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わー……めっちゃいいなぁ… なんかもう、読みながら涙止まらんかったわ。 全体的に感動するお話なんだけど、途中途中に入ってくる笑えるシーンはちゃんと笑えるっていう…なんかちょっと救いのあるお話だったなぁ(先端恐怖症のくだりは笑ったw)。 タヒんじゃたのはあれよね、うるさい緑の人よね。寂しいなぁ…。 ベースに「限界」のステッカー貼ってあったのとこで大泣したわ、あそこはもう……ねぇ。
ほわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ
なんかすごい、目から鼻水が…😭😭もう世界観も関係性も絵も全部が大好きです…❣️❣️不可思議さんの素敵な小説、投資したいくらい応援してます✨❤️🔥
1人の友人の死を引きずるげんとそめの話
⚠️誰かがタヒんでます(多分誰かはすぐわかる)
バンドパロですが主はバンドにわかです
sm視点
始まりはあいつの訃報だった。
こんな日に似合わないほど青い空と澄んだ空気。
友人である縺舌■縺、縺シ の葬式。
あいつが死ぬ2日前には一緒に飯を食べて、夜通し語り合っていた。
濃紺の空を横目に、俺らは少しだけ呑んで、馬鹿みたいに笑ってたっけ。
だからあの話を聞いてから、俺はすっかり憔悴しきっていた。
足に上手く力が入らなくて食欲もない。反射して見えた俺の顔は酷いものだった。
棺桶の中に横たわる縺舌■縺、縺シの顔は生前と変わらないほど美しく、これじゃまるで死んだのは俺の方じゃないかと思うほどだった。
「あ、お前。久しぶり…」
どこかで聞いたことのあるような低い声が俺を捕らえた。
sm「…あぁ、久しぶり…」
見覚えのある細身の男だった。確か、縺舌■縺、縺シの…
sm「…“げんぴょん“?”原人“?」
gn「そう。正解。あいつの友達の…“こんそめ”って呼ばれてたっけ?」
sm「そう。こんそめ。染谷凪斗。」
いつだか俺らは一度会ったことがある。
こいつは縺舌■縺、縺シのバンドメンバー。確かベーシストだったはず。
あの時は派手な格好だったから、真っ黒なスーツに、こんな沈んだ顔は違和感がある。
gn「次に会うのがこんなときとはな。」
sm「…ん。そうだね…」
正直今は上手く話せない。話したくない。
あいつのことを話すたびに、思い出すたびに、心が擦り切れて、涙腺が刺激されるから…
gn「お前と比べたら歴は短いかもしんないけど、俺らもあいつの友達だから。辛いよな…」
げんぴょんはそう言って目を伏せた。
やめろよ。そんな話は聞きたくない。辛い辛い辛い。
ほら、また視界がぼやけてきた。目の前の彼の顔がよく見えなくなる。
sm「…ぁ、も…いい?」
そんな顔を見られてくないし、なんだか気まずいのでその時は逃げるような手をとってしまった。
変なやつだと思われたかな。
式は問題なくすいすい進み、残酷にも彼の死の事実をこれでもかというほど叩きつけられた。
骨になった縺舌■縺、縺シは信じられないほど軽かった。
式はあっという間に全て終わり、人々は解散して行く。
俺はしばらくボーっとしていたが、どうにか帰ろうと足を動かした。
gn「あ、染谷…こんそめ!」
その呼び方と声に思わず足を止める。
sm「…なに」
他のバンドメンバーを置いて俺に駆け寄ってきたらしい。
gn「連絡先交換しない?俺、お前と話したいことあって」
sm「あー……うん、わかった。」
話したい、と言われて少し戸惑う。
今は多く話せないと思うが、あいつとげんぴょん達バンドメンバーのことを思うと承諾するしかなかった。
gn「よかった。じゃあさ、今度空いてる時に俺らのライブ見に来てくんない?」
sm「え?いいけど…話したいことは?」
gn「それはそんとき話す。一日中は欲しいな。」
sm「…ふーん?」
どうやら、あいつが死んだことでバンドは解散することになったらしい。
デビューして売れたかったらしいが、あいつがいないんじゃそれは意味ないものになったと。
ドラマーで、ボーカルも担当していたあいつの穴埋めも難しいし、何よりあいつじゃなきゃダメだったんだとげんぴょんは言った。
後日、俺とげんぴょんは2人でカラオケに来ていた。
ライブは夜なので、それまで2人で遊ぶことになったが…
2人っきりでカラオケ?しかもほとんど知らない奴なのに?
