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ばしお!
⚠️
・重たい表現あり
・naet要素あり
第二十話 暴食の罪と大好きな人
etさんを初めて見た時、なんて可愛らしい子なんだろうと、正直私は心を奪われたんです。
周りの子達からはetさんには関わらない方がいいと言われましたが、私にはそれが理解できませんでした。
だってetさんは…すごく寂しそうだったから。
na「あなたがetさんですか?」
et「…そうだけど何?」
na「私はnaです。私…etさんとお友達になりたいです!」
あの時、勇気を振り絞って声をかけて本当によかったと思います。
だって今、こうやって親友にまでなっているんですから。
etさんと出会ってから、私、本当に毎日が楽しくて楽しくて仕方なかったんです。
こんな日々がずっと続いていくって思ってたんです。
でも、
na「…なん、で……?」
約1ヶ月半前。
実家に帰った時のことでした。
実家の前にもう何年も見ていない顔が、正確にはもう二度と見ることのないと思っていた人の顔があったんです。
na父「…na?」
私のお父さん。
玄関前でお母さんと何やら話をしていた様子でした。
na父「…na久しぶりだな。元気だったか?」
この人は一体何を言っているんでしょうか?
今更父親面ですか?
あんなことをしておいて?
na父「父さん、あれから反省してな。お前たちに酷いことをしたって。だからまたやり直したいと思ってな」
na「…..,」
やり直す?一体何を?
na父「今母さんとな、再婚しないかって…」
na母「ふざけないでちょうだい!私もnaもそんなの求めてない!今すぐ帰ってちょうだい!」
na父「なっ!俺は反省したって言ってるだろう!?」
na母「そんなこと言って、どうせまたお金目当てなんでしょ!?」
na父「そ、そんなわけないだろ!第一それはあくまでお前の意見であってnaは俺とまた一緒に暮らしたいと思っているかもしれないだろ!?なあ、na!」
na「……」
…この人また一緒に暮らす?
……いや。いやだ。
そんなの絶対…!
na「…いやです」
na父「…は?」
na「いやです。私は…もうあなたを父親だなんて思ってません。帰ってください」
na父「な、何言って…?」
na「帰って!!」
101
#ご本人様には関係ありません
私は父を突き飛ばし、お母さんの腕を引いて家の中に入り、鍵をかけました。
家の玄関扉を父が何度も叩いていました。
しばらくすると諦めたのか、ノックは止まりました。
でも…
na「はあッ……はあッ……」
どうやら私の中であの時の“トラウマ”はずっと深い傷となって残っていたみたいで…。
もう忘れたと思っていたのに。
もう大丈夫だと思っていたのに。
あの人にまた会って…全部思い出してしまった。
あの時感じた恐怖、孤独感、そして耐え難い空腹。
何もかも嫌になって、寮に戻ってから私は部屋に閉じこもりました。
etさんに心配をかけてしまったのがすごく心苦しかったです。
…閉じこもってからしばらく経って、急にとてつもない空腹感に襲われたんです。
何か食べたい。
食べないと今にも死にそう、そんな気がするくらい強い空腹。
そんな空腹を紛らわすためにも一度気分転換に散歩でもしてみよう、そう思って私は外に出ました。
そしたら…どこからかいい匂いがしたんです。
ふらふらとそちらの方へ向かっていくと、そこは食堂でした。
気づいた頃には全部が遅くって…私は食堂にあった料理を全部食べてしまっていたんです。
それから私はダメだとわかっていたのに毎日それを繰り返しました。
そんなある日、
et「naさん!?何してんの!?」
na「et、さん…?」
1番知られたくなかった人に知られてしまった。
絶対に嫌われる、そう思ったのに…
et「…naさん、大丈夫。大丈夫だよ」
思わず泣き出してしまった私をetさんは優しく背中をさすってくれました。
それが嬉しいと同時に、自分が情けなくて…私はまた部屋に閉じこもりました。
etさんは毎日それでも私に声をかけてくれました。
etさんに謝りたい。
そう思ったけれど、中々できませんでした。
だから、今日こそはって。
etさんの好きなチョコケーキを買ってきて、それを一緒に食べながら仲直りしようって思ってたんです。
でも…私は自分の欲求を抑えきれなかった。
せっかくetさんにあげようと買ってきたチョコケーキを私は無意識のうちに食べようとしてしまっていました。
その時、
et「naさん、入るね」
ノックと共にetさんの声が聞こえてきて、
na「あ…」
私は我に返りました。
そして、どうしようもない後悔に襲われました。
一体私は何をしているんでしょう?
etさんと仲直りしたかったはずなのに。
なんでこうも自分の空腹に耐えられないんでしょう。
…違う。
私は空腹なんて感じてない。
空腹を感じたくないから空腹を感じる前に食べ物を食べているだけなんだ。
それに気づいて…私は…。
na「近づかないでくださいっ!!」
ガシャーン!!
