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…この4つの大陸、すなわち4つの地方があるこの世界に…「象徴」という存在らがいます。

それぞれが世の理を司っていると言われていますね。


ポケモンという分類ではありますが、ポケモンの比にならない強大な力を持っており、象徴の存在はその地域の状況に深く根付くことがあります。


私たちの住む南西の大陸「クラシ地方」は「象徴」のおかげで雨林、砂漠、特殊区域などが見られますよね。

特に北東の大陸であるイロドリ地方ではその傾向が凄まじく、かたや火山…かたや氷山…かたや雷雨、大嵐。唯一残された数少ない土地で生活していると聞きます。


「神」というさらに上の存在が作ったという文献も一つありますが、あまり参考にならない文献なので信憑性は薄いですね。遺跡からもっと文献が発掘されて欲しいところです。

はあ…「天変地異」さえなければ、僅かな文献を頼りにする必要もなかったのに…


ああ…!いけない、いつの間にか話が脱線してしまいました。

では………


教師「毒の象徴は何というポケモンでしょうか?」

「ルディアさん、お答えください。」

ルディア「んう!?」

ルディア───白い髪色と、後ろ首から外側に伸びる2つのツインテールと、綺麗な水色の瞳が特徴的な活発な女の子。

ルディア(やばい…寝てた…!今何の話!?えと、えと…どうしたら…!)

その時、隣の席からそっと囁き声がした…

「モモワロウ」

ルディア「!! モモワロウッ!!」

教師「正解です!モモワロウは象徴の中では少数な、世界に害を及ぼす象徴です。

毒のエネルギーをふんだんに蓄えており、毒の餅を作って人々を洗脳することができます。また、触れると毒される鎖で縛るということも可能な恐ろしい象徴です…タナバタ地方に存在しているので、一刻も早くタナバタの軍に討伐してもらいたいですね〜…」

ルディア(セーフ…ナイス、ツゲ!)

隣の背の高い少女から密かにグッドサインが返って来る。




教師「はい!これにて今日の授業は全て終了です!支度をして、安全に下校してください〜。」

「それと、いつも言っていますが…セイザ森林にはくれぐれも入らないように!!」

ルディア(…えへへ…そんなこと言われてもなあ)

