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「んじゃ、いってきまーす」
「いてらー。気をつけて」
「あいあい」
家を出るルビー。鍵を閉めて、ワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながら学校へと向かう。
トントン。と肩を叩かれる。
「うっす!」
「おぉ。円。おはよー」
ワイヤレスイヤホンを外すルビー。
「今日も麗しゅう。ルビー様」
「おぉ。結構結構。顔を上げぇ」
「どおよ。新しいクラスは」
「え?まあ、ぼちぼち?詩衣もいるし」
「そっか。ウタイーも同じクラスか」
「そ。あとちなみにウタイーって
あだ名なんかあだ名じゃないんかわからん呼び方で呼んでんの、円だけだかんね」
「うっそー。可愛くない?ルビーとウタイーってなんか姉妹みたいで」
「それは可愛い。てか円はどうなの?New Classは」
「楽しいぞぉ〜?新しい友達もできたし。万尋と虹言ちんっていう子がいてね?」
というような話をしながら校舎に入った。
「んじゃー。またのー」
「へいえーい。またー」
教室に入ると
「あ、ルビー。おはよー」
詩衣がいた。
「おはよーウタイー」
「ウタイーって」
と笑う詩衣。
「朝円に会ってさ」
「あ、そうなんだ」
「新しいクラスで友達できたってさ。
ま、円ならすぐできるだろうと思ってたけど。今度紹介するって。彼氏じゃあるまいに」
「たしかに」
と言いながら席に座る。
「こないだのお泊まり会楽しかったね」
「また言ってる。まあ、楽しかったのは事実だけど」
「それにしてもお兄さん、相変わらずカッコいいし優しいし。仲良いよね」
「そうねぇ〜。仲は良いね。あと優しいのも事実。
ま、イケメン…だと思わないこともないけど、子どものときから整ってたからもうあんま思わんね」
「袴田の兄ちゃんか」
気李人(ケイト)が話に入ってきた。
「うわ。夏元」
「うわとはなんだよ。袴田の兄ちゃんてイケメンなん?」
「イケメンだけど」
「去年文化祭とか体育祭とか来た?」
「来てない。てか来てても去年同じクラスじゃないから、気にもかけてなかったでしょ」
「それもそうか」
とルビーは気李人と話していたので
「おはよ、涼天くん」
詩衣は祭と話すことにした。
「ん。ん?あぁ、おはよ。多馬さん」
「なにしてたの?」
「ん?いや、パズルゲーム」
祭がスマホの画面を見せる。
「あ、それ私のお姉ちゃんもやってるよ」
「へぇ〜。まあ、有名だから」
祭の画面を見る詩衣。少し考え、同じ色のゼリーを組み合わせ
消したり、特殊なブロックに変えたりしている。
「もっとパッパッパッってやるイメージだった」
「まあ…。たしかに。単純にオレがへたなだけだよ」
「そんなことはないと思うけど。私のお姉ちゃんもっとへただし。
家でやってるときなんて「あぁ〜…」とか「うぅ〜…」とか唸ってて、全然手動いてないもん」
「ふっ」
思わず笑う祭。
「ありがと」
「ん?ううん?」
「夏元はサッカー部でしょ?」
「そうそう。エースよ」
「ほんとかよ」
「まあぁ〜…オレともう1人、オレと同じレベルがいるかな」
「へぇ〜」
「士ってやつでね。赤馬(アカバ) 士。知ってる?」
「知らん。うち(達磨ノ目高校)ただでさえ生徒数多いんだし」
「ま。それもそうか」
「でもそうか。サッカー部も多いのか」
「多いね」
「じゃ、レギュラーに入れてるだけでも夏元はうまいってことか」
「あぁ。たしかに。でもフツーにへたなやつも多いけど」
「まあ、そうか。そりゃそうだわな」
「今度試合見に来てよ。したらオレの実力丸わかりよ」
「行かんよ。めんどくさい」
「そんなあっさり」
肩を落とす気李人(ケイト)。
「あ、うち(達磨ノ目高校)で試合ないの?練習試合とか」
「あるよ。あるある」
「それなら見ても良いよ」
「上から目線だなぁ〜」
「このルビー様の時間を割いてあげるんだから」
「ルビー様。おっけ。じゃ、今度の練習試合見てよ。いつかはわかんないけど」
「わかっとけ」
「わかり次第お伝えします」
「頼んだぞ」
なんて話をしていると担任の先生が入ってきて、朝のホームルームが始まる。
「うたぁ〜」
「保ぅ〜」
読者、もしくは視聴者の皆様。先にお詫び申し上げます。
ここからバカップルによる胃もたれ必死なやり取りをお送りします。
胃もたれしても作者及び関係者、当作品の登場人物は一切の責任を負いません。
ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。
「お 待 た せ」
「待ってないよ」
「んじゃー今日も大学行きますか」
「うん!」
手を繋ぐ2人。もちろん恋人繋ぎ。
「2年になっても早朝講義はあるんだよねぇ〜」
「それなぁ〜。…はぁ〜…あ…」
あくびをする保。
「はぁ〜…あっ。あ!感染った!」
「ほんとだ!オレのあくびがうたに感染った」
「なんか嬉しい」
「オレもぉ〜」
※この2人は付き合って間もないほやほやのカップルではありません。
中学2年のときから付き合っているので、かれこれ5年、今年で6年目となります。
そんな胃もたれするほどのイチャつきをしながら大学へと向かった2人。
