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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

112 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.3「贈られた指輪の意味とは…」⑰

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2025年03月22日

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メイクを終えて部屋へ戻ると、汗の引いたらしい彼が着替えていた。


シャツを着るだけの仕草にも、ついつい見とれちゃうから困る……。


だって、剥き出しの腕がきぬれの音とともに袖にスルッと通されるのが、なんだかたまらなくエロティックにも見えて……。


って、私ってば何を考えてるんだろうと、一人どぎまぎしていると、


「……いくだろう?」


不意に貴仁さんから、そう声をかけられた。


「えっ? 行くって、どこにですか?」


ぽぅーっとしていたためによく意味がわからずにいると、片方の腕のみにシャツを纏い、一方は肩に掛けただけの恰好で、彼が振り向いてフッと微笑みかけた。


ああ、そんな色っぽい姿で微笑むとか、ほっんとうに目の毒ですからー……。


赤くなってうつむくしかない私に、


「朝食をとっていくだろう? と、君に訊いたんだ」


近づいて来た彼が笑顔のままで言い、「あ、ああ、はい」と頷いた瞬間に、シャツが彼の肩からはらりと滑り落ちて、


ふしゅー……と、それこそ顔から湯気でも出るかと思った……。



──貴仁さんって、全く自覚もなくほんと色気があり過ぎやしませんか?


「そうだ、これを……」


テーブルに置いたリングケースを彼が開けると、私の手を取り指輪を左手の薬指に嵌めてくれた。


「ありがとうございます……」


改めておもはゆく感じていると、指輪の嵌まった手に淡いキスが落とされた。


「昨日も伝えたように、もらってくれてありがとうと言いたいのは、私の方だから。指輪、君にとても似合っている……」


「あ……ありがとうございます」


それしか言葉にならなくて、同じようにくり返すと、口づけられた指先がじんとうずくのを感じた。

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