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事務所
会議室(SixTONES)
長机。
資料、タブレット、ペットボトル。
SixTONES 全員揃ってる。
樹「じゃあ次これな」
ジェシー「OK〜」
慎太郎「これさ、前のやつとどう違うの?」
髙地「コンセプトが変わってるっぽいよ」
きょも は資料見ながら頷く。
会議はちゃんと進んでる。
いつも通り。
でも――
北斗だけ、少し違う。
北斗「……」
視線、資料の上。
なのに、
頭の中は別。
“最近いないな”
その一言が、
ずっと引っかかってる。
〇〇。
ここ最近、
事務所で見てない。
前はほぼ毎日いたのに。
会議とか、
ダンスとか、
マネとの打ち合わせとかで、
普通に顔合わせてたのに。
今は――
全然。
北斗「……」
気づけば、
無意識に周り見る。
別にいるはずもないのに。
「……何してんだよ」
自分で思う。
戻る。
会議。
樹「北斗?」
名前呼ばれる。
北斗「……あぁ」
少し遅れる。
樹「聞いてた?」
北斗「聞いてる」
でも、
一瞬の“間”でバレる。
ジェシー「怪しいな〜」
慎太郎「珍しいじゃん」
きょも、少しだけ横目で見る。
全部分かってる顔。
北斗「別に」
短く返す。
話、戻る。
でも集中、完全じゃない。
ーーー
会議、ひと段落。
軽い休憩。
水飲む音だけの時間。
樹「最近さ」
ぽつり。
樹「〇〇見てなくね?」
その一言。
一瞬で空気止まる。
北斗、反応しそうになるの抑える。
風磨がいれば必ず〇〇の話題になるが、
この場でも普通に話題出る。
慎太郎「あー確かに」
高地「忙しいんじゃない?」
きょも「最近ずっと外仕事って聞いた」
自然な流れ。
でも――
北斗の中だけ違う。
「やっぱそうか」
確信に変わる。
いない理由、
ちゃんとある。
分かってる。
なのに――
北斗「……」
なんか、引っかかる。
樹「前はずっといたのにな」
軽く言う。
その一言、
やけに残る。
“前はいた”
それが当たり前だった。
北斗にとっても。
無意識に。
ジェシー「寂しいの?北斗」
急に振られる。
北斗「は?」
即。
慎太郎「いや今の顔」
高地「分かりやすいよ」
きょも、軽く笑う。
きょも「ちょっとね」
北斗「違ぇよ」
否定。
でも弱い。
樹「いや分かるけどな」
珍しくフォローっぽい。
樹「いないと違うよな」
その言い方。
ただの空気の話。
でも――
北斗には刺さる。
北斗「……別に」
また言う。
でももう、
自分でも分かってる。
“別に”じゃない。
ーー
会議再開。
でも、
さっきよりさらに集中できない。
資料見ながら、
頭のどっかで考えてる。
“今何してんだろ”
“どこいるんだろ”
連絡する理由もない。
する関係でもない。
でも――
気になる。
北斗「……」
小さく息吐く。
北斗「めんどくせぇ」
心の中で。
ーー
会議終わり。
解散の空気。
みんな立ち上がる。
雑談しながら出ていく。
北斗は少し遅れて立つ。
ふと、
廊下を見る。
いない。
当たり前。
でも、
なんとなく見てしまう。
北斗「……」
ポケットに手入れる。
歩き出す。
でも、
どこか足りない感覚が残ったまま。
北斗「……ほんと」
小さく呟く。
北斗「いないだけで、こんな違うかよ」
そのまま、
静かな廊下を歩いていく。
気づかないふりしても、
もう分かってる。
これはただの違和感じゃない。
ちゃんと、
理由がある感情だって。
ーーー
ざわっとした廊下。
スタッフが行き来してる。
いつも通りの風景。
でも――
北斗「……」
やっぱり、どこか足りない。
無意識に、
あの角、
あのガラス張りの会議室、
ダンスルームの前、
全部“見てしまう”。
いないって分かってるのに。
樹「帰る?」
横から声。
北斗「……あぁ」
歩き出す。
ジェシーと慎太郎が後ろで騒いでる。
高地ときょもはそれ見て笑ってる。
全部いつも通り。
なのに――
北斗の中だけ、
ずっと引っかかってる。
ーー
エレベーター前。
待ち時間。
無音。
北斗、ふとスマホ出す。
開く。
閉じる。
また開く。
樹、横で気づく。
樹「……送るの?」
ぽつり。
北斗「は?」
樹「〇〇」
その名前。
一瞬でバレる。
北斗「送らねぇよ」
即。
でも、
手はまだスマホ持ってる。
樹「理由ないもんな」
淡々と。
事実。
北斗「……」
何も言えない。
その通りだから。
エレベーター来る。
乗る。
扉閉まる。
鏡に映る自分の顔。
北斗「……」
無表情。
でも、
中は全然違う。
1階。
外出る。
夕方の空気。
少し冷たい。
きょもがふと横に来る。
きょも「会いたいの?」
静かに。
核心。
北斗、止まる。
北斗「……は?」
きょも「顔に出てる」
軽く笑う。
北斗「違ぇよ」
でも弱い。
きょも「ふーん」
それ以上言わない。
でも、
全部分かってる顔。
みんなそれぞれの方向へ。
解散。
北斗、一人になる。
歩き出す。
でも足、少し遅い。
考えてる。
ずっと。
ーーー
北斗side
“送る理由ない”
それは本当。
でも――
“会いたい理由”はある。
それに気づいてるのが、
一番めんどくさい。
スマホ、また出す。
トーク画面、開く。
何も打ってない。
打てない。
北斗「……」
数秒。
親指、止まる。
そして――
閉じる。
ポケットに戻す。
北斗「……無理だろ」
小さく。
ーーー
家。
ソファに座る。
静か。
テレビもつけてない。
北斗「……」
天井見る。
思い出すのは、
いない今日じゃなくて――
“いる日の〇〇”。
笑ってる顔。
話してる声。
隣にいた距離。
全部。
北斗「……」
小さく息吐く。
北斗「終わってんな」
自分に対して。
でも、
否定しない。
できない。
その時。
スマホ、振動。
画面見る。
一瞬で止まる。
〇〇。
北斗「……は?」
開く。
短いメッセージ。
〇〇「今日こそ行こうと思ったけど事務所行けなかった、ごめん笑」
ただそれだけ。
軽い。
いつも通り。
でも――
一気に、
全部持っていかれる。
北斗「……」
数秒、固まる。
そのあと、
ふっと力抜ける。
北斗「……なんだよ」
小さく笑う。
たった一通で、
こんなに変わる。
さっきまでのモヤモヤ、
全部消えてる。
北斗「……ほんと」
スマホ見ながら。
北斗「めんどくせぇ」
でも――
今度ははっきりしてる。
これ、
もう逃げられないやつ。
完全に、
夢中になってる。
スマホ、手の中。
〇〇からの一通。
たったそれだけなのに、
さっきまでの一日が嘘みたいに軽くなる。
北斗「……なんだよこれ」
小さく呟く。
でも、目は画面から離れない。
返信、打とうとする。
止まる。
消す。
また打つ。
北斗「……」
何送るのが正解か分かんねぇ。
重くしたくない。
でも軽すぎるのも違う。
数秒。
結局――
北斗「おつかれ。忙しいなら仕方ないだろ」
送信。
シンプル。
いつも通り。
それ以上でもそれ以下でもない。
数秒後。
既読。
早い。
北斗「……」
ちょっとだけ身構える。
すぐ返信。
〇〇「だよね笑」
軽い。
やっぱり。
〇〇「そっちは会議だったんでしょ?」
普通の会話。
北斗「……あぁ」
打つ。
北斗「普通に終わった」
送る。
またすぐ既読。
〇〇「おつかれ〜」
それだけ。
会話、終わりそうな流れ。
でも――
北斗、スマホ見たまま止まる。
終わらせたくない、
って感覚が、
少しだけある。
北斗「……」
一瞬迷う。
そして――
北斗「最近来てねぇな」
送る。
自分でもちょっと驚く。
こんなこと送ると思ってなかった。
数秒。
既読つく。
少しだけ間。
〇〇「忙しいんだよね最近」
〇〇「ずっと外」
やっぱり、軽い。
でも本当のこと。
北斗「……そっか」
短く返す。
〇〇「そのうち行くよ」
また軽い。
でも――
その一言、
妙に残る。
“そのうち行く”
北斗「……」
小さく息吐く。
北斗「待ってるわ」
気づいたら打ってる。
送る。
送ってから、
一瞬止まる。
「……今の」
ちょっとだけ本音すぎたかもって思う。
既読。
少しだけ間。
〇〇「なにそれ笑」
軽く返ってくる。
いつも通り。
深い意味なし。
北斗「別に」
すぐ返す。
逃げる。
〇〇「行ったらまたサウナ行こ」
その一文。
一瞬で、
頭にあの日が戻る。
距離、
空気、
全部。
北斗「……」
少しだけ黙る。
そして、
北斗「3回目やるぞ」
送る。
