この作品はいかがでしたか?
0
この作品はいかがでしたか?
0
俺は雨は嫌いだ。
僕は雷が嫌いだ。
皆さん今年から高校一年生になりますね、
高校生での青春を楽しむのは良いですが、
部活動や勉強にもしっかりと励み…
「ハァ、校長の話長すぎるだろ…」
[それなー、てか、志雨ー今日この後どうする?]
「んー俺、occursusカフェの新作スイーツ食べに行きたい」
[やっぱりお前はスイーツ好きだよなぁー]
「んだよ、悪りぃかよ」
[べっつにー]
俺は、天野 志雨今日から高1、好きなもんは、お察しのとうり、スイーツ
で、俺の隣にいるのが西条 雷善こいつとは中学からの付き合いだ。
んで、今俺達は入学式を終えて、俺の大好きなカフェ、occursusカフェに行くところだ。
occursusカフェは俺たちが住んでいる麻町
にある、小さなカフェだ。でもそこのスイーツが好きすぎて、毎日のようにこうして雷善と一緒に(半ば強引に)スイーツを食べに行く。
[最悪、雨じゃん]
「そーだな」
[お前、確か雨嫌いだっただろ?]
「まぁな」
「でも雷も落ちてんじゃん、お前雷嫌いだろ?」
[まぁねーてかずっと気になってたけど、なんで雨嫌いなの?お前の名前にも雨ついてんじゃん]
「そっくりそのままお前に返すよその言葉」
[へ〜いや、質問に答えろ?]
「やだーめんどいー」
[はぁ?]
〜お待たせしました、乙女の雨粒でございます。ごゆっくりお楽しみください。〜
「きたぁ!この新作すっげぇ食べてみたかったんだよ!」
[はいはい]
そう、俺はこのoccursusカフェの新作スイーツ
乙女の雨粒が食べたかったんだ!
乙女の雨粒は、
ケーキスポンジの上に沢山の白いイチゴと
ホイップクリームを挟んで、涙の形のように丸めて、雨空のような綺麗な色でコーティングしてあるロールケーキだ。
[お前,雨嫌いだって話した後に雨がつく
スイーツ食べるかよ、普通]
「いいの、スイーツはスイーツだから!」
[はいはい]
〜カランコロン〜
〜いらっしゃいませ。何名様ですか?〜
【2人だよ!おねーさん】
『おい、ナンパしようとすんな、すみません。2人です』
〜いえ、大丈夫です。それではお席にご案内します。〜
【チラッえ?あいつ…雷善?】
『ん?どうした優?』
[優…?]
【なんでもなーい】
[嘘だろ、優?いや、んな訳ないか]
「雷善、今食べてるから喋んな」
[あ、はい、スミマセン]
【ねぇねぇ雨彩ー】
「は?!」
『?チラッ…!』
[うわぁ!いきなり大声出すなよ志雨ー]
「ご、ごめん」
『…(志雨…?もしかして…)』
「…(雨彩?あいつな訳、ないよ、な?)」
[?おーい志雨ー]
「ハッ!ご、ごめん、食べ終わったから、
早く行こ」
[?お、おう]
【どーしたんだろーね、あの子】
『さぁな』
【ねぇ、雨彩、あの子の知り合い?】
『?!な、なんで?』
【いや、雨彩があの子のことずっと見てたから、てか志雨ってまさか…】
『分からない、あいつかも知れないけど』
『とりあえず注文するぞ、優、』
【はいよー】
「この時はまだ知らなかった、あいつが、あいつが本当に俺に……だって」
『俺はまだしっかりは分かってなかった、…が過去に、……奴だったなんて』
[俺はまだ知らんかった、あの出会いが、
二度目の幕を上げてしまうことを…]
【俺っちはまだちゃんと理解してなかったのかもしれない、あの別れが、新たな出会いを作ってしまった事を…】
その日、天野志雨は夢を見た。
10年ほど前の思い出の夢を。
雨の中、自分の手を握り、家まで一緒に歩いている少年の姿を…
「バサッ ハァハァ思い出したくないもん見ちまった…
だから俺は、雨が嫌いだ。」
その晩、西条雷善も夢を見た。
10年ほど前の記憶の夢を。
雷の色だけで光る部屋の中、自分の事を
精一杯抱きしめている少年の姿を…
[バッ はぁ、見たくないもの見ちゃった。
だから俺は、いや、僕は、雷が嫌いだ。]
コメント
4件
物語はちゃんとやると、