この世には、男女の性別とは別に、「第2の性」と呼ばれるものがある。
α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)。
この世の半数をβが占めている中、αやΩは貴重な存在として扱われている。
α。数が少なく、生まれつきエリート体質な者が多い。その為、知能も高く社会的地位や職業的地位が高い者が多いとされている。
β。1番数が多く、一般的なバース性。発情期は存在せず、Ωのフェロモンに誘惑されることもない。結婚はβ同士の男女でするものが当たり前とされている。
Ω。αよりも数が少なく、とても希少な存在。発情期が存在し、αを誘惑する為のフェロモンを発する。だがその発情期のせいで冷遇されることがほとんど。身体のつくりが特殊で、男性も妊娠が可能。
…そんな世の中の話だ。
第3部隊副隊長の保科宗四郎。隊長クラスは、そのほとんどがαだと言われている。もちろん保科も例外ではなく、れっきとしたαだ。ただ、α性の血が薄いのか、特別な素質やΩのフェロモンを感じ取る能力は周りと比べて低かった。
発情したΩと遭遇したことが今まで何度かあったが、フェロモンに当てられるということはなく、理性が切れるどころか欲情すらしなかった。
親族からは「出来損ないのα」などと言われているが、おかげでΩを寝室に送り込まれることはないし、見合い話が来ることもない。
一人暮らしを始め、敬愛する亜白のもとで補佐として働けて充実した毎日を過ごしている。
そんな保科が、あの日本最強の男─鳴海弦の秘密を知ったのは、つい最近のことだった。
「え、こっちの書類有明のやつや…!」
手元の資料の中にあった2枚の書類に目をやり、絶句する保科。
「え、珍しいですね、保科副隊長がそんなミスするの」
近くに居た部下に驚かれるが、こればかりはしょうがない。
「この前の会議ん時に鳴海隊長とぶつかって、お互いに資料落としてしもて…多分その時に入れ替わったんやろな」
肩がぶつかった時の甘い匂いを思い出しながら、なぜあの時確認しておかなかったのかと自分の行動を悔いた。
「提出期限大丈夫ですか?」
「…明日や」
「え、やばくないですかそれ」
「今から行かな間に合わへん」
時計を見ながら呟く保科に、
「あ、じゃあ俺が亜白隊長に連絡しておきますよ」
と気の利く提案をした信頼できる部下。
「お、ほんまか?おおきに」
「いえ!ではお気を付けて」
「ん、ほな」
早歩きでその場を後にする保科であった。
コメント
9件
オメガバぁわへぁまぁ 最高!!!楽しみィ⤴️!!
オメガバ大好きです。しかも推しカプだぁ、続き楽しみです。 がんばってください❗
うへへオメガバだぁ☆保鳴のオメガバあんま見ぃへんからなぁ嬉しいなぁ( ^^ω)ニッチャァァァ()さて、腐友に教えますか、、、