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龍羽
🐉「羽京!」
振り返ると、そこにはあの男一一七海龍水が立っていた。
相変わらず堂々とした態度で、羽京を真っ直ぐに見つめてくる。
🏹「….?」
🐉「俺のことは知っているか?」
唐突な問いかけに、少しだけ戸惑いながら答える。
🏹「七海、龍水……」
🐉「はっはー!世界一欲望に忠実な 男、七海龍水だ!」
龍水は自信満々に胸を張り、ポーズを決めた。
羽京は困ったように微笑みながら、そっとその場を離れようとする。
🏹「うん……僕、もう行くね。」
そう言って背を向けた瞬間、龍水の手が羽京の手首を強く掴んだ。
🏹「――っ!? へ……あっ。」
🐉「欲しいのだ!」
🏹「あ、え?欲しい?それなら千空やフランソワに…」
羽京が慌てて言い返そうとすると、龍水は一歩踏み出し、両手で羽京の顔を包み込んだ。
🐉「違う!俺が欲しいのは貴様だ、羽京!」
ぐいっと顔を引き寄せられ、羽京は動揺で体をこわばらせる。
🏹「へ、っ……」
「俺は“欲しい”に忠実な男だ!貴様がどれほど拒もうと、貴様を手に入れる。」
そう叫ぶと、龍水はくるりと背を向け、その場から颯爽と立ち去っていった。
🏹(……なんだったの?)
呆然とその場にぺたんと座り込む羽京のもとへ どこからか軽やかな足音が近づいてきた。
🃏「あらら、羽京ちゃん。大丈夫〜?ヒィッ」
にこやかに声をかけてきたのは、メンタリストのあさぎ色の男――あさぎりゲンだった。
だが、羽京の表情と雰囲気を察すると、ゲンはそっと視線を逸らし、スッ……とその場を後にした。
🏹「ゲ、ゲン!? ちょっと!?」
🃏(ごめんねぇ羽京ちゃん。龍水ちゃんも欲しいものには手段を選ばないよね〜…)
🏹「はあ……どうしたものか」
土のついた服を払って、羽京は静かに立ち上がった。
その日の夜。
羽京が自分の部屋のドアの前で立ち尽くしていると、誰かがドアをノックしてきた。
そこに立っていた人物を見て、思わず目を丸くした。
続く