〇〇「無理」
即。
北斗、少し笑う。
北斗「逃げんな」
〇〇「逃げる」
このやり取り。
完全にいつも通り。
でも――
前と違うのは、
北斗だけ。
会話、そこで一旦止まる。
スマホ置く。
ソファに体預ける。
目閉じる。
さっきまでのモヤモヤはない。
ただ、
静かに満たされてる感じ。
北斗「……はぁ」
息吐く。
北斗「単純すぎだろ」
自分で呆れる。
でも、
分かってる。
一通でこうなる時点で、
もうどうしようもない。
“いないと物足りない”
“いるだけで満たされる”
その差が、
はっきりしすぎてる。
スマホ、もう一回見る。
さっきの会話。
短いのに、
何回も見返してる。
北斗「……」
小さく笑う。
北斗「ほんと終わってる」
でも、
嫌じゃない。
むしろ――
この感覚を、
どこかで楽しんでる自分もいる。
北斗「……そのうちな」
ぽつり。
〇〇の言葉思い出す。
“そのうち行く”
その日、
絶対また何か変わる。
分かってる。
でも――
それでもいいと思ってる時点で、
もう完全に、
抜け出せてない。
ーーーーーーーーー
〇〇 side
――夜、帰り道。
外仕事終わり。
やっと一息。
〇〇「はぁ〜疲れた」
空見上げながら歩く。
ここ最近ずっとこんな感じ。
事務所にも全然行けてない。
「みんな会ってないなー」
軽く思う。
でも深くは考えない。
その時、
スマホ振動。
見る。
北斗。
〇〇「お、珍し」
ちょっとだけ意外。
開く。
「おつかれ。忙しいなら仕方ないだろ」
〇〇「やさし」
そのまま笑う。
すぐ返す。
「だよね笑」
軽いテンション。
そのまま会話続く。
会議の話。
普通のやり取り。
でも――
ちょっとだけ思う。
「今日会ってないんだな」
前なら、
事務所で顔合わせてた。
それが当たり前だったのに。
今はこうやって、
文字だけ。
〇〇「ふーん」
特に深くは考えないけど、
ちょっとだけ変な感じ。
「最近来てねぇな」
その一言。
〇〇「え」
ちょっと止まる。
北斗からそういうの来るの、
珍しい。
〇〇「気づいてたんだ」
なんかちょっとだけ意外。
でもすぐ、
〇〇「忙しいんだよね最近」
普通に返す。
深い意味なし。
でも、
ちょっとだけ嬉しい。
気にされてたこと。
「待ってるわ」
その一文。
〇〇「なにそれ笑」
即ツッコミ。
でも、
ほんの一瞬だけ、
「え、なにそれ」
って思ったのは事実。
でもすぐ流す。
深く考えない。
いつも通り。
〇〇「行ったらまたサウナ行こ」
軽く返す。
あの日楽しかったし。
普通にまた行きたいだけ。
会話終わり。
スマホしまう。
歩きながら、
ふと思う。
「そろそろ事務所行きたいな」
単純に。
みんなにも会いたいし。
最近、
仕事ばっかでちょっと味気ない。
🏠家、到着。
ドア開ける。
〇〇「ただいまー」
誰もいないけど言う。
荷物置いて、
ソファに倒れる。
〇〇「……疲れた」
数秒。
でも――
〇〇「お腹すいた」
すぐこれ。
立ち上がる。
キッチン行く。
冷蔵庫開ける。
中身見る。
〇〇「……何作れるこれ」
最近、
ちょっとだけ頑張ってる。
理由は
勝利の影響。
「自炊した方がいいよ」って言われて、
なんとなく始めた。
まだ全然だけど。
〇〇「……よし」
適当に材料出す。
切る。
炒める。
ちょっと危なっかしい。
でも、
なんとか形になる。
〇〇「……いけるくない?」
味見。
〇〇「……まぁいける」
ギリ合格。
そのまま、
もう一品作る。
なんか今日ちょっとやる気ある。
理由は特にない。
ただの気分。
ふと、
手止まる。
〇〇「……」
さっきの会話、
ちょっと思い出す。
「待ってるわ」
〇〇「……」
少しだけ考える。
でも――
深くは行かない。
〇〇「……あ」
ふと思いつく。
〇〇「持ってこ」
軽く言う。
誰にっていうより、
“みんなに”。
事務所に。
最近行けてないし。
差し入れ的な感じで。
〇〇「ちょうどいいじゃん」
一人で納得。
でも頭のどっかで、
ちょっとだけ浮かぶ。
北斗。
さっきの会話。
でも――
〇〇「ま、みんなで食べればいいし」
すぐ雑にまとめる。
深い意味なし。
タッパー出す。
詰める。
見た目はまあまあ。
〇〇「……よくない?」
ちょっと満足。
〇〇「明日持ってこ」
軽く決定。
そのまま冷蔵庫へ。
ソファ戻る。
スマホ見る。
さっきのトーク。
軽いやり取り。
でも、
なんかちょっとだけ、
いつもより残る。
〇〇「……まぁいっか」
すぐ閉じる。
深く考えない。
でも――
明日、
久しぶりに事務所行くの、
ちょっとだけ楽しみになってる。
理由ははっきりしてない。
でも、
なんとなく。
その“なんとなく”の中に、
少しだけ――
さっきのやり取りが混ざってることに、
〇〇はまだ気づいてない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☀️〇〇side
〇〇「……眠」
目こすりながら立ってる。
でも今日はちょっと違う。
〇〇「持ってくんだっけ」
昨日の夜の自分、思い出す。
冷蔵庫開ける。
タッパー。
〇〇「……あるじゃん」
ちゃんと作ってる自分に少し驚く。
〇〇「えら」
誰もいないのに言う。
取り出す。
中身確認。
〇〇「……まぁいける」
見た目、ギリ合格。
ちょっとだけ整える。
ラップ直す。
〇〇「これでよし」
満足。
準備して、
家出る。
外の空気、ちょっと冷たい。
〇〇「さむ」
でも足取りは軽い。
久しぶりの事務所。
それだけでちょっと気分違う。
〇〇「みんないるかな」
なんとなく思う。
ーーー
事務所到着。
エントランス。
スタッフに軽く挨拶。
〇〇「おはようございます」
久しぶりな感じ。
ちょっとだけ新鮮。
エレベーター乗る。
上がる。
〇〇「……」
ふと、
昨日の会話思い出す。
「待ってるわ」
〇〇「……なにそれ」
小さく笑う。
廊下。
歩く。
いつもの景色。
でもちょっと久しぶり。
〇〇「懐かし」
大げさに言う。
そのまま、
よくいる控室の前へ。
ドアの前で一瞬止まる。
〇〇「いるかな」
ノックなしで開ける。
ガチャ。
〇〇「おはよー」
いつも通り入る。
中には、
SixTONES のメンバー。
樹、きょも、ジェシー、慎太郎、高地。
一瞬で視線集まる。
樹「お、久々じゃん」
〇〇「久しぶりー」
普通に入る。
空気、一気に明るくなる。
きょも「おはよう」
〇〇「おはよ」
軽く返す。
ジェシー「元気だったー?」
〇〇「ぼちぼち」
慎太郎「忙しそうだったもんな」
〇〇「そうなのよ」
普通の会話。
でも、
〇〇の中で一瞬だけ、
探す。
北斗。
「あ、いる」
普通にいた。
〇〇「おはよ」
軽く声かける。
北斗の方に。
特に深い意味なく。
北斗「……おう」
短く返ってくる。
その瞬間。
〇〇、ほんの一瞬だけ思う。
「なんか昨日ぶりなのに久しぶり感ある」
でもすぐ流す。
〇〇「てかさ」
持ってきた袋持ち上げる。
〇〇「これ」
全員見る。
樹「なにそれ」
〇〇「作った」
一言。
一瞬の沈黙。
風磨いないけど、
このメンバーでも同じ反応。
樹「……は?」
ジェシー「え?」
慎太郎「嘘だろ」
高地「まじで?」
きょも、少し驚いて笑う。
きょも「すごいね」
〇〇「普通に作っただけ」
ドヤでもなく、
普通に言う。
〇〇「最近ちょっとやってる」
さらっと。
樹「誰の影響?」
〇〇「勝利」
即答。
樹「わかりやす」
タッパー開ける。
中身見せる。
〇〇「ほら」
意外とちゃんとしてる。
ジェシー「普通にうまそう!」
慎太郎「やば!」
高地「食べたい」
きょも「いただきます」
自然に箸取る流れ。
〇〇「どうぞ」
完全に差し入れテンション。
その中で、
〇〇、ふと横見る。
北斗。
どういう反応するか、
ちょっとだけ気になる。
理由はよく分かってない。
でも自然に目いく。
〇〇「食べる?」
軽く聞く。
いつも通りのテンションで。
深い意味なし。
でも――
ほんの少しだけ、
返事待ってる自分がいることに、
まだ気づいてない。
ーーーーーーーーー
北斗side
☀️家。
アラームで起きる。
北斗「……」
目開ける。
数秒そのまま。
昨日のやり取り、
ふっと思い出す。
「そのうち行くよ」
北斗「……」
起き上がる。
頭のどっかに残ってる。
準備して、
家出る。
外、少し冷たい。
北斗「さむ」
ポケットに手入れて歩く。
今日の予定、
事務所で会議。
