テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
5秒💋
夜。
宿の廊下。
皆はもう、それぞれの部屋に戻っていた。
静か。
しん……。
×××は、部屋の前で立ち止まっていた。
(……今日……楽しかった……)
(……キルア……)
その時。
「……×××」
後ろから声。
キルア。
「……まだ起きてた?」
「……うん……」
少し、気まずい。
沈黙。
でも、どこか甘い。
キルアが、意を決したように言う。
「……なあ……」
「……今日さ……」
「……途中で……邪魔されただろ……」
×××、すぐ分かる。
「……あ……」
「……あれ……?」
「……あれ」
耳、赤い。
キルア、深呼吸。
「……今度は……」
「……邪魔されない」
一歩、近づく。
×××の心臓、跳ねる。
「……いい?」
小さな声。
×××は、こくっと頷く。
「……うん……」
距離が、縮まる。
1歩。
半歩。
息が、かかるくらい。
×××は、目を閉じる。
キルアも、そっと目を閉じる。
――そして。
ちゅ。
優しく。
そっと。
唇が、触れる。
一瞬じゃない。
離れない。
……1秒。
……2秒。
(……え……)
(……長い……)
……3秒。
心臓がうるさい。
……4秒。
キルアの手が、そっと×××の袖を掴む。
……5秒。
ゆっくり、離れる。
「…………」
2人とも、固まる。
顔、真っ赤。
耳まで真っ赤。
「……っ」
×××、思わず壁に手をつく。
「……や……ば……」
キルアも、頭抱える。
「……なに……今の……」
「……5秒……」
「……長すぎ……」
「……死ぬ……」
「死なないで」
3回目。
×××は、胸を押さえる。
「……ドキドキ……止まらない……」
キルアも同じ。
「……俺も……」
そっと、×××を見る。
「……後悔……してない?」
×××は、すぐ答える。
「……してない……」
「……むしろ……」
少し恥ずかしそうに。
「……嬉しい……」
キルアの顔、一気に明るくなる。
「……マジ……?」
「……うん……」
キルア、思わず笑う。
「……大事にする……」
真剣に。
「……絶対……」
×××は、胸があたたかくなる。
「……私も……」
2人、そっと手をつなぐ。
そのまま。
「……おやすみ……」
「……おやすみ……」
それぞれの部屋へ。
――その夜。
2人とも。
全然、眠れなかった。
心臓うるさすぎて。
to be continued…