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手の平にその鍵を握り締め、アラスターの顔を見上げる。
普段通りの笑顔に見えて、その目の奥は僅かに優しく細められていて。
アラスター「貴女の部屋の鍵です」
アラスター「・・・くれぐれも、もうなくさないように」
〇〇「!・・・・・・アラスター・・・・・・」
―――持っていてくれたんだ。
他の誰かに渡すこともなく。
私が出て行ったその後も・・・まるで、“私がいつか戻ってくる”と分かっていたかのように。
その時の為に、”私の部屋”として残してくれていた。
じわり。
心が温かくなって、せっかく拭った涙が再び滲みそうになった。
〇〇(―――いや、今は泣くときじゃない)
どうにかそれを堪えて、微笑みながらアラスターの眼を見上げる。
〇〇「・・・うん。もう、なくさないよ」
〇〇「ありがとう。アラスター」
私の返事を聞いて、彼は満足したように小さく笑う。
アラスター「・・・よろしい。その笑顔と素直な返事は、やはり貴女の好ましい部分です」
アラスター「さ、しっかり顔を見せておやりなさい」
アラスター「・・・皆、貴女のために此処へ来たのですから」
両肩に手を置かれ、くるりと身体を後ろ向きに回される。
〇〇「・・・・・・うん!」
そのまま軽く背中を押し出され、私は今度こそみんなのいる方へと走り出した。
―――ホテルに帰ったら、とびきり美味しいコーヒーを淹れよう。
それをゆっくり飲みながら、想いを綴ったあの曲を弾こう。
大好きなあのホテルの私室で。
大好きな、貴方の隣で――――
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