SixTONES の。
いつも通り。
なのに――
なんか、
ちょっとだけ意識してる。
「……来るわけねぇだろ」
自分で思う。
〇〇が。
昨日“忙しい”って言ってたし。
来る理由もない。
分かってる。
でも――
どっかで考えてる時点で、
もう終わってる。
事務所到着。
挨拶して、
廊下歩く。
視線、
無意識にいつもの場所通る。
ダンスルーム前。
ガラス越し。
いない。
当たり前。
北斗「……」
そのまま通り過ぎる。
控室。
ドア開ける。
樹「おはよ」
北斗「おう」
ジェシー「おはよー!」
慎太郎「眠そう」
高地「今日も早いね」
きょもはすでに座ってる。
きょも「おはよう」
北斗「おはよ」
席つく。
資料置く。
会議の準備。
全部普通。
でも、
一瞬だけ。
北斗「……」
部屋、見渡す。
無意識。
いないのに。
すぐ気づく。
「何してんだよ」
小さく息吐く。
会議スタート。
樹「じゃあ始めるぞ」
資料見ながら進む。
話もちゃんと聞いてる。
発言もする。
いつも通り。
でも――
ほんの少しだけ、
集中の端っこに別の意識。
「今日も来てねぇな」
それが消えない。
会議中、
一瞬の沈黙。
誰かが資料めくる音。
その時、
ふと頭に浮かぶ。
“もし今日来たら”
北斗「……」
すぐ消す。
「来るわけねぇ」
現実的に考える。
でも――
完全には消えない。
会議ひと段落。
休憩。
水飲む。
スマホ見ない。
見たら負けな気がする。
樹「今日静かだな」
また言われる。
北斗「いつもだろ」
樹「いや、なんか違う」
ジェシー「元気ない?」
慎太郎「疲れてる?」
高地「大丈夫?」
きょも、静かに見てる。
全部分かってる顔。
北斗「普通だって」
短く返す。
でも弱い。
その時。
廊下、
足音。
近づく。
誰か来る。
ドアの前、
一瞬止まる気配。
北斗「……」
ほんの一瞬、
心拍上がる。
「まさか」
思ってしまう。
次の瞬間――
ガチャ。
ドア開く。
〇〇「おはよー」
その声。
北斗、固まる。
一瞬、
時間止まる。
「……は?」
昨日までいなかったのに。
今日来るって聞いてない。
完全に不意打ち。
〇〇、普通に入ってくる。
みんなに挨拶。
笑ってる。
いつも通り。
でも――
北斗の中だけ、
全然いつも通りじゃない。
一気に、
全部持っていかれる。
さっきまでの思考、
全部飛ぶ。
北斗「……」
目、離せない一瞬。
でもすぐ戻す。
見すぎたらバレる。
北斗「……おはよ」
少し遅れて言う。
短く。
でも、
自分でも分かる。
声、
ちょっとだけ違う。
そのあと、
〇〇が袋持ってるのに気づく。
「作った」
って言葉。
周りざわつく。
北斗「……」
静かに見てる。
正直、
驚いてる。
あいつが料理。
想像してなかった。
でもそれ以上に――
“ここにいる”ことの方がデカい。
〇〇「食べる?」
急に振られる。
目、合う。
近い。
一瞬。
北斗「……あぁ」
短く返す。
でも内心――
「なんで来た」
「なんで今日」
いろんな感情ごちゃ混ぜ。
でも表には出さない。
ただ、
一つだけはっきりしてる。
北斗「……」
さっきまでの“足りなさ”、
完全に消えてる。
それだけで、
もう答え出てるみたいなもんだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇〇は事務所にいるスタッフさんや先輩後輩にもお裾分けとして出る。
そして今部屋にはSixTONESのみ。
タッパーのフタが完全に開く。
箸、自然と集まる。
樹「いただきます」
ジェシー「いただきまーす!」
慎太郎「うまそうすぎる」
髙地「いい匂いだね」
樹「……うま」
ジェシー「え、やば!」
慎太郎「これ普通にうまいって!」
高地「優しい味する」
きょも「ちゃんと肉じゃがだね」
自然に会話広がる。
空気、一気に明るい。
いつも通りのSixTONES。
その中で、
北斗は少し遅れて箸を取る。
北斗「……」
一口。
口に入れる。
味、広がる。
家庭的で、
ちょっと不器用さもあるけど、
ちゃんと“あいつの味”。
北斗「……」
無言。
でも、
その一口で、
さっきまで頭にあったもの全部、
一瞬で消える。
“いない違和感”
“足りなさ”
“考えすぎてた時間”
全部。
なくなる。
北斗「……はぁ」
小さく息吐く。
気づく。
“満たされてる”
って。
樹「どう?」
急に振られる。
北斗「……普通にうまい」
短く。
でも、
それ以上言えないだけ。
ジェシー「もっと褒めろよ!」
慎太郎「〇〇聞いたら泣くぞ」
高地「これはすごいよね」
きょも、横で少し笑う。
きょも「素直じゃないね」
北斗「うるせぇ」
でも否定しない。
会話は続く。
「これ店出せる」とか
「また作ってほしい」とか
好き勝手言ってる。
その中で、
北斗は静かに食べてる。
でも――
頭の中は、
さっきの瞬間で止まってる。
“来た瞬間”
“声聞いた瞬間”
“今こうやって食べてるこの状況”
全部つながる。
北斗(内心)
「なんで今日来た」
「なんでこのタイミング」
ぐちゃぐちゃ。
理由なんてないのも分かってる。
ただ来ただけ。
ただ作ってきただけ。
でも――
それだけで、
ここまで変わる。
ふと、
思う。
“いなかった数日”
あれがどれだけ影響してたか。
逆に今、
“いるだけ”でこれ。
北斗「……」
箸止まる。
一瞬。
でもすぐ戻す。
誰にも気づかれないように。
樹「次いつ作ってくれるんかな?」
ジェシー「また食べたい!」
慎太郎「リクエストいい?」
高地「いいねそれ」
わちゃわちゃ。
その中心に、
いないのに、
〇〇の話題で回ってる。
北斗、静かに思う。
「……これだろ」
答え。
もう隠しようがない。
北斗「……」
小さく息吐く。
北斗「めんどくせぇ」
ぽつり。
樹「なにが?」
北斗「なんでもねぇ」
すぐ誤魔化す。
でも内心ははっきりしてる。
さっきまでの“足りなさ”、
完全に消えてる。
それだけで、
もう答え出てるみたいなもんだった。
ーーーーーーーーー
食べ終わり
タッパー、ほぼ空。
樹「ごちそうさまでした」
ジェシー「マジうまかった」
慎太郎「また食いたい」
髙地「優しい味だったね」
きょめ「普通にレベル高いって」
さっきよりテンション高め。
わちゃわちゃ。
でも――
〇〇はまだ戻ってない。
北斗「……」
ドアの方、ちらっと見る。
まだ来ない。
樹「戻ってこねぇな」
ジェシー「配りに行ってるんでしょ」
慎太郎「長くね?」
高地「話してるんじゃない?」
きょも「ありそう」
普通の会話。
でも北斗だけ、
ちょっと迷ってる。
“待つか”
“行くか”
北斗「……」
数秒。
立つ。
樹「お、行くの?」
ニヤッと。
北斗「トイレ」
即。
ジェシー「絶対違うじゃん!」
笑い起きる。
でも北斗はそのまま出る。
廊下。
歩く。
当てもなく、
でもなんとなく分かってる方向。
北斗「……」
“会いたいから行く”
その事実を、
まだちゃんと認めたくない。
曲がり角。
声、聞こえる。
〇〇の声。
あと――
別の声。
楽しそうな笑い声。
北斗、足止まる。
少しだけ顔出す。
そこにいたのは――
高橋恭平 と
大橋和也
3人でわちゃわちゃしてる。
完全に関西ノリ。
〇〇「だから違うって!」
高橋「いや絶対そうやって!」
大橋「ほんまやって〜!」
距離、近い。
テンポも速い。
見てて分かる。
“昔からの空気”
北斗「……」
一瞬、
立ち止まる。
なんか、
入りづらい。
高橋「なぁ〇〇」
急に言う。
高橋「一口ちょうだい」
〇〇「もうないって」
高橋「じゃああーんして」
軽いノリ。
冗談。
大橋「それええやん!」
乗る。
〇〇「は?」
呆れる。
〇〇「なんでやねん」
でも――
流れ。
関西ノリ。
断ち切らないやつ。
〇〇「……はいはい」
小さくため息。
でも、
ちゃんとやる。
箸でつまんで、
〇〇「あーん」
完全に雑。
でも成立してる。
高橋「あーん」
普通に食べる。
大橋「いいなー!」
笑い。
3人でまた爆笑。
その瞬間。
北斗「……」
止まる。
完全に。
さっきまでの空気、
全部飛ぶ。
胸の奥、
一気にざわつく。
「は?」
って感情と、
言葉にできない何か。
その後ろ。
さらに角。
実は――
樹たちも来てる。
樹「うわ」
ジェシー「えぐ」
慎太郎「なにそれ」
高地「すごい光景」
きょも「え、なにあれ普通にやってんじゃん」
きょも「やば、俺が北斗ならあれ無理だわ俺」