とか思ったが、なんかノリノリだし、楽しそうだし、黙っていることにした。
gn「こんそめもっと歌えよ〜!俺もう喉いた〜い!」
sm「いや、そっちが歌いすぎなんよ。なんで無理してそんな高いキーばっか…」
gn「あいつはこんくらい歌えたの!終わりまでは俺がカバーしなきゃなんないから。」
sm「あ、そっか…」
縺舌■縺、縺シとげんぴょんでツインボーカルだったことを思い出した。
解散までの間はあいつのパートも歌わなくてはいけないため、今までよりも歌を磨いているらしい。
しばらく歌っていたげんぴょんはマイクを置いて俺のすぐ横に座った。
gn「あいつとは得意なパートが違かったからさ、力強くて盛り上がるとこは任せてたのに。
結局俺もやんなきゃいけないんだよ。」
あいつがいつでもどこでも熱唱してた姿を思い出して頬が緩む。
sm「…うん。確かにあいつ歌上手かったよね。だいたい地声でいけるからなぁ…」
gn「そうなんだよなー。だから俺のプレッシャーやべえんだよ!クソ!」
sm「っははw」
gn「おい、何笑ってんだよw」
sm「いや?wああ、ごめんごめんw」
何度か軽く突かれた。
gn「あー、でもお前やっと笑ったからよかったわ。」
sm「え?」
言われて少し考える。
確かに、そうかもしれない。
あいつが死んでから、俺が笑った瞬間なんてなかった。
大事な仲間を亡くしたげんぴょんがこんなに元気なのが不思議に思えてて。
sm「…ちょっとした呪いかなんかだったんかな」
gn「呪い呼ばわりはひどいなw…
よし!こんそめ元気になったし、点数勝負しようぜ!」
sm「あぁいいよ?望むところだ!」
テーブルに置かれたマイクを握る。
昼頃、ひとしきり歌って腹を空かせた俺らは飯を食いに行った。
話していくうちにげんぴょんのこともだんだんわかってきた。
俺よりも3つほど年上で、兄っぽく振る舞っているが実はあまり強くないこと。
バンド内では1番縺舌■縺、縺シとの付き合いが長く、よく一緒に遊びに行っていたこと。
先端恐怖症ということ。
(箸を向けるなと注意された。向けてないけど。)
げんぴょんの口からはくだらなくてどうしようもないあいつとのエピソードがたくさん出てきて、毎度笑わせられた。
gn「こんそめからの話も聞きたい。」
と言うので、面白いかはわからないが出来る限りたくさんあいつとの思い出を語った。
俺の話を聞いてたびたび腹を抱えて震える彼を見て余計に笑ってしまった。
あいつは良い仲間たちに恵まれて、楽しく過ごしていたことがわかってよかった。
夜になるとライブハウスには多くの人が集まってきた。
彼らのバンドは相当人気らしい。
俺も観客として見せてもらった。
バンドが成立しなくなるので、ドラムは代役を入れていたが、ボーカルはげんぴょん1人でやっていた。
この曲は聴いたことがある。
俺が縺舌■縺、縺シに誘われて、彼らのライブを見に来た日。
げんぴょん達バンドメンバーと初めて会ったのもその日だ。
全員があまりにも楽しそうに演奏していて、それでいて実力もあるので俺は圧倒された。
この曲は確かあの日最初に演奏していた曲で、盛り上がるサビなどは縺舌■縺、縺シが歌っていた。
あいつ相変わらず上手いなーとか思って聴いていたが、
その時はまだ名も知らないベーシストの低音に心を奪われていた。
今までずっと歌ってこなかったパートとは思えないほど、げんぴょんは自分のものにして上手く歌い上げた。
すごい。
あの時には聴けなかった高音にひどく感動した。
…あいつみたいだ。
あの日の縺舌■縺、縺シの顔と、歌声とが今のこの瞬間と重なって。
あいつが居るように見えた。
溜まる間もなく、頬を伝っていった。
溢れてやまない涙を拭うこともなく、この光景を 焼き付けようと目を大きく開いた。
こんなに力強い歌を歌って、鼓膜を震わす低い音のベースを弾いて、君はすごく強く見える。
でも俺知ってるよ。
そのアームカバーの下のこと。
積み重なった苦しみが、君の体を刻んでまとわりついていることを知ってるよ。
上辺は強く見せているけど、きっと夜は寂しさに泣きたくなるんでしょ?
今だってあいつの死を乗り越えられてないんでしょ?
