復活記念作品 「僕の死に方」
僕は今日も独りで夜道を歩く。
死に場所を探しながら。
楽しいと思えることも嬉しいと思うことも無くなった今、
毎日暗い海の底で息をするかのように生きている。
将来の夢を叶えたくて必死に生きていた昔はもう僕の生きた記録の中にはない。
無かったことにした。と言ったほうが正しいと思うけれど僕はこれでいい。
公園のベンチに座っていると友達からメッセージが届いた。
「静稀(しずき)、今何してる?」
「今は死に場所を探しているよ。現在地送ろうか?喑(つぐむ)くんも来る?」
「もう…また死のうとしてるの?行っていいなら行くよ。」
〈静稀が画像を送信しました。〉
「公園か、りょーかい。行くね」
僕は暗い公園を照らすスマホの明かりを消した。
「静稀、お待たせ」
まだお風呂に入っていなかったのか普段着姿の喑くんが目の前に姿を現した。
「早かったね」
喑くんは僕の隣に腰を下ろし、二人で月を見上げる。
「まぁ家から近かったし、静稀の為に早く来たんだよ」
「そっか」
僕の為…か。喑くんは優しいなぁ。
「静稀、顔死んでる。何かあったね?」
「えぇ…まぁ、あったけど」
教えてほしそうに僕を見つめる喑くん。
これは教えるしか答えがないようだった。
「家族と喧嘩して、家飛び出てきちゃった。あと…普通に死にたかった」
「そっかそっか、よく耐えたね」
そう言って僕の頭を撫でてくれる喑くんはふわりと微笑んで褒めてくれた。
「全然迷惑だなんて思ってないからね。安心して」
気づけば僕の目には涙が溜まっていた。
多分誰にも言えなかった気持ちを吐き出したからだろう。
静かな夜に僕の泣き声が混じる。
「大丈夫、俺がいるよ」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら俯くと呼吸が荒いせいか倒れてしまいそうな気がした。
辛くて苦しくて押しつぶされそうになりながら生きてきた。
重たい気持ちを友達である喑くんに話せた。
ここまで頑張ってきたんだよ。という気持ちと申し訳ない気持ちが心に溜まってゆく。
「静稀、俺の家来な。ゆっくり休も」
10話くらいか5話くらいで終わらせるようにします。
この作品は伸びたいなぁ。
下は参考程度に見ておいてください。
椎羅魏 喑(しいらぎ つぐむ)の姿↓
三千乃 静稀(みちの しずき)の姿↓
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