めっちゃ反応してる。
樹、小声で
樹「北斗、大丈夫?」
ニヤついてる。
でも目はちゃんと見てる。
北斗「……別に」
短く。
でも――
全然別にじゃない。
視線、
外せない。
〇〇はまだ気づいてない。
普通に笑ってる。
楽しそうに。
その光景。
北斗の中で、
一つだけはっきりする。
北斗(内心)
「無理だろ」
ぽつり。
あれ見て、
何も思わないわけがない。
さっきまでの“満たされてる感覚”、
一瞬で崩れる。
でも同時に、
もっとはっきりする。
これ、
もう誤魔化せない。
ただの“楽しい”じゃない。
ただの“仲いい”でもない。
北斗「……」
小さく息吐く。
北斗「めんどくせぇ」
またそれ。
でも今回は、
さっきより重い。
その横で、
きょもが普通に言う。
きょも「これどうする?」
樹「どうするって?」
きょも「行く?このまま」
ジェシー「面白そうじゃん」
慎太郎「乱入する?」
高地「ありだね」
完全にノリ。
北斗、一瞬考える。
そして――
一歩、
踏み出す。
そのまま角を曲がる。
樹たちも後ろからついてくる。
〇〇たちの笑い声、まだ続いてる。
高橋「ほんまうまいわこれ」
大橋「もう一口ないん?」
〇〇「ないって言ってんじゃん!」
笑い。
そこに――
樹「なにしてんの?」
急に入る。
〇〇「え、びっくりした」
振り返る。
その瞬間、
北斗と目合う。
一瞬。
ほんの一瞬だけ、
空気止まる。
でもすぐ――
〇〇「みんなおったの?」
普通に戻る。
ジェシー「見てたよ〜あーん」
ニヤニヤ。
〇〇「は?」
即ツッコミ。
慎太郎「普通にやってたじゃん」
高地「自然すぎたね」
〇〇「やらされただけ!」
否定。
でも遅い。
高橋「いやノリええやん」
大橋「さすがやな」
関西ノリ続行。
〇〇「違うって!」
でも笑ってる。
北斗「……」
そのやり取り、
全部見てる。
さっきの光景が頭から離れない。
高橋との距離。
空気。
テンポ。
“入り込めない感じ”。
樹「てかそれ俺らと一緒の肉じゃが?」
樹が話変える。
〇〇「そう」
高橋「これ〇〇作ったんやで」
ちょっとドヤ。
〇〇「言うな」
軽く小突く。
その距離。
また引っかかる。
大橋「今ドラマ一緒やもんな」
〇〇「そう」
さらっと。
高橋「もう終盤やけどな」
〇〇「寂しい」
普通に言う。
その一言。
北斗、少し反応する。
“寂しい”
その言葉、
なんか引っかかる。
ジェシー「いいな〜仲良し」
慎太郎「楽しそうだもんな」
高地「現場の雰囲気良さそう」
〇〇「まぁね」
普通に答える。
高橋「最高やで」
笑う。
また距離近い。
北斗「……」
視線、外す。
見てられないわけじゃない。
でも、
見続けるのもしんどい。
その時。
〇〇、ふと北斗見る。
〇〇「食べた?」
さっきの肉じゃが。
北斗「……食った」
短く。
〇〇「どうだった?」
軽いトーン。
何も知らない顔。
北斗「……うまかった」
それだけ。
でも本音。
〇〇「でしょ」
ちょっと嬉しそう。
その顔見て、
一瞬だけ、
さっきのモヤが薄れる。
でも――
消えない。
高橋「また作ってな」
〇〇「気が向いたらね」
大橋「楽しみにしとくわ」
笑い。
3人の空気、
まだ続いてる。
北斗(内心)
「無理だろ」
また思う。
あの距離感。
あのノリ。
簡単に入れるもんじゃない。
でも――
入りたいとも思ってない。
ただ、
“あれを見たくない”だけ。
樹、小声で
樹「分かりやす」
北斗「うるせぇ」
即。
〇〇「じゃ、戻る?」
ふと全体に言う。
〇〇「まだちょっと残ってるし」
肉じゃがの残り。
ジェシー「食べる!」
慎太郎「俺も!」
高地「戻ろうか」
自然に流れ変わる。
高橋「じゃあまた現場でな」
〇〇「うん」
大橋「バイバイ〜」
〇〇「ばいばい」
軽く手振る。
そのまま、
SixTONESと一緒に戻る流れ。
歩き出す。
北斗と〇〇、
また少し近い距離になる。
でも――
さっき見た光景が、
まだ残ってる。
北斗「……」
何も言わない。
言えない。
でも一つだけ、
はっきりしてる。
さっき感じた違和感。
あれ、
ただの違和感じゃない。
完全に――
“嫌だった”って感情だってこと。
ーーー
控室 ― 戻り
ドア開く。
樹「ただいまー」
ジェシー「続き食べよ!」
慎太郎「まだある?」
高地「あるある」
わちゃっとした空気で戻る。
〇〇も後ろから入ってくる。
タッパー机に置く。
〇〇「はいラストね」
自然に輪ができる。
また箸が伸びる。
その中で、
北斗だけ少し遅れて入る。
無言で席つく。
北斗「……」
空気には入ってる。
でも、
ほんの少しだけ距離ある。
樹「やっぱうまいなこれ」
ジェシー「ほんとそれ!」
慎太郎「もうなくなるじゃん」
高地「ペース早いって」
笑い。
〇〇も笑う。
〇〇「そんな食べる?」
普通に会話続く。
〇〇、ふと北斗見る。
〇〇「北斗も食べなよ!」
軽く言う。
北斗「……食ってる」
短く。
ちょっとだけ素っ気ない。
〇〇「え、怖」
すぐツッコむ。
軽い空気。
でも――
ほんの少しだけ、
“あれ?”ってなる。
樹、横目で見る。
気づいてる。
でもあえて触れない。
ジェシーと慎太郎は普通に食べてる。
高地も流れに乗る。
きょもだけ、
一瞬だけ北斗見る。
何も言わない。
〇〇「てかさ」
話戻す。
〇〇「ドラマもう終わるんだよね」
さっきの続き。
樹「早くね?」
ジェシー「もう最終回?」
〇〇「そう」
慎太郎「寂しいやつじゃん」
〇〇「まぁね」
さらっと。
その時、
北斗の手、
一瞬止まる。
“寂しい”
さっき聞いた言葉。
また出る。
北斗「……」
無言。
でも、
少しだけ空気変わる。
高地「現場楽しかった?」
〇〇「普通に楽しいよ」
笑って答える。
〇〇「みんな優しいし」
自然な一言。
悪気ゼロ。
でも――
北斗、反応する。
ほんの少しだけ、
表情固くなる。
樹、察する。
小さく笑う。
樹(小声)「分かりやす」
北斗「……うるさい」
低く返す。
さっきより少しだけトーン落ちてる。
〇〇は気づいてない。
普通に話してる。
〇〇「あとちょっとで終わるけどね」
ジェシー「じゃあ打ち上げとかあるんじゃない?」
〇〇「あると思う」
慎太郎「いいなー」
高地「楽しそう」
北斗「……」
箸動かす。
でも、
さっきみたいに味入ってこない。
頭の中、
別。
“高橋との距離”
“楽しそうな空気”
“寂しいって言葉”
全部混ざる。
〇〇「ね、ほんとにおいしい?」
急に聞く。
北斗の方見る。
北斗「……うまいって言っただろ」
少し強め。
〇〇「いやもう一回聞いただけじゃん!」
ちょっと笑う。
でも、
ほんの少しだけ違和感。
その瞬間、
空気ほんの少しだけズレる。
一瞬だけ静か。
でもすぐ――
ジェシー「俺もう一回言う!うまい!」
慎太郎「俺も!」
高地「ほんとにおいしいよ」
流れ戻す。
きょも「普通にまた食べたい!」
〇〇「でしょ!!!」
また笑う。
空気戻る。
でも――
北斗の中だけ、
戻ってない。
北斗「……」
小さく息吐く。
その理由、
もう分かってる。
さっき見たあれ。
あの距離。
あの空気。
あれが頭から離れない。
そして――
それが嫌だと思ってる自分。
完全に、
“そっち側”にいるってことも。
その時、
〇〇のスマホが鳴る。
〇〇「ん?」
画面見る。
〇〇「マネだ」
そのまま出る。
〇〇「はーい📞」
少し離れる。
みんなはそのまま雑談。
でも、
北斗の耳だけ、
無意識にそっちにいく。
〇〇「うん、今事務所」
少し間。
〇〇「え、もう?」
声、少しだけ上がる。
樹「忙し」
小声で。
〇〇「分かった、すぐ行く」
通話切る。
戻ってくる。
〇〇「ごめん」
軽く言う。
〇〇「次の仕事」
ジェシー「はや!」
慎太郎「もう行くの?」
高地「忙しいね」
〇〇「うん」
さらっと。
いつものテンション。
〇〇「じゃあ行くわ」
タッパーまとめる。
残りはそのまま。
〇〇「食べといて」
樹「ありがと」
ジェシー「また作って!」
慎太郎「次もっと多めで!」
高地「気をつけてね」
きょも「頑張って」
〇〇「はーい!!」
軽く手振る。
その流れの中で、
〇〇、最後に北斗見る。
〇〇「じゃあね!」
いつも通り。
特別な意味なし。
北斗「……おう」
短く返す。
それだけ。
それ以上出てこない。
ドア開く。
〇〇出ていく。
閉まる。
静か。
一瞬だけ、
空気止まる。
