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コメント
2件
ほしいです…😭🙇♀️ とても素敵な作品です🫶🏻🫶🏻🫶🏻
※誤字脱字・nmmn
ご感想お待ちしております。誰のセリフかわからない等、質問はいつでもお答えします。(訂正も加えます。)
連載に作ろうと思ったけど意外と短かったり、思いついた話をまとめたりする時に更新されます。
喧嘩してパニックになって矛盾してぐちゃぐちゃになるのが好きなのかも…(今回のお話も結構ぐちゃぐちゃなのでご注意を)
最初で最後のラブレター 小柳ロウ
星導ショウと付き合って、違和感を覚えたのは初めてだった。
「…やっぱ、お前…俺のことなんか興味ないもんな…」
本当はそんなこと言いたくない。そんなことないって分かってるのに俺の口は言うことをきかずに動いてしまう。目には涙が溜まっていて、目の前で座っている彼が歪んで見えてしまう。
「だから違いますって…」
「……」
「どうしたんですか、何かあったんですか?話なら聞きますから、ねぇ…」
かれこれこのうような会話が30分は続いている。涙を溜めながら震えている俺を心配そうに見つめてくるお前。事の発端は先月、星導の行動が大幅に変わったということだ。いつもは俺との時間を作ると言って丸1日休みを取っていたのもなくなりほぼ毎日任務と鑑定の仕事を入れている。そして、触れ合うことも、行為もすることもなくなり、一緒に住んでいるのに1日話さないということもあった。なのに星導はいつも通りの対応をしてくる。何かあったら言ってくれればいいのに…俺ってそんなに頼りないのか?そうやって一人で抱え込んでいたのが爆発してしまい、今の状況になっている。言いたくないことを、本当は思っていないことを言ってしまいそうと怯えながら星導を見つめる。
「いつも……いっつもそうやって言って…!」
「…小柳くん…?」
あぁ、駄目だ、そんなこと言っちゃいけない。止まれ…動くな…何も喋るな…
「俺の気持ちに何も気づいてない…!俺の…俺の何知ってんだよ…!」
「…ぇ…?」
違う…そんなこと思ってない。やめて…そんなに悲しまないで…
「っ…ぁ…」
声が出ない…喉から何か出そうな恐ろしい感覚に必死に耐える。
「…小柳くんどういう意味ですか、それ」
「…ぇっ…」
星導は悲しそうな顔で俺を見つめる。
「俺の小柳くんに対する気持ちは嘘だって言いたいんですか?」
「…ち…が…」
言葉が詰まってうまく話せない…違うって伝えなきゃいけないのに…
「…小柳くんに対する俺の気持ちは嘘だったってことですね…」
「…っ」
違うよ、大好きだよ、やめて…大好きだって…声が出ないんだよ、助けてよ…
「…そうですよね…大丈夫ですよ別に、」
「…っ!ち…ぁ…」
そんな悲しい顔しないで…違うんだって…
「俺が小柳くんを愛してた時間が無駄だったってことですよね。」
「ほ…し…」
無駄じゃないよ…全部宝物だよ…星導に愛された時間…全部宝物だって…!
「ごめんなさい、無理に付き合わせちゃって。」
「ほし…る」
無理に付き合ってなんかない、好きだから…付き合ってるんだよ…
「小柳くんの大切な時間を奪っちゃってごめんなさい。」
「お…い」
どの時間も大切な時間だよ…宝物のような時間だよ・・・
「あ、俺があげたプレゼント全部捨てちゃって大丈夫ですよ、邪魔でしたよね」
「ねぇ…」
邪魔なんかじゃない…大切なものだから…
「俺にに気使ってくれてたんですよね」
「星導…」
違う…気使ってなんかない…星導に甘えるのが好きだから…星導が好きだから…
「ごめんなさい…俺もう小柳くんと関わらないので、本当に…俺…」
「…ショウ!!」
星導はどこか正気を失いそうになっている。俺は咄嗟に彼の名前を呼ぶ。過去が蘇るから嫌だった。いつもは絶対にしない呼び方でで。
「い”ッ…!?」
「…!?おい…星導…」
星導は頭に手をやりふらつきながら屈んだ。
「……出てって…くだ…さい…」
苦しそうにしながら一言、俺の顔を見ずに言った。
「あっ…ぇ…」
「…早く!!」
あそこまで声を張り上げている星導に逆らえず、俺は咄嗟に家を出た。外は雨と雪が混ざり合いながら降っていて、部屋着でコートを一枚は羽織って、それだけで済ませているから準備して外に出るときよりも寒く感じる。そして、家から結構な距離のある古びて使われなくなった屋根付きのバス停で腰を下ろす。寒さで手がかじかむ。寒いよ、寂しいよ…俺は星導が大好きなのに…でも…星導も俺の居ない方が…きっとそうだ。俺への愛が覚めたんだ。だけど気を使って好きなままでいてくれたんだ。
そうだ、これでよかったんだ。どうせ言い出せない俺の本当の気持ちなんて届かなくてもいい。信じたくないことが頭の中でぐるぐるしてしまう…君から貰った感情も、君に貰った言葉も、些細な気づきも、プレゼントも、笑顔も、思い出も、全部…全部、今日で忘れよう、そうだ、そうすればいいんだ。そうすればきっと楽になるし、新しい道も探せる。それに他の道として、恋人ではなく友達として、彼とまたもう一度やり直すことができる…。そんな……自分にはできもしないのに…そう考えて気持ちを紛らわす。逃げようと、忘れよう考えてる自分が嫌になる。出来ないって分かってるのに考えてしまう自分が本当に嫌になる。考えるだけで辛くなってしまう…。こういう辛い気持ちの時には君が隣にいてくれたな。辛いことがあったら君が話を聞いてくれたなぁ……なぁ駄目だ…考えれば考えるだけ思い返してしまう…もう後戻りはできないって、もう元の形に戻れないって分かってるのに、自分のせいでこうなったのに…辛いよ…なぁ、どうすればいいんだ?前みたいに隣にいてよ、隣で笑ってよ、俺の名前を呼んでよ、俺のことを頼ってよ、俺を愛してよ…
声を殺して泣きながら零れた涙と雨が混ざり合う。
「…会いたいよ……」
この声が、彼に届くことはないだろう…
続きは…欲しいですか?