その後は本当に何もなかった。
日付が変わりそうな時間帯だったことやいまから帰すのもなんか…
というローレンの言葉により泊まらせていただくことになったけど本当に、!
ほんっっとうに何もなかった。
この人は本気でわたしが20歳になるまで手を一切出す気がないらしい。
叶くんと知り合いだったんだねーとか
バンドメンバーもう一人いるから今度会わせたいとかそういう話をだらだらとした。
あとは叶くんとふわっちに申し訳ないしまた4人で集まろっか、とか。
絶対質問攻めされるからそん時はちゃんと説明しようね、とか。
『そういえばさー』
「なに?」
前泊まった時みたいに2人でベッドに入って寝ようとした時にふと思い出す。
『首のさ』
「その話すんのマ!?!?」
『ねえ!!人の耳元でさけばないで!』
「ごめんて」
テーブルの上に置いてあった水の入ったペットボトルを取り手渡す。
ゴクゴクと水を飲みふぅーと一息。
「……で?」
『もー……。首のやつ、いつつけたの』
今回たまたま叶くんのお陰で気づけたけど
気づけなかったらと思うとゾッとする。
わかんない、もっと前に付けられてて
学校の人達に気づかれてたかもしれないけど。
こういうのって聞くもんじゃないのかもしれないけど
どれだけ記憶を辿ってもここなのでは…?
というポイントが一切なくてどうしても気になってしまった。
「ん〜〜気になる?そこ」
『ちょー気になる、教えてくれるまで寝れないかも』
「それは困る」
背中を向けていた身体を回転させ
ローレンの方を向き目をじっと見る。と、
とてつもない勢いで目を逸らされた。
少しむっとなり意地でも目を合わそうとするけど
顔が手で覆われていて一向に合わない。
『なんで目合わせてくんないの』
「や、ちょい待て」
も〜……。
申し訳ないけどこういう時のローレンは非常にめんどくさい。
前もこういうことがあってじゃあもういいよ
ってわたしが折れて終わった気がする。
『なあに、今更照れてるの?』
冗談でそう言うと
「うぐぐ……」と漫画でしか聞こえないような悔しそうな唸り声が聞こえた。
……照れてんだ。
跡つけたこともただ目を合わせることも恥ずかしいんだ、この人。
コメント
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ローレンの可愛いすぎる一面ッッ!好き♡!愛してる! 今日もありがとうございます!