ジェシー「ほんと忙しいな」
慎太郎「大変そう」
高地「体壊さなきゃいいけど」
樹「まぁあいつだしな」
きょも「無理はしてると思うけどね」
自然な会話。
でも、
北斗だけ違う。
北斗「……」
ドアの方、
無意識に見る。
さっきまでいた場所。
もういない。
ほんの数分前まで、
すぐそこにいたのに。
北斗「……はぁ」
小さく息吐く。
また来る。
あの感覚。
“足りない”
さっきまで満たされてたのに、
一瞬で戻る。
樹「分かりやす」
横で。
北斗「うるせぇ」
でも弱い。
北斗(内心)
“行くな”って、
一瞬思った。
でも言えるわけない。
そんな立場じゃない。
北斗「……」
立ち上がる。
樹「どこ行く?」
北斗「……ちょっと」
それだけ。
廊下。
〇〇がさっき歩いた方向。
足、自然に向く。
理由なんて、
考えなくても分かってる。
北斗「……ほんと」
でも止まらない。
そのまま、
〇〇を追うみたいに、
歩き出す。
足、自然に早くなる。
追いかけるつもりじゃないのに、
気づけば同じ方向に向かってる。
北斗「……」
曲がり角、抜ける。
その先。
エレベーター前。
〇〇、いた。
マネージャーと少し話してる。
〇〇「はい、今行く!」
軽く頭下げる。
マネージャーは先に動く。
〇〇、一人になる。
そのタイミングで――
北斗、止まる。
声かけるか、
一瞬迷う。
でも、
体が先に動く。
北斗「……おい」
〇〇、振り返る。
〇〇「え、北斗?」
ちょっと驚く。
〇〇「どうしたの」
北斗「いや……」
言葉、詰まる。
用事なんてない。
完全に勢い。
北斗「……次の仕事だろ」
〇〇「うん」
普通に頷く。
〇〇「急に入った」
いつも通り。
何も変わらない顔。
その感じに、
さっきまでのモヤが
少しだけ和らぐ。
エレベーター来る音。
まだ少し時間ある。
変な間。
〇〇「なんかあった?」
〇〇が聞く。
軽く。
北斗「……別に」
反射で返す。
でも――
帰ろうとしたのに、
足動かない。
〇〇「変なの」
笑う。
その一言で、
少し空気緩む。
北斗「……さっき」
ぽつり。
〇〇「ん?」
北斗「肉じゃが」
〇〇「あー」
少し顔明るくなる。
〇〇「どうだった?」
北斗「……ちゃんとうまかった」
さっきより少しだけ素直。
〇〇「でしょ」
満足そう。
その顔見て、
北斗の中のざわつき、
また少し落ちる。
〇〇「また作るよ!」
さらっと言う。
北斗、一瞬止まる。
北斗「……」
“また”
その言葉、
妙に残る。
北斗「……別にいい」
反射で返す。
でもすぐ、
北斗「……時間ある時でいい」
付け足す。
〇〇「なにそれ」
笑う。
エレベーター到着。
ドア開く。
〇〇「じゃ、行くね」
乗り込む。
北斗、そのまま外。
距離、一歩分。
〇〇「またね」
軽く手振る。
北斗「……おう」
短く返す。
ドア閉まる直前。
〇〇、ふと思い出したように
〇〇「北斗!!」
呼ぶ。
北斗、顔上げる。
〇〇「さっきなんか元気なかったけど」
さらっと。
〇〇「大丈夫?」
本気で心配してるわけじゃない。
ただの一言。
でも――
北斗、少し止まる。
北斗「……普通」
短く。
〇〇「ならいいけど」
それ以上は踏み込まない。
ドア閉まる。
〇〇、見えなくなる。
静か。
北斗、その場に少し残る。
さっきまでの感じ、
少しだけ整理される。
完全には消えてない。
でも――
さっきよりはマシ。
北斗「……」
小さく息吐く。
さっき見た光景も、
まだ頭に残ってる。
でも同時に、
今の会話も残ってる。
北斗(内心)
“また作る”
その一言で、
変に引っかかってたものが
少しだけほどける。
北斗「……単純だな」
小さく呟く。
自分に。
でも、
そのまま歩き出す足は、
さっきよりちゃんと前向いてた
控室 ― 北斗が出ていった後
ドア閉まる。
数秒、静か。
樹「……行ったな」
ジェシー「完全に追いかけた」
慎太郎「わかりやす」
高地「珍しいね、あんなの」
きょも「いや、もう分かりやすい通り越してるでしょ」
全員、同じ方向見てる。
さっきまで北斗がいた場所。
樹「てかさ」
ソファに座り直す。
樹「このままじゃ普通にやばくね?」
ジェシー「なにが?」
樹「北斗」
即。
慎太郎「あー…」
察する。
高地「まぁ…そうだね」
きょも「うん、普通に取られるよね」
さらっと言う。
ジェシー「取られるって誰に?」
樹「さっきの見てなかった?」
ジェシー「あー…あーんね」
慎太郎「距離えぐかったな」
高地「仲いいもんね、恭平」
きょも「ドラマもやってるしね」
樹「しかも〇〇、ああいうノリ普通にやるじゃん」
慎太郎「断らないタイプだもんな」
高地「流れでやっちゃうよね」
きょも「で、本人なんも思ってない」
全員「それ」
ジェシー「北斗きついなそれ」
樹「きついだろ」
慎太郎「でも言わないしなあいつ」
高地「言えないでしょ」
きょも「今の距離壊したくないだろうしね」
少し間。
樹、天井見る。
樹「だからさ」
ぽつり。
樹「一回ちゃんと同じ土俵に乗せた方がよくね?」
ジェシー「どういうこと?」
樹「〇〇といる時間、増やす」
シンプル。
慎太郎「なるほどね」
高地「確かに」
きょも「それはありかも」
ジェシー「でもどうやって?」
樹、少し考えて、
ニヤッとする。
樹「宅飲み」
即。
慎太郎「いいじゃん!」
ジェシー「パーティー!」
高地「楽しそう」
きょも「絶対来るでしょ〇〇!」
樹「理由も作りやすいしな」
慎太郎「“肉じゃがのお礼”とか?」
ジェシー「それいい!」
高地「自然だね」
きょも「〇〇も断らなそう」
樹「で、メンバー+〇〇」
ジェシー「あと風磨とかも呼ぶ?」
慎太郎「いいね人数多い方が自然」
高地「でも多すぎるとまたああなるよ?」
さっきの光景思い出す。
きょも「いや、そこはバランスでしょ」
きょも「北斗がちゃんと入れる空気にする」
はっきり言う。
樹「要は」
まとめる。
樹「北斗と〇〇が自然に距離詰められる場を作る」
ジェシー「恋のプロデューサーじゃん」
笑う。
慎太郎「でもさ」
少し真面目に。
慎太郎「〇〇ってマジで気づいてないよな」
高地「うん、全然」
きょも「だからこそだよ」
きょも「このままだと」
少し間。
きょも「普通に他のやつに持ってかれる」
静かに言う。
樹「決まりな」
手叩く。
樹「宅飲みやる」
ジェシー「いつ?」
樹「できるだけ早く」
慎太郎「じゃあ俺んち?」
高地「広いしありだね」
きょも「いいじゃん」
樹「北斗には?」
ジェシー「サプライズ?」
慎太郎「いや普通に言うでしょ」
高地「でも目的バレたら意味ないよ」
きょも、少し笑う。
きょも「まぁ適当に理由つければいいでしょ」
きょも「どうせあいつ断らないし」
樹「〇〇には俺から言うわ」
ジェシー「頼んだ!」
慎太郎「楽しみになってきた」
高地「絶対面白い」
その空気の中で、
全員なんとなく分かってる。
これはただの宅飲みじゃない。
“北斗のための場”
でも同時に――
“何かが動く夜”
になるってことも。
ーーー
少し後
ドア、開く。
北斗、戻ってくる。
北斗「……」
中の空気、
一瞬だけ止まる。
全員、ちょっとだけ見る。
でもすぐ戻す。
“何も知らない感じ”で。
樹「おかえり」
普通に。
北斗「……おう」
短く返す。
席戻る。
さっきと同じ場所。
でも――
ほんの少しだけ、
空気が違う。
ジェシー「トイレ長くない?」
ニヤニヤ。
北斗「うるせぇ」
即。
慎太郎「絶対違うだろ」
高地「顔で分かるよね」
北斗「分かんねぇよ」
軽く流す。
きょも「で?」
さらっと入る。
北斗「なにが」
きょも「会えた?」
ストレート。
北斗、一瞬止まる。
北斗「……会ったけど」
あっさり。
隠す気もない。
樹「何話した?」
北斗「別に」
短い。
でも、
完全には誤魔化せてない。
ジェシー「肉じゃがの感想でしょ」
慎太郎「それしかないもんな」
高地「確かに」
北斗「……それもある」
少しだけ認める。
樹、少し笑う。
樹「満たされた?」
ぽつり。
北斗「……は?」
一瞬で警戒。
樹「顔」
指さす。
樹「さっきよりマシ」
北斗、何も言わない。
でも――
否定しない。
できない。
その空気の中で、
樹、軽く手叩く。
樹「じゃあさ」
話切り替える。
全員見る。
樹「宅飲みしよ」
唐突。
ジェシー「いいね!」
慎太郎「やろやろ!」
高地「楽しそう」
きょも「賛成」
一瞬で決まる流れ。