きっと俺と同じ。
でもそれを表に出さずに、オレンジの光に照らされている君は本当にかっこよくて眩しいよ。
全ての曲を歌い終えて、汗ばみながら解散が宣言された。
今この瞬間で…いや、あいつが死んだあの瞬間で、このバンドは終わった。
俺がちゃんと見たのは今回含めてたったの2回だけ。
でも終わってほしくなかったなって、心の底から思った。
『終わってほしくなかった。』
それはきっと、死んでほしくなかったということ。
gn「こんそめ、今日は来てくれて本当にありがとう。」
sm「うん。こちらこそありがとう。ほんとによかった。」
gn「途中からお前がボロ泣きしてたからつられそうになったわ…w」
sm「ははw何とか最後まで堪えてたね。」
充実した今日もこれで終わりか…
少し寂しくなり、ビルに囲まれた狭い空を見上げる。数え切れないほどの光たちが眩しい。
gn「こんそめ」
sm「んー?」
gn「よかったらなんだけど、もう遅いし俺ん家泊まってかね?」
sm「え、いいの?」
ここから帰るのもめんどくさかったし、もう少し直接話したかったので好都合だった。
sm「じゃあ遠慮なく!泊めて〜」
gn「よーし!こっから近いから歩ってこーぜ〜」
俺らはもうすっかり仲の良い友達でしかなかった。
sm「ん…」
目覚めてしまった。時間を確認すると2時過ぎ。
こんな時間に起きていてもな…
ふと、隣の布団が空なことに気づく。
げんぴょんも起きちゃったのかな?
そんなことを思っていると、部屋に優しい風が入り込んできた。
ベランダが開いているので、そこにいることがすぐわかった。
sm「げんぴょ〜ん?」
ペタペタ歩いてベランダを覗き込むとやっぱりいた。
gn「…こんそめ」
sm「?」
ベランダの縁に寄りかかって、外を見て俯いていた。
元気がなさそう。
様子を伺っているとはらはらと話し始めた。
gn「俺あのバンドが好きだった。」
sm「…うん。」
gn「みんなで続けていきたかった。」
sm「うん。」
gn「でも無理だった。ずっとなんか、永遠なんかないんだよ。」
sm「…」
彼は俯いていた顔を上げて、真っ直ぐ前を見つめた。
するとため息をつきながら、タバコを取り出して火をつけた。
gn「煙嫌なら戻りな?」
sm「いや、大丈夫。俺、げんぴょんと話したくてここにいるんだから。」
すーっと音を立てて、煙を吐く。
gn「…そ。」
sm「俺さ、あいつが死ぬ2日前に2人で宅飲み?してたんだよ。」
gn「…ふーん…あいつ、どうだった?」
sm「んー、ぜーんぜん普通だったなぁ。」
頬杖をついて答える。
sm「結局、死因って本当に事故だったんかな。」
gn「さあなー。知りすぎたくないけど。」
sm「そうだね〜」
sm「あ、そういえばあいつのドラムってどうなんの?」
gn「あー、ドラムはあいつの実家送り。あれあいつの“魂”だから。大事に保管してもらわなきゃな〜」
昨晩のライブの時から気になっていたことを思い出した。
これからのこと。
sm「げんぴょんはベース続けんの?」
gn「…いやー、続けないんじゃないかな」
振り返って、部屋に置いてあるベースを見つめる。
横顔が綺麗だ。と思っていたら目が合った。
gn「ベース、お前にあげるよ。」
sm「え」
何で、が1番にきた。
俺はバンド関係者ではないし…
昨日仲良くなったばかりだし…
それに、彼があのベースを手放してしまうのが何よりショックだった。
gn「お前がいらないなら捨てる。」
sm「えぇ!?そんなぁ…」
流石に捨ててほしくはない。
けど俺がもらって良いものなのか?
俺ベース全く触ったことないんだけどなぁ
sm「…じゃあ貰う。捨てるは、ちょっとまずいわ。」
折れた。
いらないわけじゃないけど、そう言われたら引き取るしかない。
gn「よかった。これでやっと決別できるわ。」
“決別”
これでげんぴょんは前に進んでいけるのか。
gn「はぁ…」
タバコを咥えたまま静かに、切なげな表情を浮かべた彼の目から、一筋の光が伝った。
翌日の昼頃、俺ら2人は別れた。
背中にベースを背負って歩いていたけど、それが重いし、大きいし、ちょっと恥ずかしい。
部屋に入ってケースを開く。
げんぴょんは縺舌■縺、縺シのドラムを“魂”と呼んでいたな。
じゃあこれはきっと、げんぴょんの“魂”とも言えるもの。
可愛らしいうさぎと、“限界”と書かれたステッカー。
別れ際に、彼が慣れた手つきで書いてくれたサインが刻まれている。
ベーシストとしての彼は死んでしまったのだろうか。
ライブで見た彼の真似をして、一音だけ鳴らしてみた。
低い音が部屋と鼓膜を震わせる。
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テスト中なのにこんなことをしている不可思議です。
なんか人を死なせがちですねw
縺舌■縺、縺シを解読すると名前が出ますが、そんなことしなくても多分誰かわかると思います。
次は多分後書きを出した後にイラスト出します。
コープスパーティーパロか脱げばいいってもんじゃない!パロだと思われます。
前者はグロ、後者はエロです(温度差!!)
今回は約5700文字でした。
じゃあねー