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「そんなことでここから逃げるの?」

「そんなことって…もう俺達は売られるのがほぼ確定しているんだぞ…?」

自分で言っていても怖くなってくる。

「それにもうこの遊園地は立入禁止になってる。これから客を呼ぶつもりはさらさらないんだろう。」

「だったら、なに?」

「は?」

完全に諦めていた俺に、彼女は鋭い口調で問う。

「だからって諦めるの?まだ間に合うかもしれない、それなのにあなたは全部おわっちゃった。バッドエンド〜、みたいな顔してここから出ていこうとしてるワケ?」

「…」

何も言い返せなかった。確かにそうだ。まだ間に合うかも、でも、間に合わない確率のほうが圧倒的に高い。

「でも…」

「でもじゃない、これはあたしたちの命が関わってるかもしれないのよ?」

「そんなことはわかってる!俺だって売られたくないし、ここにまだまだ居たい!でももう無理なんだ!管理人が俺にむかってどんな態度だったのか!」

俺は管理人に知らない物を見る目で見られたのがショックだった。わからないのは当然。だが、それだけで俺のこころはズタズタだった。

「知らないわよ!そんなことで折れるなんてバカみたい!」

「ッ…!」

「とりあえず、突っ込むだけ突っ込んでみない?そうすれば少しはスッキリするかも。」

「それもそうか。」

決心がついた俺は、管理人に頼むことにした。ここで働くことを。

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