青 『さむ…』
今にも凍ってしまいそうな手を
ポケットにしまって、身震いする。
こういう待ち時間が本当に嫌い。
青 『…ったく、なんでこんなに寒いわけ?』
そんな独り言は、白い煙となって消えた。
青 『あ”ぁ…腹立つぅ…』
昨日までは桃くんもバスだって言ってたのに
今日になって「ごめん!やっぱ俺電車だわ!」とか言って
待ち時間もない暖かい電車で帰ってる。
恋人と帰らないなんて
一体どんな神経をしているのか。
イライラしながら
予定時刻を既に過ぎているバスを待っていると
冷え切った耳を誰かの温もりがそっと包んだ。
青 『へっ…?』
桃 『お待たせ』
青 『桃…くん、?』
桃 『そうだよ?笑』
青 『な、なんでここに…』
桃 『バスで帰ろうかなあって』
青 『でもっ、電車って…』
桃 『ああ…あれ?』
桃 『今日言ったやつ?』
青 『うん』
桃 『うそ笑』
青 『は…?』
桃 『だから!うーそ!笑』
青 『へ…?』
一体何を言ってるんだこいつは。
今日の朝電車で帰ると言ったじゃないか。
僕がおかしいのか。
僕が間違っているのか。
桃 『そんな、彼女を1人にさせるやつがどこにいるんだよ笑』
青 『彼女って…/』
桃 『ちょっと部活の用事があったんだけど』
桃 『それ説明すんのめんどくて笑』
青 『あのさぁ!』
桃 『ごめんって笑』
桃 『このカイロで許して?笑』
青 『カイロなんて…なんで持ってんの、?』
桃 『青が冷え性だから』
桃 『ここまで走ってくるときにわざわざカイロも振りながら来たんだからな』
桃 『感謝しろよ』
青 『もう…/』
青 『はいはい、ありがとうございます//』
桃 『照れ隠ししやがって笑』
青 『なっ…!』
桃 『ほら、このマフラーも貸してやるよ』
青 『いやっ…いいよ、/』
桃 『いいからいいから』
桃くんはそう言うと
自分のつけていたマフラーを僕の首に巻いた。
桃 『あったかいだろ?』
青 『ん、/』
桃 『ふっ笑』
桃 『大体なんでお前は冷え性なのにマフラーもしてないんだよ笑』
青 『そ、それは…/』
青 『桃くんのやつつけたかったから…//』
桃 『え?』
青 『桃くんのやつつけたかったから、!///』
桃 『はぁ…お前可愛すぎな?チュッ』
青 『んっ!/』
青 『ちょっと…!//』
桃 『良いじゃん、ちょっとくらい笑』
青 『だるっ!/』
桃 『ふはっ笑』
やっぱり待ち時間も良いかも…なんてね。
『待ち時間』
コメント
2件
このお話の桃くんがイケメンすぎて最高です😭😭😭💕💕💕💕
さりげなく青くんが冷え性なことを把握してる桃くんがイケメンすぎた...😭