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楠木side
朝目が覚めて……。
違和感。
頭上に布団が擦れる感触、ピクピクと動く謎の物体。
急いで洗面台に向かい鏡の前に立つと……。
楠木『…は?』
そこにはケモ耳が生えた俺が立っていた。
楠木『…夢、だよな??』
頬を抓っても変わらない。
夢じゃ……ない。
何で急に??有り得ない、人間がケモ耳生えるなんて……。
俺が狼狽える中ピンポンと音が鳴る。
遥かだ……ッ!
どうしようどうしようと考えてる時に目の前にあったパーカー。
これを着て乗り切るッ!
扉を開けて遥を中に通す。
桜「随分開けるのに遅かったな…?そんなに準備しなくても……。」
楠木『……別に…。』
ジィーっと目線で分かる、何故部屋なのにフードなのかって聞きたいんだろう……。
楠木『髪の毛のセットが終わってないんだ、紳士なら分かるだろ。』
桜「??そうなのか?俺はどんなお前でも受け入れるぞ?」
誰かこのタラシにお灸を添えてくれッ!!
楠木『あのなぁ、好きなやつの前ならカッコイイ状態でいてぇんだ、お前だってそうだろ?』
遥は散々悩んだ挙句
桜「……確かに。」
楠木『かっけ悪いとこなん見せたくねぇだろ、だから俺だって見せたくねぇ。』
そう言えば遥は成程、と頷いた。
楠木『なら良し、今日は帰ってくれ。』
桜「……嫌だ。」
楠木『何故?』
俺の問いかけに遥は
桜「……少しでも…好きな奴と居たいに決まってんだろ……。」
ぷいっと背を向けてしまった背中が愛おしくて……。
楠木『……ごめん、謝るから…俺に背を向けんな…。』
背中から抱き着いてギュッと抱き締める。
桜「…もし次も同じ事言ったら……、許さねぇから。」
分かってるよ、ずっと。
噂は聞いてたから、風鈴の一年に強い奴が入ったって、直接見て分かったから、お前は強い。
俺以上に。守れる物(人)があるから、だから自分自身無くさないんだろう。
遥は俺みたいになるな、強さだけを手にするな…。
そこには遥が欲しいものなんてない。
お前は、お前たちは
俺の道を辿るな