コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は今まで外に出たことがなかった。小さな窓から見える「空」がどれほど大きなものか、知らなかった。外に出て初めて空の大きさ、風の快さ、日光の温かさ、月光の眩しさを知った。
でも、私にはなにもない。家族も、居場所も、感情も、未来も、全てが。ただ、私がここにいるという事実だけが残されている。
「おかあさぁぁああーん‼‼‼」
幼い私の泣き叫ぶ声が、夜空に響き渡る。それも、まるでなかったかのように夜空に吸い込まれて消えた。私は疲れ果てて座り込んですすり泣く。
自分が何をしたいのかもわからず、泣き続ける。
嬉しいも、悲しいもわからず、ただ”孤独”を目の当たりにしている。
生きたくもなければ死にたくもないし、死にたいけれど生きたい。
暗闇をさまよい続け、行き着く場所は一体どこなのか。
何もないはずの心の奥深くが、光を求めているのに、私はまだ気づかずにいる。