朝、目を覚ますと見慣れた天井ではなく、なんとなく見たことあるような、そんな感じであった。
et「んん…?」
重い体を起こすと、そこが警察署の本部であることがわかった。
客人用のソファに寝ていたのだと気づき、ゆっくり昨日のことを思い出した。
昨日は間抜けな怪盗が屋上で堂々と盗んだ宝を月にかざしていたから、捕まえられると思っていた。
しかし、そのあとの記憶がない。
捕まえられたのか、逃げられてしまったのか…。
近くにいた職員に聞こうと思い、立つと、急に頭が揺れた気がした。
目眩がして、昨日は酒を飲んだのだと察した。
私は酒癖が悪い上に下戸で、ほとんど平日にも休日にも呑まないのだが、出勤する前に、上司に誘われて呑んでしまったのだ。
幸い、出勤は”怪盗ur”が来るとされた夜中だったから、少しは酒が抜けていただろう。
けど…本当にやらかしてしまった。
せっかく捕まえられるチャンスだったのに…。
hr「あれっ?えとさん起きました?」
et「あっ…ヒロくん。起きました!ごめん、迷惑かけちゃって…。」
hr「大丈夫ですよ。一応同期ですし!w」
et「にしては敬語だけど。」
hr「まぁそれはね…仕方ない。」
ヒロくんは、私の同期で、昔から仲が良い。だけど、私のほうが早く出世したので、今は私が上司の立場なのだ。
et「あっ!そうだ、urは!?」
hr「えっ。」
et「捕まえられた!?」
そう聞くと、ヒロくんは顔を赤くして、
hr「覚えて…ないんですか?」
et「えっ?」
なんのことだろうと首を傾けると、ヒロくんが重い口を開いた。
hr「えとさん…キスしてましたよ、あいつに。」
et「……なんの冗談?」
hr「冗談じゃないです…で、その後逃げられました。」
et「………………え?」
脳が停止した。
頭が真っ白になった。
何を言われたか、わからなかった。
et「き…きす?魚のことよね…?もちろんそうよね!?」
焦って何を言っているかわからなかったけど、たぶん意味のわからないことを言っていただろう。
そのあと、ヒロくんをがん詰めにしているとき、もう一人の同期のどぬがもふくんを呼んでこの場を鎮めてくれた。
私はもう一度、今度はちゃんとしたベットで寝かされた。
??「ニヤッ…」
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