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テオside
今日も今日とてミアレシティを散歩する。
この街は煌びやかだ。
ガラルと似てるけど街中でワイルドゾーンはない。
この街にまでキテルグマなん居たらケガ人……いや、死人が出るから居らん方がいいな、と色々考えていたら。
ミアレシティ駅前にカバン1つ持った少年がいた。
俺と同じ観光客だろうか?スマホを見ながら周りをキョロキョロしている。
助けてあげたいが、俺も同じ観光客として先に居ただけだし…、何の助けにもならないよな……。
どうしようか、と考えていると
タウニー「あれ!テオじゃん!どうしたのこんな所で?」
丁度よく現れたタウニーに困ってそうな観光客が居ると伝えると
任せて!!と言いながら走って行ってしまった…。
大丈夫か??
ゆっくり追い掛けると
タウニー「ホテルZの動画の為お願い!」
やっぱりそんな事だろう思った。
テオ『コラ…やってることガイと一緒じゃねぇか、これだから双子は……。』
タウニー「アタシだって役に立ちたいもんッ!」
テオ『その役に立つって言った割には強制だアホンダラ……、と、スマンなお兄さん、出演はしなくていいよ、迷惑かけた分ホテル分はら…(ガシッ)う?』
突然両手を握られ少年は何故かキラキラした目でこちらを向いている。
テオ『…え、えっと??』
?「あ、あの!!テオさんですよねッ!」
テオ『多分……?君が思ってるテオって人の事はよく分からんどテオだよ俺は??』
?「俺ずっと憧れだったんです!!チャンピオンにもならずにその席を離れて他地方へとどんどん勝っていく貴方を!その場じゃなくて留まらない貴方に!!」
テオ『え、え?』
キョウヤ「あ、名前言ってませんでした!俺キョウヤって言います!!テオさん!!俺と一緒に過ごして下さいッ!」
気付けばタウニーは消えてるし……。
テオ『……えっと、キョウヤくんは何で俺の事知ってるのかな…俺滅多にテレビとか出てないし。放送とかもしてないよ?』
キョウヤ「知ってます!テオさんがカメラ苦手なのも!でもキバナさんが撮った写真に少し見切れてましたが写ってたので!」
あーーー、ナルシスト野郎後で俺が写ってる写真全部消してもらわんとかんわ……。
テオ『成程、まぁ正体知ってるなら周りに言わんといてもらっていいかい?俺ははね休みに来ただけ、邪魔はされたくないの。』
キョウヤ「勿論です!!でもでも!あの!連絡先とかって……。」
上目遣いで今にも泣きそうなイヌヌワンにしか見えない……。
テオ『ぅぐ……ッ、わ、分かったって!交換するから!!そんな目で見んなッ!!』
キョウヤ君はパァーと笑顔になり
キョウヤ「嬉しいですッ!俺、ずっとテオさんの事憧れだったのでッ!」
純粋で真っ直ぐな彼の言葉に恥ずかしくなる……。
何てったってファンと言うものも無ければ俺の存在すら知らないくらいだ…。
キョウヤ「あの……この後時間とかって…ありますか??」
テオ『まぁ、時間なら幾らでもあるけど…ただ俺観光客だし案内は出来ねぇよ?』
キョウヤ「そんな!憧れの人に案内なんて頼めませんッ!ただ、色んな地方を旅した貴方の話が…その、聞きたくて……。」
あー、ダメだ。俺この子の事ワンパチにしか見えんくなってきた……。
ガラルが恋しくなる〜、まぁパソコン開きゃ居るけど←
テオ『まぁ話すのは良いけどそんな楽しい話なんてねぇよ?』
キョウヤ「良いんです!!俺が聞きたいんでッ!」
お、おおう、今の若い子ってこんなにも元気なんだな……。
テオ『じゃあ、どっかカフェでも寄るか…。』
キョウヤは太陽の様な笑顔でハイッ!と答えた。
場所を移してテラス席のあるカフェで雑談をする事になった。
テオ『そんで、俺の何を知りたいの?』
俺の問にキョウヤは何から話せばいいのか分からなくなってるようで…あの、えっと、あう…。と情けない声でしどろもどろしている。
テオ『……、キョウヤは何しにこの街に来たんだ??観光か?それともワイルドゾーン?』
キョウヤは言いにくそうに
キョウヤ「…あの、実は俺ポケモン、持ってなくて……。」
てへっ、と言わんばかりに頬を掻く
俺の聞き間違い??ポケモンを……持って……ない???
テオ『……は?』
キョウヤ「えっと……俺この度が初めてで……、どこか気分転換に旅行したいなって思い立って…何も考えずに降り立った……感じです…へへ。」
大丈夫か、この子危機感無さすぎて心配なんだけど???
俺は手を目元に覆うようにして上を向く。
暫しの沈黙後
テオ『…まぁ、同じ旅行者として俺のポケモンやるよ、まぁまだタマゴの状態だけどな。ワイルドゾーンさえ行かなきゃその内孵だろ。』
俺がそう話せばキョウヤは首が折れるかくらい左右にブンブンとしながら
キョウヤ「そんなッ!ダメですってッ!!テオさんの大事なタマゴ受け取れませんッ!!」
テオ『あのなぁ、この街はポケモン連れとかんと色々危険なんだ、俺の大事なファン1号くんには特別扱いくらいさせてよ。』
キョウヤside
ファン1号……?俺1号??
え?本当に??俺以外テオさんの事知らないの……?
しかも特別……???
宇宙猫の俺を置いてテオさんは最近連れてるタマゴがあったな……とゴソゴソしながら
テオ『あぁ、この子。この子なぁ孵化したら強いポケモンになるぞ…何てったって俺が大事に育てたタマゴなんだ、特別にキョウヤに譲るよ。』
キョウヤ「ちょ!待って下さいッ!!大事にしてたタマゴなら余計受け取れませんって!!!」
テオ『俺はキョウヤなら大丈夫だって思ったから譲りたいの……、孵化したら見せに来てよ、この子はキョウヤにとって絶対に道を開いてくれるから。』
そこまで言ってもらえて貰えません…なんて言えない……。
キョウヤ「ありがとうございます…俺絶対立派に育てますからッ!!」
テオ『頼もしい少年で何よりだ…、きっとキョウヤはこの街の英雄になるだろうな…、その真っ直ぐな目、濁らしたらダメだよ。』
ふっ、と笑うテオさんに胸が高なった。
テオさんって…こんな風に笑うんだ……。
さてと、と言いながら席を立つテオさん。
テオ『ゴメンなぁ、そろそろお暇しなきゃうちの子たちのご飯の時間なんだ、何かあったら相談しな、まぁ俺も暇人じゃないから何時でも返せる訳じゃないけど…、でもなる早で駆け付けるさ。』
キョウヤ「あ、あの!ありがとうございました!!」
俺がそう叫ぶと歩きながら片手で合図してくれた……。
カッコよすぎだろ……ッ!!
それに俺も早くこの子をあっためてあげなきゃ……。