北斗「……は?」
置いてかれる。
樹「今度さ、みんなで集まろうぜ」
ジェシー「パーティー!」
慎太郎「飲み!」
高地「リラックスできるしね」
北斗「急だな」
樹「こういうのは急でいいんだよ」
軽く言う。
きょも「〇〇も呼ぶし」
さらっと。
北斗、一瞬止まる。
北斗「……は?」
ジェシー「肉じゃがのお礼!」
慎太郎「いい理由じゃん」
高地「絶対来るよ」
北斗「……」
言葉出ない。
でも、
内心は一気に動く。
“また会える”
“ちゃんと時間ある空間”
頭の中、
一瞬でイメージできる。
樹「どうする?」
ニヤッと。
北斗「……別に」
そっけなく。
でも――
北斗「行くけど」
小さく付け足す。
ジェシー「決まり!」
慎太郎「楽しみ!」
高地「日程合わせよう」
きょも「いいね」
その流れの中で、
北斗だけ少し静か。
でも――
さっきまでとは違う。
北斗(内心)
さっきまでの、
あの距離。
あの空気。
それを思い出しながら――
今度は、
“自分もその中にいる場”を想像してる。
北斗「……」
小さく息吐く。
今度は、
さっきみたいに
外から見るだけじゃない。
そのことだけが、
少しだけ
気持ちを前に動かしていた。
ーーー
🌙〇〇side
家。
ソファでだらっとしてる。
〇〇「つかれたー」
そのままスマホいじる。
通知、いくつか。
その中に――
樹からの着信。
〇〇「珍し」
出る。
〇〇「もしもーし」
樹「おつ」
〇〇「おつー」
ゆるいテンション。
樹「今日ありがとな」
〇〇「肉じゃが?」
樹「それ」
〇〇「どういたしまして」
軽く返す。
〇〇「結構好評だったでしょ」
樹「めちゃくちゃな」
笑う。
少し間。
樹、話切り出す。
樹「てかさ」
〇〇「んー?」
樹「今度、集まんね?」
〇〇「集まる?」
〇〇「なにそれ」
樹「宅飲み」
シンプル。
〇〇「え、いいじゃん!」
即。
〇〇「誰いるの?」
興味あり。
樹「俺らと」
少し間。
樹「あと風磨とか」
さらっと出す。
〇〇「あー」
納得。
〇〇「風磨 ね」
〇〇「いいね」
ちょっとだけ嬉しそう。
樹「あとまあいつも通りのメンバー」
ぼかす。
〇〇「ふーん」
深く考えない。
〇〇「てかさ」
ふと思い出す。
〇〇「風磨にこの前サウナの話したらさ」
樹「うん」
〇〇「“お前絶対来ねぇと思った”って言われた」
笑う。
樹「正解」
即。
〇〇「ひどくない?」
樹「実際そうだったろ」
〇〇「まぁね」
あっさり認める。
樹「でも来たじゃん」
ぽつり。
〇〇「きょもいたからね」
即答。
樹「はいはい」
笑う。
〇〇「宅飲みいつ?」
話戻す。
樹「近いうち」
〇〇「ざっくりすぎ」
樹「合わせるわ」
〇〇「行くよ普通に」
軽く言う。
〇〇「その日仕事なければ」
樹「大丈夫だろ」
〇〇「いやわかんないって」
笑う。
少し間。
樹、軽く探る。
樹「てかさ」
〇〇「ん?」
樹「今日さ」
〇〇「うん」
樹「楽しかった?」
〇〇「え、普通に楽しかったけど」
即。
何も考えてない答え。
樹「誰とが一番楽しかった?」
ちょっと意地悪。
〇〇「は?」
笑う。
〇〇「なにそれ」
〇〇「普通にみんなだよ」
雑。
でも本音。
樹「恭平とか?」
さらっと出す。
〇〇「あー」
少し考える。
〇〇「まぁ楽しいよ」
普通に言う。
〇〇「ドラマ一緒だし」
深い意味なし。
樹「ふーん」
それ以上突っ込まない。
〇〇「なに?」
〇〇「なんか探ってる?」
樹「別に」
笑う。
〇〇「まぁでも」
少しだけ間。
〇〇「久々に事務所行けたのはよかった」
ぽつり。
樹「だろ」
〇〇「うん」
〇〇「また行くわ」
軽く言う。
その一言。
樹、少しだけ笑う。
樹「待ってるやついるしな」
ボソッと。
〇〇「え?」
〇〇「誰」
即聞く。
樹「さあな」
とぼける。
〇〇「なにそれ」
〇〇「気になるんだけど」
樹「気にすんな」
笑う。
〇〇「はー?」
不満げ。
でも深追いしない。
樹「じゃ、また連絡するわ」
〇〇「はーい」
〇〇「日程ちゃんと決めてね」
樹「任せろ」
通話切れる。
〇〇「……」
少しだけ考える。
「待ってるやついるしな」
〇〇「誰だよ」
小さく笑う。
でも――
その答えに
一瞬だけ、
北斗の顔が浮かぶ。
〇〇「……いやいや」
すぐ否定。
〇〇「ないない」
自分で打ち消す。
深く考えない。
でも、
次の宅飲み、
ちょっとだけ楽しみにしてる自分がいるのは確かだった。
ーーー
樹side
〇〇との通話が終わる。
樹「……よし」
小さく呟く。
一つ目クリア。
そのままスマホ見て、
次。
樹「次はこっちか」
通話ボタン押す。
コール数回。
風磨、出る。
風磨「なに」
相変わらず。
樹「出るの早」
風磨「用件言え」
即。
樹「宅飲みやる」
ストレート。
風磨「は?」
一瞬。
風磨「急すぎるだろ」
樹「〇〇呼ぶ」
その一言で――
風磨「……あー」
全部察する。
風磨「なるほどね」
少し笑う。
風磨「で、北斗も来るわけだ」
樹「当たり前」
風磨「修羅場じゃん」
樹「そこまでいかねぇよ」
でもちょっと期待してる。
風磨「〇〇は?」
樹「OKもらった」
風磨「はや」
樹「秒」
風磨「理由は?」
樹「肉じゃがのお礼」
風磨「平和すぎ」
笑う。
少し間。
風磨、少し真面目に。
風磨「北斗どうだった今日」
樹「終わってる」
即。
風磨「だろうな」
樹「見た?」
風磨「見てないけど想像つく」
樹「恭平とあーん」
風磨「……は?」
一瞬止まる。
風磨「それはやばい」
樹「しかも〇〇ノリで普通にやる」
風磨「無自覚すぎるだろ」
樹「それな」
風磨「北斗の顔やばそう」
樹「分かりやすすぎて逆に助かるレベル」
風磨「隠せてないじゃん」
樹「全然」
風磨「で、どうすんの」
樹「だから宅飲み」
シンプル。
風磨「まぁ正解だな」
納得。
風磨「外でああいうの見せられるよりはマシ」
樹「だろ」
風磨「でもさ」
少し間。
風磨「〇〇ってマジで気づいてないよな」
樹「一ミリも」
即答。
風磨「だから厄介なんだよ」
樹「だから作るんだよ」
樹「北斗が入れる空気」
はっきり。
風磨「いいね」
少し笑う。
風磨「久々に面白くなりそう」
樹「お前も来いよ」
風磨「行くに決まってるだろ」
即。
風磨「むしろ俺いないと回らない」
自信。
樹「それはある」
風磨「俺が空気回すわ」
風磨「〇〇も北斗も変に意識しないように」
樹「頼む」
素直。
風磨「で?」
風磨「誰んち」
樹「まだ決めてない」
風磨「じゃあ広いとこにしろ」
樹「慎太郎んち候補」
風磨「いいじゃん」
風磨「日程早めな」
樹「分かってる」
少し間。
風磨、最後にぽつり。
風磨「今回で変わるな」
低く。
樹「だな」
短く返す。
風磨「どっちに転ぶかは知らんけど」
樹「それな」
風磨「まぁでも」
少し笑う。
風磨「見てる分には面白い」
樹「性格悪」
風磨「お前もだろ」
樹「否定しない」
通話切れる。
樹「……よし」
スマホ置く。
準備は整った。
あとは、
その日を作るだけ。
そして――
北斗がどう動くか。
ーーーーーーーーー
📱夜 ― グループLINE
グループ名:SixTONES+〇〇+風磨
樹:で、いつにする?
ジェシー:早い方がいい!
慎太郎:今週いける人?
高地:金曜なら空いてる
きょも:俺も金曜いける
樹:北斗
北斗:いける
ジェシー:はや笑
慎太郎:やる気じゃん
北斗:別に
樹:〇〇は?
〇〇:金曜大丈夫
〇〇:たぶんだけど
高地:たぶん笑
風磨:俺もいける
風磨:遅れてでも行く
樹:了解
きょも:時間どうする?
高地:19時くらい?
ジェシー:いいね!
慎太郎:そのくらいがちょうどいい
樹:じゃあ金曜19時
樹:決定で
〇〇:OK
北斗:了解
風磨:👍
慎太郎:場所は俺んちでいいよ
ジェシー:助かる!!
高地:ありがとう
きょも:広いし最高
〇〇:初めて行くかも
慎太郎:だな
慎太郎:ちゃんと来いよ笑
〇〇:行けるわ
ジェシー:買い出しどうする?
高地:必要だね
きょも:分担する?
樹:じゃあ
樹:北斗と〇〇で買い出し
北斗:は?
〇〇:え?
ジェシー:きた笑
慎太郎:いいじゃん!
高地:自然な流れ
きょも:適任だね
北斗:なんで俺
樹:暇そうだから
北斗:ふざけんな
〇〇:私はいいけど
樹:決まりな
慎太郎:よろしく〜
ジェシー:頼んだ!
高地:ありがとう
北斗:了解
〇〇:じゃあ時間前に集合?
樹:そうだな
樹:一緒に来れば?
