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「じゃあ4時半なー!遅れるなよ!」
「一番遅れそうな奴がなんか言ってらぁ。」
そう言ってゆうたは早足でグラウンドに走っていった。ゆうたはサッカー部に入っている。しかもスタメンだ。けんじ,かいと、なおきは部活に入っていない,そして俺はご存知の通り野球部。一様一軍と二軍の間を行き来する通りすがりの仮面ライダー。そしてはるきは休みがちだが一様美術部に入っている。俺もこうしちゃいられねぇ。グラウンドに鬼山と言う敵が現れている。ツノを生やして待っている。早く戦場に行かないと。そして練習が始まった。でも午後は素振りや補強の地道なものだった。早く終われ、早く終われって思っていると鬼山にそれが伝わったのか4時に練習が終わった。
「りょうくーん!こっちこっち!」
「遅れてるぞー。早くこーい。」
2人の声に引っ張られて待ち合わせ場所に着いたのは4時35分。
「あれ?自信満々に時間伝えてたゆうたは?」
「まだ来てねぇ。」
おお,おお,かいとちゃん頭に来てるねー。かいとは必ず時間ぴったしに来る。そしてなおきは、5分前には必ず着いている社会人だ,そして5分前に集合場所ついているのは僕組だけだ。
「やっぱりけんじくんも一緒に遊べるとこ行きたいよねー。」
「それは無理だろ,けんじの父は医者,母は看護師,なんか貰ってきたら問題だろ。」
「確かにねー。」
「まぁ人がいないとこならいいんじゃないか?」
「お!ゆうた来たぞ!早くこーい。」
「やっと来たか,20分遅刻だぞ。」
「ヒーローは遅れてやってくる。」
使い古されたネタと言う名の言い訳を使った。でも怒りの防衛戦を突破されたかいとの前では無意味,いや火に油だった。今やゆうたは飛んで火にいる夏の虫だ。使い方あってるか知らんけど。
「ざけるな,時間の読み方も分からんのか小1ども。」
「まぁまぁ。」
なおきがかいとを宥めてくれている。
「早く行こうぜ!この時間が一番無駄だからな。」
そう言って援護してやるがやはり口喧嘩,いや討論なら唯一けんじと会話の成立するかいたなだけあって反撃の手段はしっかりある。
「いや,君たち2人を待っている時間の方が圧倒的に無駄だ。」
そういや俺も遅れているのだから偉そうなことは言えない。
「まぁ行こうよ!」
「あぁ,そうだな。」
その後は遅れる時間を取り戻すべく爆速で自転車のペダルを回した。その甲斐あってか20分程度で目的地に着いた。そしてなおき先頭で3階の本屋に行った。
「どんな本買うんだ?」
「『鹿の王』って本なんだけど知ってる?」
「あー,一時映画化してた奴かな?」
「確かそうだね。」
なんてゆうたとなおきの会話を横目に見ながら買い物は何事もなく済んだ。だがトイレットペーパーやティッシュ,おむつやペットフードの値段がとても高くなっていて少しびっくりした。
「んじゃここで解散かな?じゃあな!」
かいとの合図と一緒に3方向に分かれてみんな帰っていった。少し喉が枯れているのを気づかないふりしながら。