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【地下組織ブラクロの拠点──いつもの作戦ルーム】 重苦しい空気が漂う中、重い扉が軋みながら開いた。
「……戻ったか、アオメ」
机に片肘をつけていたリンが、鋭い視線を上げる。
「はい。……今回も、浄化されました」
黒いローブの裾を揺らしながら、アオメは静かに答えた。
「……またか」
短く吐き捨てるリンの声に、部屋の端で腕を組んでいた里香が小さく目を細める。
(やっぱり、あの子……ただ者じゃないですね)
「……ところで、ミミカは?」
リンの問いに、どこからともなく陽気な声が響いた。
「はぁ〜い、ここにいますよぉぉぉ〜〜〜〜!!!」
視線を向ければ、ソファでひっくり返りながらグミを頬張る黄色のジャケット姿。
「またグミ……あの人、本当に23歳ですか?」
里香が呆れたように言うと、アオメが低く呟く。
「……精神年齢は未確認です」
「ンン゛!? ちょっ! 今なんか失礼なこと言いましたかァ!?」
ミミカはピシッと体を起こし、グミの袋を握ったまま抗議する。
──そのまま場面は、同じ部屋の奥にある作戦会議室へと移る。
照明はわずかに落とされ、ゴシック調の壁が陰を深くする。テーブルに並ぶ資料はすべて黒いファイルだ。
「……これ以上、マジカルキーが集まるのはマズい」
リンが重々しく告げる。
「現在、彼女は二本所持。特異な連動現象を確認しました」
アオメが冷静に報告すると、里香が肩をすくめた。
「またステージ出して踊ってましたね、あの魔法少女」
「う〜〜〜っ、カワイすぎるぅぅううう〜〜〜〜♡♡♡」
机の下でミミカが転げ回っている。
「……このままでは、“門”が開かれる」
リンの言葉に空気が張り詰める。
「そこで、今回の作戦案を」
アオメが指を鳴らすと、黒板に魔法陣と詳細な図解が浮かび上がった──。