テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する




「自分ならいけると思っている連中は大勢いるが、いざトレーニングに入ればコーチに何時間もしごかれることになるんだ、結果、大抵のヤツが辞めたくなる、これは楽な商売じゃないんだ、トップレベルの格闘家を見ていると、いかにもリングで簡単にやってのけているように見えるけど、実は血の滲む努力と気概の積み重ねなんだよ」



「ユズ!俺は10歳の頃から街で腕っぷしを鍛えてきたんだぜ、俺ならできるよ!みんなに聞いてみな 」



先ほどの高校生だ、どうやらみんなに笑われたのが気に入らないらしい



「街での喧嘩が強いからってすごい事だと思うのかい?じつに愚かだな 」



少年はしゅんとなったが、柚彦君は話を続けた



「格闘技と街での喧嘩を一緒にしては決してダメだ、僕たちのスポーツは行き当たりばったりの戦い方をするわけではないし、汚い手を使う事もない、きちんとトレーニングを積んで肉体を鍛え、賢く、素早く、動けるようにならなきゃいけない気骨もなきゃダメだ 」



「気骨ってどういうものかわかる?」



さわざわと自信なさげに、ぼそぼそと少年のつぶやきが帰ってくると、彼はにっこり微笑みながら言った



「気骨っていうのはね、殴られて胃の中身を全部吐いたあとでも、顔にパンチを食らっても、もっと悪けりゃ腹にパンチをくらって漏らしても、また立ち上がるってことだよ、試合前は飲酒もダメならタバコもダメ!女の子とデートするのもファーストフードもダメだ、もちろん学校の勉強もちゃんとしないとだめだ」


一斉に少年達が不満の声をあげた、特に女の子のデートと学校の勉強がこたえたようだ


私は思わず笑った


「これは甘ちゃんが選べるようなキャリアじゃないんだよ、立ち技も寝技も習得しなきゃいけないし、体力をつける必要もある、しっかりエネルギーを蓄えるということだよ、今までの経験からいうとノックアウトされるより、体力不足で負けた格闘家のほうが多いんだよ、実にみじめじゃないと思わないかい?」



「だけど殴り合うのに、頭の良さなんか関係ないだろ?」


また別の少年の発言に同意を示す声が騒々しく沸き起こった



「僕の知ってる一流の選手で、頭が悪い人は見たことがないね、SBCEの選手で大卒の人はゴロゴロいるよ、格闘家は何百という技を覚えなきゃいけないし、対戦相手を分析したり、試合運びを考えたり、試合の最中戦略を練り直したりする能力も必要だ、だけど一番大切なのは、自分のキャリアを管理して、常に正しい決断を下すための頭脳がなければならない」



常に優雅に余裕の顔で、淡々と話す柚彦君の話は、完全にここにいるスポーツジムの少年たちに届いていた





復讐ジュリエット~DV元夫に復讐の花束を~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

3

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