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僕の両親は小さい時に亡くなった。
だから僕は祖父と祖母に育てられてきた。
高校に進学し祖父祖母から離れて一人暮らしを始めた
雄哉(ゆうや)「はぁ…暇だ」
僕は高校に進学してから地元を離れた為に知っている友人がいない。その為夏休みなんか憂鬱でしかない。
雄哉「お爺ちゃんとお婆ちゃん元気にしてるかな…」
クーラが効いた部屋の中で呟いていると手が熱くなってきた
「ジジ…ジジジ」
雄哉「ん?なんか手が熱いし変な音が鳴っt_____」
手の一部が焦げていた。小規模だがジジジ…と音を鳴らして手のひらをじっくりと焦がしていく。
雄哉「え?!なんだこれ?!」
雄哉は咄嗟に蛇口を捻り勢いの良い水道水が雄哉の手を冷やしていった。
雄哉「ふぅ…全くなんだったんだ?」
雄哉はそう言いながら蛇口を捻り水を止める
水が流れている時は手のひらの焦げは止まっていたが水を止めると、また
ジジジッと音を鳴らして手のひらが焦げていく
雄哉「なんで?!さっきは止まっていたのに…」
雄哉は思い出した
((そうだ…近くに滝があったな……そこで冷やそう))
その滝は地元で有名な滝で風邪をひいたならばその滝の水を飲むと治るなどという噂が流れている滝だ
雄哉「滝に行くまで少し距離があるから手を冷やしながら行かないと…」
雄哉は近くにあったビニール袋に溢れんばかりの水を入れ焦げていく手をビニール袋に突っ込み水が漏れないようには袋を縛らなければなかったがあいにく片腕しか使えなかったので何回もガムテープで袋の口を塞いだ
雄哉「滝までもってくれよ?」
雄哉は家から飛び出て滝まで走っていった
途中途中で人の横を過ぎて行ったが皆不思議そうな顔で雄哉を見た
当たり前だ。右手に水が沢山入ったビニール袋を巻き付け全力疾走しているからだ
雄哉「人の目が恥ずかしいけど……」
雄哉「水道代が無駄になってしまうから仕方ない!!」
雄哉は颯爽と滝に走っていった
10分して滝に着いた雄哉
雄哉「ッッッハァァァァァやっと着いた……」
雄哉はため息をつきながらも滝の水に手を入れる
雄哉「冬じゃないよりかはマシかな?」
雄哉はそう呟き水に手を入れ止まるのを待つ
-20分後-
雄哉「全然収まる気配がしない……」
再びため息をつく
雄哉がしょぼくれていると誰かが近づいてきた
雄哉はそっと後ろを振り向く
振り向いた先には帽子を被り夏なのに長袖のままジャージを着ていた。
雄哉((帽子のせいで顔が見えないな…))
帽子を被った男は雄哉の横に屈んで
???「どうかしたのかい?数刻から滝の水に手を入れているようだが」
男はそう雄哉に聞いた
雄哉「いや…信じてくれないかも知んないけどさっきから右手からジジジって音がしてそれと同時に手が焦げてくから…」
男はハッとした
そして雄哉の右手を掴み水から出した
雄哉「えっちょっと何するんだい」
???「いいから」
男は少し口角を上げそう言った
またジジジッと音が鳴り手が焦げてきた
???「やはりこれは…」
雄哉「もう良いだろ?手が黒焦げになっちゃうよ」
そう言われた男は雄哉の右手を水につけ戻した
???「これは収まるよ」
雄哉「えっ?!そうなの?方法は?」
咄嗟に男に聞く
???「ゆっくり息を吸ってゆっくり吐いての繰り返しをしながら手を水から出してご覧。なぁに呼吸を整えるだけさ」
雄哉は直ぐにゆっくり息を吸って息を吐いた
それと同時に手を水からゆっくりと出した
???「そう…その調子だ」
言われるがまま呼吸を整えながらまた少しずつ手を水から出した
手が完全に水から出た
???「後10回くらいやるといいさ」
-10回やった後-
焦げが止まった
雄哉「やったぁ!止まったよ!」
喜ぶ雄哉を見ながら男は雄哉の両手を握りしめた
雄哉「?どうしたんだい?」
雄哉は男が握りしめた自分と手を握りしめている男…いや、彼の手を見つめた
雄哉「君は誰なんだい?なんで止め方を知っていたんだい?」
???「…雄哉くん……僕の事を忘れないでいてくれるかい?」
雄哉は驚いた。自分の名前を伝えてもないのに彼は雄哉の名を知っていた
雄哉「君…なんで僕の名前を?」
???「君と1度あったことがあるから…と、言ったら?」
雄哉「僕と?何時あったんだい?」
???「未来でだよ」
よく分からない発言をしながら帽子の影から見える口は笑っていた