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思わず息を飲んだ。目の前にいるのは、今にも餓死しそうな…私の推しだからだ。今、唯のランニングをしてる私は当然食料を持っていない。
「大丈夫??」
その台詞しか出てこない。
「何処をどう見たら…大丈夫って…思うのかよ。」
考えるよりも先に、足が動いた。
「ちょっとごめんね〜」
自分は骨が丸見えになった細い体をおぶり、家に向かった。折れないように、真剣に。「おい…降ろせよ。」
「嫌だ。」
早くも原作を変えてしまった自分に腹が立つ。中也はこの後白瀬達に拾われる予定だったのに。家に上がり、即水を用意した。中也は一気飲みし、空になったコップを差し出してきた。追加の水を汲みながら聞いた。「何食べたい?」
「….」「じゃあ、おにぎりにしようかな。」
米は昨晩炊いておいた。塩をつけ、三角の形にして、中也に渡す。中也はリスのように頬張っておにぎりを食べた。目に光も戻ってきたようで安心する。其の様子を眺め、少し笑ってしまった。
「名前、何ていうの?」
中也が食べ終わったタイミングで聞いた。知ってるのも当然なんだが。
「中原中也、手前は?」
「〇〇」
「じゃあ中也、何歳?」
少し言葉に詰まった。
中也「12」「一個年上じゃん。年下かと思った。」中也「うるせえ。」
もう一つ、何処から来たか聞こうと思ったが、彼の地雷を踏みたくなく、止めた。
「食べれた?次は体洗おう。中也って一人でお風呂入れる?」
中也「、、、風呂ってなんだ?」
8歳から記憶のない中也。お風呂の存在も知らないらしい。
「分かった。体洗ってあげるから大人しくしててね。」中也「…」
今の状況、文ストファンに絶対に殴られるだろう。推しと風呂に入ってるんだぞ今私。革命だ。まあ、興奮は顔に勿論出さないけれど。
「すっきりしたね〜」
中也「、、、本当にすまんな。」
急な謝罪に何て返せばいいか分からなかった。
「そこは、【ありがとう】だよ!」
中也「ありがとう。」
そして中也は微笑んだ。でも、中也は自分を人間だと思っていない。この時、中也はどんな気持ちなのか、知らないが、此処で異能力を使うのも自分の為だと思わなかった。少しは救えたのかな。そう思うと、この世界に来た意味を少し、実感した。