教師「では今日一日、お疲れ様でした〜」

生徒全員「お疲れ様でしたー!!」

廊下を隣の席の少女、ツゲと歩く…

ルディア「ツゲ!授業中、答え言ってくれてありがと〜…あれがなかったらどうなっていたことか…!」

ツゲ「気にするな。友は助け合うものだろう?」

ツゲ──紺色のまっすぐなロングヘアーと瞳の少女。大人びた声と風格が特徴的。特技はペン回し。

その時に後ろから飛びつかれる…

ルディア「わ!」

一瞬びっくりしたが、全身で飛びつかれたのに自分の首くらいまでしかない感触のおかげで、声を聞くより先に誰だか分かった…

サルビア「ルディアァ〜!オレは見逃さなかったぞ?お前、寝てたんだろ!」

サルビア──後ろの席の生意気な少女。漫画のジグザグした針吹き出しのようなトゲトゲな髪&ツインテールと、黄色い髪色と目が特徴的。コンプレックスは背の低さ。

ルディア「う…うるさいなぁ」

サルビア「図星だろ。」

ルディア「別にいいじゃん!人は寝たい時に寝ちゃダメだって言うんですか〜?」

ツゲ「…授業中に寝るのが宜しくない行為な事は分かっているだろう。」

ルディア「ちょっと!さっきは助けてくれたのに!」

ツゲ「それはそれ、これはこれだ。」

ルディア「む〜…」

不服そうに頬を膨らませている。

サルビア「そんなことよりさ、すんごい発明品ができたんだ!今までのとは比べもんにならない超・超・超すごいやつなんだぜ!」

ツゲ「そういうセリフを今まで何回聞いたかな。」

サルビア「うっせ、この後『ラボ』な!ロベはオレが呼んどく。」

ロベリア──隣のクラスの、紫髪で背の高い男の子。父親から礼儀作法を叩き込まれている。嫌いなものはトマト。

ルディア「あの辛気臭くて埃っぽいラボ、良い加減見栄えをよくしてみたら?」

サルビア「うっせ!ガラクタで出来たラボでも発明はできんだよ。それに、天才発明家は場所を選ばないだろうしな。」

「じゃ、ラボまで競争な!」

ルディア「あっ!?待てー!」

ツゲ「あっこら!廊下では走るな…!」




狭く粗雑な「ラボ」の中で、四人が環状に向き合って座談している。

そして、サルビアのみがよっこらせと立ち上がる。

サルビア「はいはい、雑談は終わりだお前ら。今回の発明品は〜!これだ!」

テーブルの引き出しから平らな銃のようなものを取り出す。

サルビア「携帯式エネルギー発射機構!」

3人は全く反応を見せず、みなこの状況に慣れているようだ。

ルディア「真面目な名前ですこと。面白くないよね」

サルビア「うっせ!もっと反応はないのかよ。」

「この装置は充電済みだから、トリガーを引けば…」

チュゥ…

微弱な電気エネルギーが放出される。10センチ程さえ届かず、消えてしまう。

サルビア「出た!出たぞ!見たか!これがサルビア式エネルギー発射機構だ!!」

ルディア「お、おー…」

ツゲ「…」

ロベリア「…」

サルビア「これの真価は継続射出だ!長押しするとエネルギーが…」

と言ってトリガーを強く長押しした瞬間、銃口がボロボロと崩れ去ってしまう。

ルディア「あ」

ロベリア「ふっ…ふふ…」

サルビア「まだ!まだ焦んな。この程度の損傷、オレにとっちゃ…」

と言って近くのテーブルに発明品を置き、工具箱から器具を取り出す。

修理に取り掛かろうとするが…


もうガタが来ていたみたいで、「携帯式エネルギー発射機構」はボロボロと崩れ去ってしまう。


ツゲ「」

サルビア「あ…」

サルビアは目に涙を浮かべている。本当に悔しそうだ

ルディア「あっはははは!!あははははは!!!」

ロベリア「くく、ダメです、笑っちゃ…」

ツゲ「今回も失敗だったな…」

サルビア「うるせえやい!!!笑うんじゃねーよ!」

ツゲ「案ずるな、もう慣れた。」

サルビア「案ずるわ!!ったく、どいつもこいつも…!」

ロベリア「良いんですよ、サルビア。『天才発明家に失敗はつきもの』ですもんねえ?」

サルビアがよく言っていたセリフを意地悪そうに言った。

サルビア「うっせ…!」

「チクショ〜!もっと改良が必要だな…」

ルディア「どんだけ改良しても、ゴミはゴミでしょ。」

サルビア「な!?」

ロベリア「酷いこと言いますねえ、まあ0に何をかけても0と言いますか。」

サルビア「お前の方が酷えよ…」

サルビアは部品を一旦バラして、箱に保管する。

サルビア「あーあ、弟子を取れるくらい最高な発明家になれりゃあなあ。」


ルディア「…そういえばサルビアは発明家志望だけど、みんなの夢って何なの?」

ツゲ「夢?」


みなが考える。


ロベリア「私は花屋を継ぎたいですねぇ。まぁお父様が『ユートピアは不滅』とうるさいですし、継ぎたいと言うより継がなければならないんですがね…」

ツゲ「私は特に思いつかないな。なるようになればいいし、将来は適当なところで働いてるかもな。器用さを活かせる仕事だといいが…」

サルビア「嘘つけ、ヒーローだろ。」

ツゲ「…?」

ルディア「え?」

ロベリア「?」

サルビア「忘れてねえぞ〜ツゲ、3年前マンガに影響されて『正義のヒーローになりたい』ってほざいてたのを!」

ツゲ「…………」

ルディア「あー、言ってたかも…?」