1限の講義室へと行くと那緒が1人で待っていた。
「おっはよー!」
歌乃が那緒の隣に座り、勢いで那緒にもたれかかる。
「おぉ。うた。おはよ」
ワイヤレスイヤホンを外す那緒。
「那緒おはー」
「おぉ。保もおはよ。今日も夫婦での登校で」
「いやん!まだ結婚してないっての」
「まだね。いっそのこと早く結婚してくれと思うわ」
「え?しちゃう?明日にでも」
「しちゃう?」
「うっ…。胃もたれが…」
お腹を抑える那緒。
「ちな結婚てどうすんの?」
保が那緒に聞く。
「知らんよ。考えたこともないし」
「ほんとかぁ〜?」
とニマニマ顔の保に聞かれて
「あぁ。その顔見ると引っ叩きたくなる衝動に駆られるわ」
「怖す。やめて?」
と言いながらも考える那緒。
「おかえり」
部屋着のルイがお出迎え。仕事から帰った那緒にとっての癒しである。
「ただいまぁ〜…。疲れた」
と玄関で座り込むとルイが優しく包んでくれる。
「お疲れ様。とりあえず着替えておいで?」
ルイの綺麗な声が耳元で聞こえ、嬉しさと興奮で背中に電気が走ったような感覚がする。
スマホを出し、画面をつけて時間を確認するルイ。
「もうすぐデリバリー来るはずだから」
「わかった。…でももう動けない」
「動けない?一緒に部屋行く?」
コクンと頷く那緒。
「いいよ」
ルイは右手に那緒のバッグを持ち、左手で那緒の手を握る。那緒も立ち上がり2人の寝室へ。
「脱げる?」
「脱げない」
「じゃあ脱がしてあげる」
ルイが那緒のジャケットを優しく脱がせる。クローゼットのハンガーにジャケットをかける。
「Yシャツも脱げない?」
コクンと頷く那緒。
「知らないよ?」
「なにが?」
「疲れてるんでしょ?」
「…うん?」
「オレにYシャツまで脱がさせて、オレがなにもしないと思う?」
「…さあ?」
「那緒?那緒?」
「はい!」
歌乃の呼びかけに現実に戻る那緒。心臓はドッキドキ。
「ヨダレ垂れてるけど」
「嘘っ!?」
「嘘」
「嘘かよ」
「え?なに考えてたの?」
歌乃がニマニマした顔で那緒の二の腕を肘でつつく。
「べ、別に?」
「那緒って案外むっつりだよねぇ〜」
「誰がじゃ」
なんてしていると講師の方が入ってきて講義が始まろうとしていた。
「ルイは?」
保に聞く那緒。
「那緒の王子様は今きっと夢の中よ」
保がスマホをタプタプさせながら答える。
「やはり今日も来ないか」
「王子様ってとこは否定しないのね」
「ルイでしょ?王子様っぽいじゃん」
「“那緒の”王子様って言ってたけどね」
「っ。バカじゃないの?」
そんなこんなで1限の講義が始まった。1時間目から4時間目の授業が終わり、お昼ご飯の時間に。
「詩衣ー。ご飯食べるでー」
「うん!食べよ食べよ」
机を寄せて2人でお昼ご飯を食べる。
「また今度お泊まり会しよってお兄ちゃんと話して」
「そうなの?また開催されるの?」
「一応月1でやりたいねって話してて」
「いいの?割とペース早くない?」
「いいのいいの。ほら、うち両親共にイギリスにいて、お兄ちゃんと2人だからさ?
ま、別にお兄ちゃんと2人でも全然いいし、慣れたんだけど、賑やかな夜があってもいいよねっていうので」
「なるほど?」
「お兄ちゃん…起きたかな」
「お昼だもんね。こないだのお泊まり会で
本洲(もとす)さんとリビングで寝てたときは、きゃっ!って思ったけど」
「ね。あれはきゃっ!だったわ」
「え、確認だけど、本洲さんは…その、それでいいんだよね?」
「ん?お兄ちゃん?」
詩衣がコクンと頷く。
「あぁ。そうね」
ニマニマ顔、少し悪巧みをするような表情になるルビー。
「那緒ちゃんも“わかりやしー”だよね。
背負うタイプのツインロケットランチャーを背負いながら、低い姿勢になって顔真っ赤にしてそうよね」
「よねって言われても点でわかんないけど」
「そっかそっか。ま、とりあえず来月もお泊まり会の通知がいくと思うから、よろしく頼むわ」
「通知がいくって」
と笑う詩衣。
「毎月行われるとなると、各自の誕生日もあるか」
「そうだね。一番近いの…誰だ?」
「えぇ〜っと?歌詩(うたうた)姉妹が9月でしょ?私が7月、お兄ちゃんが11月。那緒ちゃんも11月。
たもっちゃんが?…8月か。私じゃん。一番近いの」
「7月8日ね。夏休み…だったらいいのにね」
「それなぁ〜。私の誕生日夏休み前。期末試験weekよ」
「うわぁ〜。やめてぇ〜」
「テスト勉強してるときに誕生日会もなぁ〜」
「去年は期末試験終了後にパーティーしたんだっけ?」
「そそ。ま、当日詩衣に祝ってもらったけどね」
「そりゃそうでしょ」
「栗夢(クリム)嬢からも当日LIME来てたわ」
「栗夢ねぇ〜。会いたいな」
「たしかに。会いたいな」
「友達できたかな?」
「たしかになぁ〜。栗夢嬢は大人しお嬢様だからなぁ〜」
「自分から行く感じではないよね」
「でも覚えてる?中学卒業して高校入学の前に3人で集まったじゃん?」
「そりゃー覚えてますよ」
「そこでアドバイスしたじゃん」
「したっけ?」
「食べんの好きなんだから、なんかお菓子でも持ってって
そのお菓子をきっかけに自分から喋りに行きなさいって」
「言ったっけ?」
「私がね?」
「あ、ルビーがか。覚えてないわ」
「マジで」
そんな話をしながらお昼ご飯を食べ終え、午後の授業が始まった。