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stpl 紫緑 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
仕事終わりの駅前は、相変わらず人が多い。
スーツの袖を引きながら、ゆさんは少しだけ足早になる。
「お疲れさま」
背後から、余裕たっぷりの声。
振り向くと、年上の恋人――こったんがいつもの柔らかい笑顔で立っていた。
「……お疲れ、さま」
社会人になって何年も経つのに、こったんの前だと未だに照れてしまう。
その様子が面白いのか、こったんはくすっと笑って、何も言わずにゆさんの肩を抱いた。
「今日は大変そうだったな」
「見てたの」
「なんとなく顔でわかる」
そう言って、頭をぽんぽんと撫でてくる。
子ども扱いされてるみたいで悔しいのに、嫌じゃないのが困る。
人通りの少ない道に入ると、こったんは立ち止まってゆさんの方を向いた。
「寂しかった?」
核心を突かれて、言葉に詰まる。
「……ちょっとだけ」
正直に答えた瞬間、こったんの腕が伸びてきて、ぎゅっと抱きしめられた。
スーツ越しでも伝わる体温が、胸の奥まで染みてくる。
「ちゃんと言ってくれてえらい」
耳元で囁かれて、顔が熱くなる。
そのまま、額に軽いキス。次に、頬。最後に、唇にそっと触れるだけのキス。
「……多い」
「嫌?」
首を振ると、こったんは満足そうに笑った。
「可愛いな」
その一言で、全部どうでもよくなる。
年上で、余裕があって、甘くて。
ゆさんの弱いところを全部知ってて、包み込むみたいに触れてくる。
また肩を抱かれて、並んで歩き出す。
「今日は俺の家、泊まってく?」
さりげない問いかけに、胸がきゅっとなる。
「……うん」
照れたまま答える俺に、彼はまた優しくキスを落とした。
大人同士なのに、こんなふうに甘くなれる相手がいること。
それだけで、明日も頑張れる気がした。
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