ツゲ「…昔の話だろう」

恥ずかしそうにそっぽを向く。

4人は皆幼馴染。非常に昔から互いのことを知っているのだ。

ルディア「3年前って、そんなに昔かな…」

ロベリア「しかしそれを掘り返すとは、サルビアも容赦ないですね。」

サルビア「いつもオレを嘲笑いやがってる罰だ。お前らも他人事じゃねえぞ?」

さっきの状態から一変し、サルビアは非常に楽しそうな表情を見せる。

ルディア「あー、こわいこわい。」

サルビア「何だその態度…!」

ルディア「でねでね、私の夢は冒険家なの!」

ロベリア「冒険家?」

ルディア「各地を冒険して、宝物を売ったり人助けをして生活するの。絶対楽しいんだから!」

「みんなも冒険団の一員になってもらうからね!」

サルビア「うえ?」

ツゲ「私たちもか?」

ルディア「当然!やっぱり冒険には仲間がいなきゃね。」

ツゲ「冒険団か…良い案だな、考えておこう。」

ロベリア「移動花屋として道ゆく人に花を売るのも、悪くなさそうですね。」

サルビア「んなこと言われたって。オレは発明家になるんだぜ?安全で整えられたラボで日夜研究に時間を費やさないと…」

ルディア「うるさいなぁ、なるってったらなるんだよ。」

サルビア「お前、話理解してるのかよ…?」

ルディア「つまらないものをずっと作ってるくらいなら、冒険に出た方が有意義でしょ。」

「それに最悪発明なんかなくても、ポケモンがいればやってけるでしょ?」

サルビア「ほーん…」

サルビアがルディアの頭をはたき落とす。

ルディア「いった!何してくれんの!」

サルビア「へっ、ナメてるとこう言う目に遭うんだよ。」

ルディア「はぁ〜ん、じゃあお返ししてあげる!」

サルビア「ちょっ、やめ…」




ロベリア「ハハハ…おっと、私はポケモンや花の世話をしないといけないので、退散させてもらいます」

突然の帰宅宣言に3人はびっくりした様子を見せ硬直し、ツゲは時計に目を向ける。

ツゲ「…もうこんな時間か。」

こんな時間という言葉を聞いてサルビア達も時計を見る。

サルビア「あ?…嘘だろ、もう18時か!?」

取っ組み合いになっていたルディアとサルビアが離れる。

ロベリア「ですがまさか、これだけ過ごした時間がほぼほぼ喧嘩だとは…」

ツゲ「じゃ、ここで解散だな。ルディアはどうする?今日もうちに泊まるか?」

ルディア「え〜っと、アテがあるから今日はいいかな。」

ツゲ「そうか…」

(そういえば当然のように受け入れていたが、なぜルディアは家族も家もないんだ…?)

ルディア「私はもう行くね〜。」

「あ、そうだ!」

ラボの玄関まで行ったところで後ろに振り向く。

ルディア「サルビア、早くお父さん見つかるといいね」

神妙な面持ちで今まで言われなかったことを言われ、サルビアはかなり動揺した様子を見せる。

そのまま数秒経ってから返事をした…

サルビア「…うっせ。」



ルディアは駆け足で目的地へ向かう…この小さなセイザタウンの外れにある「セイザ森林」の中心部分に。

ルディア「『アテ』がまさか立ち入り禁止のセイザ森林なんて言ったら、ツゲ絶対怒るよね…」

「せーの…フン!」

ジャンプして、木にあるりんごをもぎ取る。

ルディア「これがあれば良いよね…」

再び、走り、たどり着く…セイザタウンの「守護神」が祀られているという大樹に。

そばにある皿にりんごをお供えして、両手を合わせ祈る。

ルディア「守護神さま、恐れ多くも?お祈りします!セイザタウンが、それとサルビアとツゲやロベリアたちが何事もなく、平和でありますように!」

しばらくそのまま真剣に祈り、目を開けて大樹を見上げる。

ルディア「数日にいっぺん祈ってるんだし、きっと守護神様も応えてくれるよね…」

「よし!ちょっとトレーニングした後に、今日はもう寝よ〜っと。」

ルディアは眠りにつく。






ボオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!

ルディア「きゃあっ!?」

凄まじい爆音で目が覚める。

今のはなんだ?地鳴り?こんな音出ないよね?夢?寝ぼけてたせいで聞き間違えた?

…聞き間違えた?

色々な思考が頭に巡るが、町の方を見てしまったルディアの頭に浮かんだのは「そうであって欲しかった」だろう。

…セイザタウンから、黒煙が上がっているのだ。

ルディア「!!」


何があったかを脳裏で考えるよりも前に、ルディアはセイザタウンに走り出していた。

みんなどうか無事でいてほしいという一心で…


ルディア「ハァッ!ハァッ…ァッ!?」

到着して早々、ルディアは身を隠す。

目の前を破壊するポケモンたちを見たからだ。

建物は抗えるわけもなく、ポケモンによる炎に焼かれていく。ガラガラと建物が落ちる音と、悲鳴が聞こえる。

私たち人類も凶暴なアレらに対しては非常に矮小な存在で、抗う術はない。

そして、黒い霧があたりに充満している。いつもと違う光景に、ひどく不気味さと恐怖を覚える。

人の悲鳴が少ない。もしかしてもう、手遅れ…?なんで普段はお利口なポケモン達が今はみんなあんな凶暴なことを…?野生ポケモンの侵略?


