TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

夕暮れの街に、鋭い爪が迫る。愛梨は反射的にステッキを盾のように前に突き出した。


ギリッ──!


ゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!!


爆発するような眩しいピンクの光が、四方八方へ弾け飛ぶ。

衝撃に押され、愛梨の体が震える。


「っヴ……く……!」

膝が笑いそうになる。それでも――負けられない。


高層ビルの屋上から見下ろすアオメの瞳が、僅かに細められた。

(……ほう。まだ折れませんか)


息を荒げながら、愛梨は歯を食いしばる。

「……はぁ……っ、こんな……っ、こんな……っ!」


胸元のブローチがギラリと輝く。

「絶望なんかに、負けない!!」


制服のポケットから、ひとつの鍵が取り出された。

それは以前の戦いで手に入れた、ダイアのキー。

瞬間、キーがピンクとブルーの光を放つ。


──マジカル・ダイア・アイス!


足元から氷が広がり、モングーの動きが止まる。

凍てつく音が、街に響いた。


再びブローチが濃いピンクの光を放つ。

マイクステッキの先端が宝石のように瞬き、

光の粒が宙を舞い上がる。


愛梨はブローチを軽くトンッと叩いた。

タンバリンの音が弾け、ピンクのスポットライトが降り注ぐ。


一瞬で周囲はキラキラとしたステージへと変わった。

マジカル・ライブ・ショー、開幕。


彼女は笑顔で、声を響かせた。

「止まらないこの気持ち

赤道直下のときめき

私はハートの石

ほら君のところへ飛んでく

完全無欠の惑星

この気持ちだけは外せない外さない届けたい

私のときめき☆メテオストライク♪」

「──マジカル・アイリーン・ミラージュ!」


ステッキ先端のキーが、敵の胸の鍵穴にジャストイン。

眩い光と共に、モングーは昇華するように消え去った。


……残されたのは、宙をクルクルと舞い降りるひとつの鍵。 青色のルビーがきらめいている。

画像

今回のキーはこんな感じ⤴︎︎︎


愛梨はそれを両手でそっと受け取った。

「……これ……私に?」


遠く、高層ビルの影。

黒いローブの少女、アオメが静かにその様子を見つめていた。


「……今日も、ダメでしたか。」


指先が震えている。

それは寒さではない。

冷静さの奥で、何かが確かに揺れていた。

鍵の魔法少女アイリーン

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2,350

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