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Ⅴ 本音
knside
______
2022年8月9日。
例の件も一段落して、
最終的には
俺が悪いということになった。
虐められていたというのも、
ただの虚言だとされた。
無かったことにされたのだ。
俺がクラスの中心人物を
病院送りにした、
その事実だけが広められ、
噂になり、
最終的には不良たちに
目をつけられることになる
あの頃の、高校1年生の俺は、
無いに等しい筈だった力で、
不良を、先輩達と日々戦っていた。
______
nk「やめなよ、そんな事。」
…ッ?
「ねぇ…」
「それがknの本当にやりたい事…?」
kn「違う…、ッ」
「ちがう…ッッ!!」
「おれはッ…!!」
はっと目が覚めた。
夢だったのだ。
時計を見ればまだ朝の4時で、
馬鹿な俺は
もう1回寝れるだろうと安堵していた。
頬を液体が伝っていた。
何故俺が喧嘩をするようになったのか。
こんなにも変わり果てた性格を
振り回しているのか。
人を傷つけたいなんて気持ちは
一切無いということ
母親には全てを話した。
信じてくれた。
待っていてくれた。
でも、
どうしても終わらせることができなくて
寄ってきた奴を
倒すことくらいしかできなくて
目を瞑っているうちに、
盲いたように、
何も見えなくなって
未来も何もかも消えていって。
俺と彼の絆も、消えかけていたのだった。
______
nk「knっていいよな、」
kn「え、…何が?」
nk「んー?、だって、俺わがままだしさ、」
「knは優しいし、
人に合わせて、幸せにする天才じゃん」
「でも自分の意思はちゃんとあって、」
「ほんと、羨ましいよ」
kn「……そう…?」
そんなことを人に言われるのは
初めてだった。
物心ついた時からかは知らないが、
俺は比較的自己肯定感の低い人間だった。
だから嬉しかった。
「…ありがとう。」
「そう言ってくれるnkも、
人を幸せにする天才だと思う」
「少なくとも俺はそうだよ、」
「w」
nk「なんて事言ってくれんだよw」
「まぁお互い様だな、w」
彼は明るかった。
俺と過ごしていくうちに表情が晴れた
今日みたいな、
澄んだ青空の日は、
kn「わーってるよ…」
彼を連想させてしまう。
こんなこと、俺のやりたい事じゃない。
そんな分かりきったこと、
今更言わないで欲しい。
…本当は、何がやりたいのだろう
______
nk「kn!!」
______
…
お前ともっと、ずっと。
一緒に居たかった。