考える余裕などなく、すぐに駆け出す──「ラボ」に。

ここでルディアがラボへと駆け出したのは、あそこが幼馴染達と自分にとって集う場所だと認識していたからだろう──

ラボにつくが、入り口が焦げているのを見て痛々しさと不安を感じる。

ルディア「っ」

衝撃で歪んだラボのドアをこじ開け、中に入る。

ルディア「サルビア!!いる!?」

小さなラボの端に区切られた、さらに小さな寝室に力強く入るが…サルビアはいない。

何かに入られた痕跡はなく、ラボ室内は攻撃が通っていないことも確認できる。

そして視界の端にテーブルを捉えるが、いつもの工具箱がない。それを持って逃げたのだろうか…?


考えていても仕方がない、今ある事実はここに人はいないということ。

今度はツゲの家に向かう。ツゲの祖父は長老なため、「長老の家」でもあるが…

ルディア「っ!!」


……時すでに遅し。ショックを覚えた。

家がボロボロに崩れて、何があったかもわからない状態になっていた。

全体が黒く焦げており、岩タイプの攻撃と見られる岩で潰されている。

瓦礫を退けてみるが、その下も黒い灰。もう何も出てこないだろう。

心に強く衝撃が刻まれるが、不安の涙を抑えて、ロベリアの家…よりも近い学校へ向かう。

木でできた、高さが低く比較的小さい学舎だったが…

…無駄足だったかもしれないと思うほどに、大破している。

学校だった物の上にまた凶暴なポケモンがいるのを見て、咄嗟に塀の瓦礫に身を隠す…

ルディア(なんでこんなことに…)


…が、その時学舎の方角から声がした。

「誰か…だれ…か…」

ルディア「!!!!?!?」

その声は痛々しく、今にも消えてしまいそうだった。だが、確かに聞き覚えがあった────

…自分の教師だ。


教師「た、たす…け…」

這いつくばって移動しようとしているようで、声の方向が微弱に変わっていく。

…だが、その残り火のような声だけで難なく察することができてしまった。

治療がなくては、もう長くないと。

でも声のありかにはポケモン達がたむろっている。行こうにも、行けない…!!


その時…


グチャア!!


嫌でも耳に入る、水っぽい衝撃音が響いた。

静寂が訪れる。ルディアは口を両手で押さえ、目から涙がぼろぼろと落ちる。生命的な恐怖に支配されている。

吐きそうになる。理解してしまっている。あの音を死の音だと理解してしまっている。悲鳴をあげそうになる。両手が緩みそうになる。心臓の音が煩く、気が狂ってしまいそうだ。息が荒くなり、意識が遠のきそうになる。


今にも自分を掴んで連れ去ってしまいそうな気配を振り絞り、走り出す…

ロベリアの家に。



ポケモン達の視線を掻い潜りながらロベリアの花屋「ユートピア」に辿り着くが…

そこにいたのは…

店主であるロベリアの父親の死体と、それに根を張る異常成長したキマワリだった。

こちらを見られてしまった。

ルディア「は…!!っ」

ショックを覚えるより先に本能的に逃げようとするが、もう遅く──数多のツルがルディアに襲いかかる。

死を覚悟し、目を瞑ったその瞬間──

自分が謎の膜に守られ、ツルを弾いたことに気がついた。

ルディア「な…なに…?」


??《……星のように輝かしい、人の子よ》

大きい鹿のような、ポケモン…?が現れ、語りかけてくる。

ルディア「誰!?何っ!?」


キマワリのツルの標的がそのポケモンに向くが…

ツルが届く直前に、何故かキマワリが倒れてしまう。


??《もう少し静養を取っておきたかったですが…》

ゼル《初めまして、人の子よ。私はゼル…》


ゼル《…この村の民の言う「守護神」です。》



第一話

全てが芽生える「始まり」を祝って

END

ザ・ファーストスターライト

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