〇〇:どっちでもいいよ
ジェシー:一緒に来なよ笑
慎太郎:その方が楽だろ
高地:迷わないしね
きょも:じゃあそれでいいじゃん
〇〇:じゃあそうする
北斗:わかった
風磨:おもしろくなりそう
ーーーー
北斗 side
夜。
部屋。
ソファに座ってる。
スマホ、手に持ったまま。
さっきのグループLINE、
開いたまま。
「北斗と〇〇で買い出し」
その一文。
何回も目に入る。
北斗「……」
ため息じゃない、
微妙な息。
正直、
逃げたかった。
あの流れ。
絶対わざと。
樹の顔、浮かぶ。
北斗「……あいつ」
小さく呟く。
でも――
「私はいいけど」
〇〇のその一言。
あっさり。
迷いなし。
そこが一番引っかかってる。
“なんとも思ってないんだろうな”
2人で買い出し。
それに対して、
特別な反応もない。
北斗「……そりゃそうか」
苦くもない、
でも少し引っかかる感覚。
スマホ、スクロール。
「一緒に来れば?」
その流れ。
みんな乗っかって、
決定。
逃げ場なし。
北斗「……」
画面閉じる。
天井見る。
頭の中、
勝手に想像してる。
買い出し。
並んで歩く。
何話すか。
沈黙とか、
普通にありそうで。
北斗「……だる」
ぽつり。
でもその言葉、
本気じゃない。
むしろ――
少しだけ、
楽しみって思ってる。
それが一番面倒。
北斗「……」
スマホまた開く。
〇〇のアイコン。
特に用事ないのに、
トーク開く。
何も送らない。
ただ見る。
今日のこと、
思い出す。
事務所での時間。
肉じゃが。
エレベーター前。
「また作るよ」
あの一言。
“ああいうの普通に言うよな、あいつ”
期待してるわけじゃない。
でも、
残る。
そして――
昼の光景。
恭平と。
あーん。
笑ってる顔。
北斗「……」
視線、逸らすみたいに
スマホ伏せる。
“別にいい”
そう思おうとしてる。
実際、
どうこう言える立場でもない。
でも――
“自分の時はどうなるんだろう”
ふと浮かぶ。
北斗「……」
また天井。
今回の宅飲み。
ただの集まりじゃない。
分かってる。
樹も、風磨も、〇〇以外のみんな、
多分同じこと考えてる。
北斗「……」
小さく息吐く。
“どうなるんだろうな”
期待と、
少しの不安。
半分ずつ。
でも一つだけはっきりしてる。
今回、
確実に何かは変わる。
いいか悪いかは分からない。
北斗「……まぁ」
ぽつり。
北斗「行くしかねぇか」
スマホ置く。
目閉じる。
そのまま、
宅飲み当日へ向かうみたいに、
ゆっくり時間が進んでいく。
ーーー宅飲み当日 ーーー
夕方。
部屋。
時計見る。
北斗「……まだか」
早い。
自分でも分かってる。
準備、もう終わってる。
服も決めた。
特別じゃない、
でも少しだけ考えたやつ。
ソファに座る。
スマホ見る。
時間、全然進んでない。
北斗「……」
落ち着かない。
今日の流れ、
頭の中で何回もなぞってる。
買い出し → 慎太郎の家 → 宅飲み
その最初。
“〇〇と2人”
北斗「……はぁ」
小さく息吐く。
正直、
緊張してる。
でも認めたくない。
スマホ通知。
〇〇から。
北斗、少しだけ反応する。
開く。
〇〇:もう出る?
短い一文。
いつも通り。
北斗、数秒見つめる。
すぐ返さない。
一回置く。
北斗「……」
なんて返すか、
一瞬考える自分がめんどくさい。
北斗:今から
シンプル。
送信。
すぐ既読。
〇〇:じゃあ近くで合流でいい?
北斗:いい
それだけ。
会話終了。
北斗「……」
スマホ置く。
立ち上がる。
玄関。
靴履く。
ドア開ける前、
一瞬止まる。
北斗(内心)
“普通でいい”
“いつも通りでいい”
何回も思う。
でも――
“2人”っていう事実だけで
全部ちょっと違う。
北斗「……行くか」
ドア開ける。
外へ。
――数分後
待ち合わせ場所。
北斗、先に着く。
周り見渡す。
まだいない。
ポケットに手入れて立つ。
落ち着かない。
時計見る。
また見る。
少しして――
〇〇「おまたせ」
後ろから声。
北斗、振り返る。
〇〇、普通に立ってる。
ラフな格好。
でもちゃんと可愛い。
北斗「……別に待ってねぇ」
反射。
〇〇「待ってたでしょ」
即バレる。
〇〇「顔に出てる」
笑う。
北斗「出てねぇよ」
目逸らす。
一瞬、
変な間。
でも〇〇は気にしない。
〇〇「じゃ、行こ」
普通に歩き出す。
北斗、少し遅れて並ぶ。
距離、近すぎず遠すぎず。
数歩、無言。
でも気まずくはない。
〇〇「何買う?」
先に話振る。
北斗「飲み物と…あと適当に」
〇〇「雑」
笑う。
〇〇「みんな何飲むっけ」
考える。
北斗「ジェシーはなんでも」
〇〇「それな」
少しずつ、
空気ほぐれていく。
北斗、横目で見る。
〇〇、普通に歩いてる。
変わらない。
昨日と同じ。
でも――
今日だけは違う。
“2人でいる時間”
北斗「……」
ほんの少しだけ、
さっきまでの緊張、
薄れていく。
このあと、
何が起きるかはまだ分からない。
でも――
確実に、
今日のこの時間が
何かの始まりになるってことだけは、
なんとなく感じていた。
ーーーー
スーパー到着
自動ドア開く。
〇〇「さむ」
外との温度差で少し肩すくめる。
北斗「カゴ取る」
さっと取る。
〇〇「ありがと」
自然。
中入る。
人そこそこ。
〇〇「とりあえず飲み物?」
北斗「だな」
並んで歩く。
〇〇「みんな何飲むんだっけ」
北斗「ジェシーはなんでも」
〇〇「それさっきも聞いた」
笑う。
〇〇「慎太郎は?」
北斗「ビール」
〇〇「高地は?」
北斗「無難なの」
〇〇「雑すぎ」
また笑う。
カゴにどんどん入れていく。
〇〇「風磨も来るんだよね」
北斗「ああ」
〇〇「みんなで集まるの久々」
北斗「だな」
短い会話。
でも途切れない。
〇〇「おつまみどうする?」
棚の前で止まる。
北斗「適当でいいだろ」
〇〇「またそれ」
呆れ気味。
でも選び始める。
〇〇「これ好きじゃない?」
一つ持ち上げる。
北斗「……それ食う」
〇〇「でしょ」
カゴ入れる。
その流れで、
自然に距離近くなる。
肩、少し触れそうな距離。
北斗「……」
一瞬だけ意識する。
でも何も言わない。
〇〇、次の商品見ながら
〇〇「てかさ」
ぽつり。
北斗「ん?」
〇〇「なんか今日静かじゃない?」
不意。
北斗「……別に」
即。
〇〇「いや、なんか違う」
横目で見る。
北斗、少しだけ視線逸らす。
北斗「普通だろ」
〇〇「普通じゃない」
はっきり。
でも責めてない。
ただの観察。
少し間。
カゴの中身見るフリして、
北斗「……昨日も言われた」
小さく。
〇〇「え、誰に」
北斗「……樹とか」
〇〇「あー」
納得。
〇〇「みんなそういうの敏感だからね」
軽く言う。
〇〇「でもさ」
少しだけトーン落とす。
〇〇「無理してテンション上げなくていいじゃん」
さらっと。
北斗、少し止まる。
北斗「……別に無理してねぇよ」
でも声、少し柔らかい。
〇〇「ならいいけど」
それ以上は踏み込まない。
すぐ切り替える。
〇〇「あと何いる?」
話戻す。
北斗「アイスとか」
〇〇「誰が食うの」
北斗「知らねぇ」
〇〇「じゃあ買わない」
即。
また少し笑い起きる。
空気、戻る。
レジ前。
カゴいっぱい。
〇〇「結構買ったね」
北斗「まぁ人数いるし」
会計待ち。
少し静か。
横並び。
〇〇「ね」
ぽつり。
北斗「ん?」
〇〇「今日楽しみ?」
軽く聞く。
北斗、少しだけ間。
北斗「……普通」
いつもの。
〇〇「嘘だ!」
即。
笑う。
〇〇「ちょっとは楽しみでしょ」
北斗「……まぁ」
少しだけ認める。
〇〇「でしょ!」
満足そう。
その顔見て、
北斗の中、
また少しだけ軽くなる。
でも同時に、
ふと浮かぶ。
昨日の光景。
恭平と笑ってた顔。
北斗「……」
一瞬だけ、
その考えがよぎる。
でも、
目の前にいる〇〇は
今、普通に隣にいる。
それだけで、
その感情は少し弱まる。
レジ進む。
袋詰め。
自然に分担。
〇〇「持てる?」
北斗「余裕」
〇〇「じゃあこれお願い」
少し重い方渡す。
店出る。
外、少し暗くなってる。
〇〇「慎太郎んちまでどれくらい?」
北斗「そんな遠くねぇ」
また並んで歩く。
荷物持って。
さっきより、
少しだけ距離近い。
少しだけ自然。
北斗(内心)
“こういうのか”
ふとよぎる。
特別なことしてるわけじゃない。
ただ買い物してるだけ。
でも――
それだけで、
なんか違う。
〇〇「なんかさ」
また話す。
〇〇「こういうの新鮮だね」
ぽつり。
北斗、一瞬見る。
北斗「……何が」
〇〇「普通に買い物」
笑う。
〇〇「しかも2人で」
何も考えてない言い方。
北斗「……そうかもな」
小さく返す。
その何気ない一言で、
さっきまでのモヤ、
少しだけ
違う形に変わっていく。
ーーー
袋、両手に持ったまま。
〇〇「ちょっと多くない?」
北斗「買いすぎたな」
〇〇「だよね」
笑う。
〇〇「タクシーでいい?」
北斗「ああ」
手上げる。
ちょうど一台止まる。
ドア開く。