…etさんに買ったチョコケーキを無駄にしてしまいました。
etさんはただ私を心配してくれていただけなのに…酷いことをしてしまいました。
ごめんなさい。
本当に…ごめんなさい。
・・・
tt「……」
今のがnaさんの本心…か。
tt「naさん…」
na「…っ、ううっ…」
naさんはポロポロと涙をこぼしていた。
俺もしばらく何も言えなかった。
何を言うのが正解かわからなかった。
それくらいnaさんの過去は重く、辛いものだった。
でも…
tt「naさん。naさんは今まで全部1人で溜め込んできたんやな」
na「…え?」
ここで何も言わないわけにはいかない。
俺の言葉が正しいかなんて正直わからない。
でも、絶対救うってetさんと約束したから。
tt「でも…無理に溜め込む必要なんてきっとない。辛かったら周りに相談するべきやったんや。1人で抱えて、自分の殻に閉じこもってしまったから…こうなってしまった」
na「…っ」
tt「naさんには居たはずやろ?頼れる存在が。頼るべき存在が」
na「…でもっ」
naさんは泣きながら訴える。
na「etさんに相談してっ…困らせたくなかったんです。心配…かけたくなかったんです…」
tt「…etさんはきっとnaさんが何の相談もせず1人で抱え込んでしまう方が心配やし困ると思うで?」
na「うっ…」
tt「なあ、naさん」
俺はnaさんに尋ねる。
tt「naさんにとってetさんってどういう存在?」
na「…etさんは」
naさんは少し恥ずかしそうに、でも柔らかい笑みを浮かべながら答えた。
na「優しくって可愛くって、私の大切な親友で、…大好きな人です」
tt「…そっか」
2人ともお互いを同じように思ってるんやな。
ならなおさら和解させないとやな!
tt「じゃあnaさん!」
na「はい?」
tt「etさんとこに行くで!!」
na「…えっ!?ちょっと待っ…!」
tt「レッツゴー!!」
na「えええ!?!?」
俺はnaさんの腕を引き部屋から出る。
部屋の外で待っていた4人は俺が変わらぬ様子で出てきたのに安堵した後、後ろにいるnaさんの存在に気づき驚きの表情を見せる。
et「…naさん?」
中でも1番動揺していたのはetさんだった。
na「…え、etさん……」
naさんは口籠る。
俺はそんなnaさんの背中をポンっと押す。
na「…!」
naさんは一瞬俺の方を見、強く頷いた。
na「…etさん」
naさんはetさんの方をまっすぐ見、そして、
na「ごめんなさい」
頭を下げた。
et「…え」
na「私、etさんにたくさん心配をかけました。迷惑をかけました。ほんとはetさんに心配も迷惑もかけたくなかったから全部1人で抱え込んでたのに…結果的には逆効果でした」
et「naさん…」
na「私が間違ってました。1人で抱え込まず、etさんに相談すべきでした。ごめんなさい」
naさんは再度頭を下げる。
するとetさんがnaさんをぎゅっと抱きしめた。
na「…!」
et「naさん、私の方こそごめん。もっと早く気づいてあげるべきだった。もっと話を聞いてあげようとするべきだった」
na「そんな…!etさんが謝ることなんて何一つないです!」
et「…んーん、謝らせて。2人ともよくないところがあった、これでいいじゃん!」
na「でも…」
et「も〜!いいの!2人とも謝ってこれでチャラにしよ!それから…」
etさんは優しく微笑む。
et「一緒にチョコケーキ、食べに行こ!」
na「…!」
naさんは今までで1番の笑顔を浮かべ、
na「はい!」
と頷いた。
tt「…邪魔しちゃ悪いし、俺らは帰るとするか」
俺の言葉に3人は頷く。
こうして俺たちは2人の側からそっと去るのだった。
・・・
???「…またttさんに解決されてしまいましたか。流石にこれはちょっとまずいですね…」
・・・
naetの寮からの帰り道。
tt「これで4人解決か〜」
ya「ね、残り半分をきったね」
tt「とりあえず明日mf先輩に報告やな」
そんなことを話している時だった。
???「あ、ねえ、君たち。ちょっといい?」
声をかけられ、振り返ると若草色の髪の背の高い青年がそこには立っていた。
jp「えっと…なんですか」
???「君たち桃天使学園の子だよね?ttって子知ってたりしない?」
tt「え…?あの、俺ttですけど…」
???「!君が…!」
青年は驚いた様子を見せる。
???「そうか、tt。君と少し話したいことがあるんだ。…5年前のあの事件のことでね」
続く
〜〜〜
名前:et
年齢:15歳
クラス:1−C
その他:桃天使学園の生徒。実は中学時代はヤンキーの元ヤン。好きな食べ物はチョコレート。本当はnaのことが…?
名前:na
年齢:15歳
クラス:1−C
その他:桃天使学園の生徒。暴食の罪を犯していたが、無事解決。お菓子が大好き。本当はetのことが…?