中也『拠点に戻るの後にするか、と言いたい所だが』
中也『部下が先に帰っちまってるからバレるよな…』
中也『でも、此奴手が震えてやがる』
中也『どうしたもんか、』
太宰「…..」
太宰『拠点に帰るのが嫌何て言えない、』
太宰『でも、帰りたく無い』
太宰『部下が先に帰ってる以上、私の不調は森さんに報告済みだろう』
太宰『森さんに今回の事が知られたら…』
太宰「ッ」
中也「…帰るの辞めるか?」
太宰「ぇ?」
中也「俺のセーフハウスで少し休んでから拠点に戻るか?」
中也「体調も万全じゃ無いだろ」
太宰「…..」
心臓が大きく跳ねた
まさか首領に忠実な中也がこんな事言う何て…
彼なりの気遣いなのだろうか
どうしよう、
早く帰った方が少しでも躾が緩くなるだろうか
セーフハウスで時間稼ぎしたのがバレたら
もっと酷い躾を受けるだろうか
でも、帰りたく無い…
太宰「でも、サボってるのバレちゃうよ」
中也「応急処置って言えば良いだろ」
太宰「、判った」
太宰「…中也のセーフハウス行く」
中也「ん」
中也は短い返事をしてセーフハウスへと向かってくれた
今すぐに拠点に帰らなくて良いと判ると
心の底から安心した
先程迄感じなかった中也の背中の温もりを感じる
とっても暖かい
心までポカポカする
そう思うと何だか眠くなってしまって
私は静かに意識を落とした
セーフハウスに向かう途中、
一度も太宰が言葉を発さない
やっぱり余計だったか?と不安になる
太宰の体調が心配になった為
声を掛けようとする
中也「ださ…」
背中に乗ってる太宰を見ると
目を閉じて眠ってしまっていた
中也『寝てたのか』
太宰が寝ている事が判り、
成る可く揺らさない様に歩く
中也『随分、気ぃ張ってたのか』
普段なら俺のセーフハウス何て好いて行かない太宰が、自ら行くと言うくらい拠点には帰りたく無かったのだろうか
中也『太宰と首領の間に何が起こってるんだ』
其処迄、太宰が拠点に帰りたく無い理由は
きっと首領が関係してる
前回の任務の混乱と言い今回の任務前の太宰との会話と言い、
首領は太宰を何で怖がらせてる?
太宰が言ってた躾の内容は何だ?
聞きたい事が山程ある
太宰が体調を崩す程の恐怖
中也「…手前は首領に何をされてるボソッ」
俺は誰も聞こえない様な小さな声で呟いた
セーフハウスに着いて太宰を寝室へと運ぶ
ベットの上に置いても起きる気配は無かった
其れ程に疲れていたのだろう
俺はそっと扉を閉じた
成る可く音をたてない様に廊下を歩き
リビングへ向かう
リビングへ着けば速攻でソファの上に寝転がる
俺もどっと疲れた
少し眠ろうと思いタイマーを付けてそっと目を閉じた
家の中は静寂で包まれた
太宰「…、」
目が覚めると知ってる天井があった
でも拠点では無かった
やっと頭が働き始めると
中也のセーフハウスだという事を理解した
でも、中也の姿は無かった
拠点へ先に帰ったのだろうか
時計を見ると深夜の3時頃だった
3時だったら未だポートマフィアは働いているだろう
私もそろそろ拠点へ行かなければと思うと
心拍が上がって冷や汗が滲む
【行きたく無い】
其れが紛れも無い本音だった
でも、いずれは行かなければならない
逃げてしまいたいと何度も思った
でも、契約上逃げる訳にはいかない
もし私が逃げれば谷崎君が酷い目に遭う事になる
そう思うと逃げる事は出来なかった
考えれば考える程、息苦しくなる
あれ、息が吸えない…
太宰「ッ、ッ」
苦しい
苦しい
…でもこのまま死ねるかもしれない
このまま死ねば拠点へ行く事も無い
そして私の自殺願望も叶う
一石二鳥じゃないか
太宰「ヒュッ、ッ、ッ」
今だけ我慢すれば
今だけ耐えれば
キツイ躾を受ける事も無い
誰かを傷つける事も無い
もう終わりにしたい
1時間後、タイマーの音が鳴った
中也「ん、もう時間か」
中也「太宰は…未だ起きてねぇのか」
太宰の調子も気になったので太宰の眠る寝室へと向かおうとすると
寝室から変な音が鳴っていた
ヒュッ…ヒュッ
中也『何だ?此の音』
其の音の正体は少し考えれば直ぐに思いついた
太宰の呼吸音だ
中也「ッ太宰!」
思いっ切り扉を開けると太宰がベットの上に座って首を押さえていた
太宰「ッ、ッヒュッ」
中也「おい!息しろ!」
太宰「ッ、ッ」
下を向いてる太宰を無理矢理俺の正面に向けた
太宰の顔には歪んだ笑顔が浮かんでいた
中也「ッ!?」
太宰「ッ、ッ」
中也『何で笑っていやがる』
太宰が自分の首を苦しそうに押さえていたので
手を振り解こうとするが
一向に手は首から離れようとしなかった
中也「手ぇ離せ!」
太宰「ッ、ッ、ニコッ」
俺は頭の中で一つの勘が働いた
【太宰は態と自分の首を締めている】
此れは俺の勘だが俺の勘は昔から良く当たる
猛烈に嫌な予感がした
中也「おい!」
中也「太宰!」
太宰「ッ、ッ、カハッ」
中也『まずい、このままだと死ぬッ』
中也「すまねぇ、太宰」
そう言って俺は太宰の片方の手首を無理矢理首から離し、思いっ切り捻った
太宰「ッッ」
反射でもう片方の手が首から離れる
其の隙を狙って太宰の両手を固定する
中也「良い加減息しやがれ!」
太宰「ッ、ッ、ッ、」
中也「死ぬんじゃねぇ!」
太宰「ッ!ヒュッ、ヒュッ」
中也「そうだ」
中也「そのまま息しろ」
太宰「ヒュッ、フッ、フッ」
中也「上手だ」
太宰「ッフッ、フッ、フッ」
不規則な息だったが息をしようとしている意思を感じられて少し安心した
数分も経てば太宰の息は落ち着いた
中也「何してんだ」
太宰「ッ」
太宰「…ポロポロ」
中也「!」
普段の太宰からは想像も出来ない様な弱々しい顔で大粒の涙を流した
太宰「ぅ、ッ、ポロポロ」
太宰「見、るなッポロポロ」
中也「…..」
俺は如何したら良いのか判らずそっと太宰の背中を撫でた
中也「…落ち着け」
太宰「ッ、ポロポロ」
太宰「…ごめん、ボソッ」
太宰「ごめん、ボソッポロポロ」
太宰は小さな声でずっと謝っていた
どうでしたか?
苦しんでる推しは最高…!(最低)
これからもどんどん苦しませていきます
私ごとではあるのですが卒業しました✨
長いようで短い3年間でした…
クラスで上位に入るくらい泣きました笑
今年卒業した方、おめでとうございます!
次回は❤️1000で投稿したいと思います!
❤️・コメントしてくれると嬉しいです!
ではまたね!