テラーノベル
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#アルイヴァ
ベラルーシが主人公
⚠️アルイヴァ要素あり
苦手な人Uターン
「僕、アメリカ君とお付き合いすることになったんだ。」
どうしてなのですか、兄さん。
どうして、どうして。
心の中で呟く。
黒い感情が渦巻いて気持ち悪かった。
「兄さん、それは、なんの冗談…ですか?」
「ごめんね、ベラルーシ。アメリカ君のことなんて、嫌いなはずなのに…僕は…僕は、彼を想ってしまった。」
心底悔しそうに、でも笑いながら、兄さんは答えた。
ずるい、
ずるい。
ずるい‼︎
たまらずその場から逃げ出す。
後ろから呼ぶ声が聞こえた気がしたけれど、気のせいだと思うことにした。
「はあ…はあ…はあ…」
肩で息をする。肺に酸素を入れようとすればするほど、苦しくなっていく気がした。
苦しい。苦しい。どうしてなのですか。
私の方が先に愛していたのに。
アメリカのことなんか、あんなに嫌っていたではないですか。
「っう、えぐ…っうぅ…」
自室にうめき声が響いていく。
部屋を伝って兄さんに聞こえないよう、必死に声を殺した。
・・・・・・・
「あれ、アメリカ君いたんだぁ、よく見えなかったよ。」
「HAHAHA!俺みたいな大国が見えないだなんて、君は随分目が悪いんだね‼︎」
今日も今日とて、兄さんはアメリカと嫌味を言い合う。
兄さんと少しでも話をしていたくて、アメリカとの間に割り込んだ。
「兄さん…結婚しましょう…」
「ひゃっっ、べ、ベラルーシ…」
苦笑いをする兄さん。
少しわざとらしかったかしら。でも仕方がないわ、兄さんがアメリカと話しているんだもの。
チラ、とアメリカを盗み見る。嫉妬、憎悪、そういった類の感情が、私に向けられる。
あぁ。あなたも〈そう〉なのね。
にこ、と笑いかける。
好意的な意味は含めなかった。
大丈夫、きっと大丈夫よ。
兄さんはアメリカのことが嫌いだわ。アイツが入る隙なんてない。
そう思いつつも、歩く足を速める。焦りがないわけではなかった。
「…でも、どちらにせよアイツと兄さんが結婚する道はない。」
アメリカとロシアが合併することに、お互いに利点はないのだ。お付き合いという道がまだあるけれど、それはこちらで阻止できればいい。
「第一、兄さんがアイツと付き合うわけがないわ。」
冷静に考えて、少しホッとする。
大丈夫、きっと大丈夫よ。
もう一度、反芻するように心の中で唱えた。
「おい、アメリカ。」
「…………………やあ!ベラルーシじゃないか!」
アメリカが声を出すまで10秒ほど間が開く。とってつけたような笑顔を向けられた。こんな時にでも敵に笑顔を向けられる余裕があることに、正直腹が立つ。
「お前、兄さんのことを」
「おっと。」
ぐ、と壁に追い込まれ、口を手で塞がれる。
革の手袋の感触がした。
「口に出さない方がいいんじゃないかい?」
「…っ‼︎」
なんてことだ。油断した。
自分に隙があったことを悔やむ。
ゆっくりと、口枷が外される。気分が悪かった。
「…お前は、隠し通すのか。」
「いや、いずれは言うさ。というかバレるだろうね。」
「かわいそうなやつめ‼︎」
想定外だ!なんなんだこいつは!
自分の中に生まれた感情が気持ち悪くて仕方がない‼︎
「兄さんはお前のことが嫌いだ‼︎お前の想いが報われることはないぞ‼︎」
「What?なにを言っているんだい?」
アメリカがぐっ、と身を屈めた。鼻先が触れそうなほど、近くなる。
アメリカは、笑っていた。不気味な笑顔でこちらを覗いてきたのだ。
「俺は俺が最大限引き立つような行動をとるさ!…少なくとも、君には勝つ気でいるよ。」
「…」
こわかった。アイツの目が、怖かったのだ。
有無を言わせない真っ黒な瞳で、私を見てきた。
あれはもう宣戦布告ではない。君の出番はないぞ、と言われたも同然だ。
「…っくそ…くそ‼︎‼︎」
なにが…なにが君には勝つ気でいる、だ‼︎‼︎
私は相手にもならないというのか‼︎
兄さんに嫌われているくせに‼︎なにをほざいているのだ‼︎
「悔しい…」
気づいたら、涙が頬を伝っていた。
しゃくりあげることもなく、静かに泣いて、廊下を歩いた。
・・・・・・・
「…そうか、アイツはあの時、もう勝っていたのか…」
すでに兄さんの心は、アメリカに傾いていたのだ。
「…ヒーローなどと言っておきながら、性格が悪いな…」
むくり、と起き上がる。
シーツの涙の跡が、もう乾き始めていた。
「あっ、ベラルーシ。」
ひとしきり泣いて、兄さんの元へ戻る。目元はまだ赤いままだった。
「…兄さん。おめでとう。」
「えっ、」
祝福されるなんて想定外だったのだろう。兄さんは間抜けな声をあげた。
「アメリカのやつに、伝えておいてほしいのです。」
一拍あけて、しっかり伝わるように。
ニッコリとわらった。
「お前は大馬鹿者だ、って。」
「あ、そうだアメリカ君、ベラルーシが君は大馬鹿者だって。君ベラルーシになにしたの?」
なんでもないようにアメリカに伝える。
さあて、怒るか、笑い飛ばすか。うふふ、と笑いながら反応を待つ。
「…?…!!」
アメリカ君は、あっけに取られていた。
「そうか…君は…まだ諦めてないんだね…」
「…?どうしたの?なんて言ったの?」
アメリカ君は何も言わない。
その代わりに、にか、と笑ってみせた。
「宣戦布告を受けたのさ!!」
〜FIN〜
コメント
1件
うわぁ…めぐるさん、新作めっちゃエモかったです!!😭💕 ベラルーシの視点で描かれる嫉妬と執着と苦しみ、めちゃくちゃ刺さりました…「ずるい」って叫ぶシーン、こっちまで息苦しくなったよ…! ラストの「お前は大馬鹿者だ」からの宣戦布告、ベラルーシ強すぎて震えた👏✨ アルイヴァ要素ありって聞いてドキドキしたけど、めぐるさんの描く感情が重くて美しくて…続きめっちゃ気になる!!次話も楽しみにしてます🌸