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その後は彼の所属するジムが先日発売した、SBCEの選手自らが出演している、トレーニングDVDの発売会に代わった
柚彦君はじめ、SBCEの人気選手のサインを求める、長蛇の列ができた、みんな購入したDVDを手に持って嬉しそうだ
その光景を微笑ましく見ていると、誰かにポンと肩を叩かれた
「健司さん!」
「やぁ鈴ちゃん!ご苦労様!その浴衣可愛いね 」
柚彦君のSBCEのオーナーで、柚彦君の3人いるお兄さんの長男さんだ
「あの・・・ありがとうございます、お祭りって聞いていたもので・・・浴衣着てきたんですけど、どうやら勘違いしてたみたいで・・・ 」
実際お祭りを手伝ってほしいと彼に言われて、わざわざ実家まで寄って、浴衣を持ち出して美容院で朝から着付けをしたのも、ひとえに柚彦君に可愛いと思ってもらいたいからだったのだが・・・
受付をするとは思わなく、もっと動きやすい格好をしてくればよかったと後悔していた
「あら~!華やかで全然いいわよ、なんせヤローばっかりで、むさくるしいからね」
長男の健司さんの横で、彼の肩に腕を置いたもう一人の金髪の女性が私の顔を、好奇心いっぱいの目で覗き込んで言った
まぁ・・・とっても綺麗
「初めまして、ユズの義理の姉の沙也加です、あなた・・・鈴ちゃんね 」
その女性はにっこりと私に美しい笑顔を見せてくれた、とても背が高い
「あ・・・もしかして・・・二丁目のショッピングモールのお花屋さんの・・」
「そうよ!あなたフードコートのクレープ屋さんのユズの彼女でしょ、ユズがいつもお世話になってます 」
「こ・・・こちらこそ!いつも素敵なお花をおすそ分けしていただいて・・・」
一気に緊張して耳が赤くなる、柚彦君が手伝っているお花屋さんのオーナーさんが、こんな若くて美人だなんて知らなかった
「いいの!いいの!鈴ちゃんならコイツの店の花なんていつでも持って帰っていいよ!バラでも百合でもヒヤシンスでも 」
「ヒヤシンスなんか今の時期ないわよ」
カッカっカっと健司さんが笑った、バシンと奥さんに背中を叩かれる
威勢があってとっても素敵なご夫婦だと私は素直に思った