コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
自転車のカギを外して俺は自転車にまたがりペダルを踏む。
「 小さな巨人…変人コンビ… 」
さっきの早瀬のトスは本当は全く狂いのない完璧なトスだった。
じゃあなんで打てなかったか。
それは俺が「いつも通り」を持っていないからだ。
いつも絶対にこうやってスパイクを打つ。
いつもこうやって助走する。
そういうものがないんだ。
だからトスをあげる側もどうあげればいいかわからない。
当たり前のことだ。
「 …くそ…くそ…くそぉぉおぉぉ…!! 」
俺は溢れる涙をこらえてペダルを強く踏む。
「 …もっと、もっと俺がちゃんとバレーボール、できるようになんないと…!! 」
俺は家に帰ってすぐに練習を始めた。
父さんは今日は福島で商談があるとか言ってたから帰りが遅くなるらしい。
「 …力を入れる具合も理解しないとコントロールできない…! 」
俺は何度も飛んで一番飛べた力の入れ方を覚える。