〇〇「先どうぞ」
北斗「いい」
〇〇「じゃあ行くね」
先に乗る。
奥の席。
北斗も続いて乗る。
ドア閉まる。
運転手「どちらまで?」
北斗が住所伝える。
車、走り出す。
車内、
少しだけ静か。
外の景色流れる。
エンジン音だけ。
〇〇「ふー」
少し背もたれる。
〇〇「なんか一仕事終わった感」
北斗「まだ始まってねぇよ」
〇〇「確かに」
笑う。
袋、足元。
少し揺れる。
〇〇、軽く押さえる。
その動き、
近い。
距離、さっきより近い。
北斗「……」
視線、
外に向ける。
でも意識は横。
〇〇「ね」
ぽつり。
北斗「ん?」
〇〇「今日さ」
少し間。
〇〇「みんなで飲むの久々?」
北斗「……そうかもな」
思い返す。
確かにそう。
〇〇「なんか変な感じ」
〇〇「いい意味でね」
軽く言う。
北斗「……」
少しだけ考える。
北斗「俺は普通」
いつもの返し。
〇〇「またそれ」
笑う。
〇〇「絶対ちょっとは楽しみじゃん」
北斗「……まぁな」
小さく認める。
〇〇「でしょ」
満足そうに頷く。
少し沈黙。
でも、
さっきまでの沈黙とは違う。
重くない。
外の街灯、
窓に流れる。
その光で、
一瞬だけ〇〇の横顔が照らされる。
北斗「……」
ふと目に入る。
視線、少し止まる。
昨日の光景、
一瞬よぎる。
恭平と笑ってた顔。
でも今は、
その顔がすぐ隣にある。
距離、
全然違う。
〇〇「ん?」
視線に気づく。
〇〇「なに」
北斗「……いや」
少し間。
北斗「今日、寒くねぇな」
とっさにズラす。
〇〇「え、急に?」
笑う。
〇〇「普通に寒いけど」
北斗「……そうか」
自分でも雑だと思ってる。
〇〇「変なの」
また笑う。
でもそれでいい。
それ以上は聞かない。
タクシー、少し揺れる。
カーブ。
〇〇の肩、
少しだけ触れる。
一瞬。
〇〇「おっと」
軽く体勢戻す。
気にしてない。
北斗「……」
その一瞬だけ、
やけに残る。
〇〇「ね」
また話す。
〇〇「今日さ」
北斗「ん?」
〇〇「飲むの?」
北斗に聞く。
北斗「まぁ少しは」
〇〇「珍しい」
北斗「そうか?」
〇〇「いつもそんな飲まないじゃん」
よく見てる。
北斗「……気分」
短く。
〇〇「ふーん」
それ以上は聞かない。
また沈黙。
でも――
さっきより自然。
北斗(内心)
さっきの違和感。
完全には消えてない。
でも、
今この距離、
この時間。
それが、
少しずつ上書きしてる。
タクシー減速。
運転手「もうすぐです」
〇〇「はや」
北斗「近いしな」
目的地、もうすぐ。
北斗「……」
ここから先、
みんながいる空間。
さっきまでの“2人”から、
一気に変わる。
でもその前に、
この時間があったこと。
それが、
北斗の中で確実に残っていた。
🚕
タクシー止まる。
運転手「到着です」
北斗「はい」
料金払う。
ドア開く。
〇〇「ありがとうございまーす」
先に降りる。
北斗も続く。
外、少しひんやり。
さっきより夜の空気。
〇〇「寒」
腕さする。
北斗「さっき寒くないって言ってたやつ誰だよ」
〇〇「それは車の中ね」
即。
袋持ち直す。
〇〇「結構重い」
北斗「持つ」
自然に受け取る。
〇〇「いいの?」
北斗「いい」
短い。
〇〇「じゃあお願い」
素直に渡す。
距離、少し近づく。
マンションの入口。
オートロック。
〇〇「ここ?」
北斗「ああ」
番号押す。
ピッ。
開く。
中へ。
エレベーター前。
少し静か。
ボタン押す。
〇〇「なんかさ」
ぽつり。
北斗「ん?」
〇〇「ここまでは平和だね」
笑う。
〇〇「このあとどうなるか分かんないけど」
北斗「……だな」
少しだけ同意。
エレベーター来る。
ドア開く。
乗る。
狭い空間。
さっきのタクシーより近い。
横並び。
無言。
〇〇「……」
ふと横見る。
北斗、前向いてる。
〇〇「緊張してる?」
軽く聞く。
北斗「してねぇよ」
即。
〇〇「嘘だ」
また笑う。
北斗「してねぇって」
でも少しだけ声弱い。
〇〇「まぁいいけど」
深く追わない。
階数上がっていく。
数字、変わる。
北斗(内心)
“ここまで来たら”
もう逃げられない。
でも――
さっきまでの時間がある分、
少しだけ落ち着いてる。
到着。
ドア開く。
廊下。
少し歩く。
目的の部屋の前。
中から、
うっすら声。
笑い声。
〇〇「もう始まってるじゃん」
笑う。
北斗「だろうな」
インターホン押す。
中から、
慎太郎の声。
慎太郎「はーい!」
ドア開く。
慎太郎「おー!きた!」
テンション高い。
ジェシー「いらっしゃーい!」
高地「お疲れ!」
きょも「待ってた」
一気に賑やか。
〇〇「おじゃましまーす」
自然に入る。
北斗も続く。
袋渡す。
北斗「これ」
慎太郎「ありがとう!」
ジェシー「いっぱいある!」
〇〇「買いすぎた」
笑う。
靴脱ぐ。
部屋入る。
リビング。
すでにいい空気。
飲み物、少し出てる。
風磨もいる。
風磨「遅」
〇〇「普通に時間通り」
風磨「まぁいいや」
〇〇、自然に輪の中へ。
いつもの距離感。
すぐ馴染む。
北斗、少し後ろから入る。
その光景、
また目に入る。
でも――
さっきとは違う。
さっきは“外から見てた”
今は“同じ空間にいる”
樹「買い出しお疲れ」
ニヤッと。
小声で。
北斗「……うるせぇ」
小さく返す。
でも、
完全に否定できない。
〇〇「なにこれー」
テーブル見てる。
ジェシーと笑ってる。
慎太郎と話してる。
きょもも普通に混ざる。
その中に、
自然にいる〇〇。
北斗「……」
一瞬見る。
さっきタクシーで感じた距離。
それが、
まだちゃんと残ってる。
北斗(内心)
“いけるかもな”
ほんの少しだけ、
そう思う。
そして――
この夜、
本番が始まる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇〇と北斗の買い出しに行ってた頃、、、
慎太郎の家
リビング。
テーブルの上、すでに軽く準備済み。
ジェシー「まだ来ないね」
ソファに寝転びながら。
慎太郎「買い出し行ってるからな」
高地「結構量ありそうだしね」
きょも「2人でしょ?」
ぽつり。
ジェシー「そうそう」
ニヤッとする。
風磨、キッチン寄りかかりながら。
風磨「今一番面白い時間だろ」
静かに言う。
慎太郎「絶対ぎこちないじゃん最初」
ジェシー「いや逆に普通かもよ?」
高地「〇〇は普通に話しそうだよね」
きょも「北斗が無理だろ」
即。
全員「あー…」
納得。
風磨「この前の北斗見た?」
ジェシー「見た見た」
慎太郎「わかりやすすぎ」
高地「珍しいくらい顔に出てたね」
きょも「しかも隠す気ないし」
ジェシー「それが逆にいいけどね」
風磨「でもさ」
少しトーン落とす。
風磨「このままだと普通に持ってかれるぞ」
慎太郎「恭平な」
ジェシー「あー…」
高地「距離近いもんね」
きょも「〇〇が悪いわけじゃないけどね」
冷静。
きょも「普通にああいうタイプなだけ」
風磨「だから厄介なんだよ」
腕組み。
風磨「本人なんも思ってないのに距離だけ近い」
慎太郎「で、北斗は全部受ける側」
ジェシー「きついなそれ」
高地「でも今日で少しは変わるかな」
期待混じり。
きょも「変わらせるんだよ」
はっきり。
全員、少し静かになる。
風磨「どう動かす?」
視線、樹に向く。
樹、ソファで足組みながら。
樹「自然にでいい」
一言。
ジェシー「自然って?」
樹「2人の時間ちゃんと作る」
シンプル。
慎太郎「もう作ってるじゃん買い出しで」
樹「それだけじゃ足りない」
高地「家の中でも?」
樹「そう」
きょも「でもやりすぎるとバレるよ」
冷静。
樹「だから“偶然っぽく”な」
ニヤッとする。
風磨「性格出てるわ」
笑う。
樹「例えば?」
ジェシー、乗ってくる。
樹「席」
即。
樹「隣にする」
慎太郎「分かりやすすぎ」
高地「でも効果ありそう」
きょも「あとゲームとか?」
きょも「ペア作る系」
風磨「いいね」
風磨「強制的に組ませる」
ジェシー「飲みゲームもありじゃない?」
盛り上がる。
樹「とにかく」
少し真面目に戻る。
樹「北斗が入れる空気作る」
慎太郎「〇〇はどうする?」
風磨「そのままでいい」
即答。
全員見る。
風磨「変にいじると気づく」
風磨「だから自然なまま巻き込む」
きょも「確かに」
納得。
高地「じゃあ俺らは?」
樹「サポート」
一言。
ジェシー「裏方じゃん」
笑う。
樹「主役はあいつだから」
さらっと。
一瞬、空気変わる。
慎太郎「なんかドラマみたいだな」
ジェシー「ほんとそれ」
風磨「まぁ実際そうだろ」
軽く笑う。
その時――
インターホン。
ピンポーン。
全員、同時に反応。
慎太郎「きた!」
立ち上がる。
樹「始まるな」
小さく。
風磨「どうなるかね」
口元だけ笑う。
そして――
ドアの向こうには、
北斗と〇〇。
ここから全部が動き出す。
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