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第六話Start
5人のストレートすぎる愛の告白に、すちが顔を真っ赤にしてタジタジになっていた、その時。
カチャ、と玄関のドアの外で、聞き覚えのある鍵の音が響いた。
「――っ、やばい、お父さん帰ってきた…!」
すちはハッと目を見開いた。
すちの父親は仕事が忙しく、たまにしか家に帰ってこない。
すちにとっては「たまに帰ってきて自分に優しくしてくれる、自慢の父親」だ。
まさかその父親が、裏社会で悪いことをしていて、自分に暗殺の依頼を出した張本人だなんて、すちは夢にも思っていない。
「みんな、隠れて…! お父さんにこんな大人数で部屋にいるの見つかったら…!」
すちが慌てて振り返った、その瞬間。
シュッ――と、風を切るような音がした。
「え……?」
すちがパッとソファの周りを見回すと、そこにはもう、誰もいなかった。
ついさっきまでぎゅうぎゅうに座っていたはずのらん、いるま、なつ、こさめの姿が、影も形もなく消え失せている。
キッチンにいたはずのみことも、いつの間にかハンバーグをお皿に綺麗に盛り付けた状態で、気配を完全に消していた。
(え、なになに!? 忍者の集団か何かなの!?)
あまりの早業にすちが呆然としていると、ガチャリと玄関のドアが開いた。
「すち、ただいま。急に仕事が早く終わってね、顔を見に来たよ」
入ってきたのは、高級なスーツを身にまとった、優しそうな笑顔の父親だった。
「お、お父さん! おかえり!」
すちは慌てて笑顔を作り、父親を迎え入れる。
「おや、いい匂いがするね。夕飯はハンバーグかい? すちは料理が上手になったね」
頭を優しく撫でてくれる父親に、すちは「あはは、まぁね…」と苦笑いするしかない。
その頃。
すちの視界に入らない部屋の死角では、5人の殺し屋たちがプロのステルス技術(隠密行動)を極限まで発揮していた。
らん:天井の梁(はり)に音もなくぶら下がり、上空から父親の頭頂部を冷徹に見下ろしている。
いるま:ベランダのカーテンの隙間に完全に同化し、いつでも銃を抜ける構えをしている。
なつ:クローゼットの僅かな隙間から、ライターを握りしめて父親を睨みつけている。
みこと:ベッドの下の暗闇に潜み、いつでも飛び出せるようにナイフの柄を握っている。
こさめ:すちの部屋のロフトの陰から、お父さんに向けて満面の笑みのまま、銃口をぴたりと向けている。
5人のインカムからは、すちとお父さんに聞こえない極小の音量で、冷たい声が飛び交っていた。
『……おいらん。あのクソ親父、どの面下げてすちの頭撫でてんだよ。今すぐ撃っていいか?』いるまが指をトリガーにかける。
『ダメだよいるまくん。すちくんの前で血を流したら、すちくんが悲しむでしょ』
こさめが冷酷に囁く。
『そうだね。でも、すちくんがあんなに嬉しそうな顔であの男を見てるの、めちゃくちゃ嫉妬するなぁ…』
みことがベッドの下で目を細める。
『なつ、手ぇ出すなよ。あの親父、すちがキッチンに向いた瞬間、ポケットの中のスマホいじって組織に連絡しようとしてる。……泳がせよう』
らんが冷静に全体をコントロールする。
何も知らないすちは、「お父さん、ご飯食べていく?」と嬉しそうに話しかけている。
父親は優しく微笑みながらも、裏社会の直感で、「……なんだ? この部屋、異常なまでの殺気とプレッシャーを感じる……気のせいか?」と、首筋に冷や汗を流して密かに怯えていた。
すちを真ん中にして、優しそうな「偽りの父親」と、部屋の影からお父さんを全力で威嚇する「本物の殺し屋たち」の、ハラハラすぎる奇妙な同居時間が始まったのだった――。
次回♥️330💬1 朝投稿のびるのか検証!
コメント
9件
たまたま朝起きれたのでいっぱいいいね押そうかな…(´>ω∂`)☆
うわっ、めちゃくちゃ面白かった!!第五話からの流れで一気に緊張感が走ったわ🔥 5人が一瞬で完全に姿を消して、しかもそれぞれのステルスポジションがプロすぎて笑ったwww 天井の梁にぶら下がるらんとか、カーテンに同化しているまとか、戦術の解像度が高い…! そしてインカムでの会話が全員「すちくんを守る」って方向で統一されてるのが熱すぎる。 父親の違和感にも気づいてるし、この5人、ガチで有能なんだな…。 次回、すちが真実を知るときが来るのか、それともこのままハラハラが続くのか、気になって仕方ない! ゆらねさん、今回も最高でした!引き続き楽しみにしてます🔥
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鶏そぼろ
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