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猫アレルギー
231
163
まあ
70
かえ
311
「目ぇぇぇぇぇぇ!!!」
若武が転がってる。
「うるさい‼」
小塚君がハンカチを押し当てる。
「擦らない!」
「痛いぃぃぃぃぃぃ!!!」
「だから擦るなって‼」
駅前なのに、 すごく目立っていた。
「……香水?」
私が呟く。
でも。
ただの香水じゃない。
空気がピリピリしてる。
「翼」
上杉君が聞く。
「同じ匂い?」
「うん」
美門君は静かにうなずいた。
「昨日の女の人と同じ」
一瞬、 背筋が冷える。
「しかも強い」
美門くんが眉を寄せる。
「撒いたばっかりだと思う」
「つまり近くにいた?」
小塚君が言う。
「たぶん」
全員、 自然と周囲を見る。
でも。
もう誰もいない。
「若武、大丈夫?」
「……しぬ……」
「死なないよ」
小塚君が即答した。
「刺激強いだけ」
「よ、よかった……」
安心した瞬間。
「アーヤ」
「え?」
黒木君が、 すごく真面目な顔してた。
「今日はほんと、一人で帰らないで」
「……うん」
なんか。
その目見ると、 逆らえない。
「黒木」
上杉君が静かに言う。
「これ、完全に警告だ」
「わかってる」
「しかも立花にも向いてる」
空気が重くなる。
その時。
「……あ」
忍が、 ふっと路地を見る。
「猫いた」
「また!?」
「黒いの」
忍は、 細い路地を指差した。
「帽子の男いたって」
空気が止まる。
「男?」
黒木君の声が低くなる。
忍はうなずいた。
「女の人と一緒だった」
「……」
上杉君が目を細めた。
「やっぱ二人組か」
「追う?」
若武が復活した。
「お前回復、早っ」
美門君が引いてる。
でも。
「いや、今日はだめ」
黒木君が即答した。
「アーヤ優先」
「え」
「犯人、たぶんアーヤにも接触してる」
その言い方。
ちょっとだけ、 守る感じが強くて。
また心臓が変になる。
「じゃあ送る」
「俺も行く」
「若武は帰れ」
「なんでぇ!?」
「うるさいから」
「ひど‼」
結局。
黒木君、 上杉君、 小塚君、 忍。
四人が途中まで送ってくれることになった。
「人数多くない?」
「安全第一」
小塚君が真面目に言う。
歩きながら。
私は少し考えてた。
なんで。
ここまでされるんだろう。
犯人は、 黒木君を狙ってたはずなのに。
「……アーヤ」
「え?」
隣の黒木君が、 小さく聞く。
「怖い?」
「……ちょっと」
正直に言う。
すると。
「そっか」
黒木君は、 少しだけ黙った。
そのあと。
「でも大丈夫」
「え?」
「絶対守るから」
さらっと言った。
心臓止まるかと思った。
「…………」
言葉出ない。
横を見る。
黒木君、 普通の顔。
なんでそんな平然としてるの!?
「黒木」
上杉君が呆れた声を出す。
「お前それ自覚ある?」
「何が」
「……いやもういい」
上杉君が諦めた。
コメント
3件
どぅおー!!!!(声にならない叫び笑笑) え、まって。「自習してね」って言われてテラーノベルを開いたら通知来てたから読んじゃったんだけど。 黒木の自覚ないのが本当に最高すぎる。
わあ、第21話!今回も緊迫感すごかったですね。冒頭の若武の叫びで一気に引き込まれました。「目ぇぇぇぇ!」って転がってるところ、ちょっと笑っちゃったけど、あの香水の匂いがただもんじゃない不気味さで…。犯人が二人組で、しかもアーヤさんにも接触してるって状況、背筋が冷えました。 でも黒木君の「絶対守るから」、あれは反則ですよ。平然と言っちゃうのが逆に重みがあって、胸にくるものがありました。上杉君が呆れて「もういい」ってなるのも納得の破壊力。 伏線もじわじわ効いてきましたね。猫・帽子の男・女、この夜の路地の構図、絶対後で効いてくる予感。次が待ち遠しいです!