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翌日。

なんとか気持ちを切り替えて出社。

そのまま仕事行くのは正直ちょっとツラかったけど、でも意外と仕事に集中している方が気が紛れるのか、無駄なこと考える暇がなくて案外気持ちが楽で。

やっぱ私は仕事してる方が性に合ってる。


「望月さん、顔色あんまり良くない感じしますけど大丈夫ですか?昨日ちゃんとあれから休めました?」


ランチの時間になって、三輪ちゃんが今の私を見て声をかけてくる。


「あぁ、うん。結局疲れ取れなくて。昨日もあんま夜眠れなくてさ」


結局昨日はあのまま色々考えすぎて全然寝られなかった。

さすがに気分は切り替えても顔の疲れは出ちゃってるってことか。


「え~。ダメですよ~。ようやく忙しいの終わったのにちゃんとよく寝て疲れ取らないとー」


三輪ちゃんが気にかけてくれる。

三輪ちゃんはこういう細かなとこ気付いちゃういい子なんだよね。


そう話しながら食堂へ移動すると、遠くの方で見覚えある姿を見つける。

やっぱりこういう時も見つけてしまう樹の姿。

せっかく久々に会えたのに。

ホントなら嬉しかったはずなのに。

でも、さすがに今はまだ会いたくない。


「三輪ちゃん!今日さ!食堂やめて外にランチしに行かない!?」


咄嗟に樹に見つかる前に、三輪ちゃんにそう提案して方向転換。


「へっ?・・・あっ、いいですよ?」


三輪ちゃんは戸惑いながらも受け入れてくれる。


「どうしたんですか?いきなり」

「いや、たまにはさ外でランチもいいかな~と思って。ほら、私こんな顔で疲れてるからちょっと外の空気吸いたくて気分転換、したいな~みたいな」


必死の急な言い訳。


「あっ、なるほど。そうですね~それもたまには良きですね~」


すると三輪ちゃんはすぐに納得してくれる。


「近くの安くて美味しいパスタのお店でもいい?」

「いいですね~!パスタ大好きです!」

「よかった。じゃあ、そこ行こっか」

「はい!」


三輪ちゃんは頭が良くていつもなんとなく私の空気や雰囲気を察してくれる。

いつもこの明るさでいてくれる三輪ちゃんには、何度か気持ち落ちた時に密かに助けてもらってる。


「たまにはいいですよね~。外の空気吸うのも。ここ最近ずっと社内の中で忙しいですし」

「だよね~」


やっぱり少しこうやって天気のいい日に外に出て空気吸うだけで気分が晴れる。


「望月さんにはいつも元気でいてもらわないと、私も困ります」


笑顔でそう言ってくれる三輪ちゃん。


「元気、だよ?」


このタイミングでのその三輪ちゃんの言葉に少しドキッとする。


「その寝不足の原因は、仕事じゃないですよね、きっと」


三輪ちゃんするどい。


「プライベートで何かありました?望月さんのそんな感じ、私が下に就いてから始めて見ました」


そっか。前の涼さんの時は三輪ちゃんと一緒に仕事してなかったもんな。

それ以降はこんな顔に出ちゃうほどのことなんてなかったし。

うん、そもそも恋愛をしてこなかったワケだし。

やはり、恋愛は仕事に影響出やすい・・・。


「三輪ちゃんにはやっぱそういうのわかっちゃうか~」

「当たり前じゃないですか~。望月さんの仕事する姿ずっと憧れて見続けてますから、ちょっとした変化、私わかりますもん」

「三輪ちゃんやっぱ頼もしいな~。じゃあ私に何かあったらこれから三輪ちゃんに安心して任せられるね~」

「ちょっと何言ってるんですか~!私は望月さんの下で一緒に働けてるから頑張れてるんです!これからもいろいろ指導してもらわないと!」

「三輪ちゃんありがと~」


今は三輪ちゃんのこの明るさと温かさが身に染みる。

こうやって誰でもない自分を必要としてくれるのってホント、嬉しい。




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