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・knkz
・kn⇒⇒⇒♡(⇐♡?)kz
kn→「」 kz→『』
配信終わり。
いつもどおりの雑談を終えて、マイクを切ると、
叶が何気ない声で言った。
「今日もお疲れ。葛葉、ちょっと声、枯れてた?」
『んー、ちょっとだけな。大丈夫だけど』
「……あとで蜂蜜ティー淹れてあげるね」
そう言って、叶は自分の部屋から葛葉の部屋にやってきた。
同棲じゃないけど、なぜか鍵はお互いに渡してる。
いつもどおり。なのに――
葛葉の胸が、少しだけざわつく。
『……なんでそんな、甘えさせんの』
思わず出た言葉に、叶が首をかしげた。
「え? 甘えさせてるっていうか……僕が甘やかしたいだけ、かな」
『……は?』
「葛葉が頑張ってるの、全部見てるからさ。僕」
目をそらせなかった。
叶の声が優しくて、距離が近くて。
葛葉の中で、ずっと“当然”だった関係性がぐらついた。
『……ずるいよ、お前』
「何が?」
『……そうやって、何でもない顔で、優しいの』
叶がくすっと笑った。
「じゃあ、“何でもある顔”してみようか?」
そう言って、少しだけ顔を近づけてくる。
冗談だって分かってるのに、葛葉の心臓は暴れだす。
『……っ、ふざけんな、近い』
「顔赤い。可愛い」
『……ッ、お前、ほんとに……』
それから葛葉は、叶の言動ひとつひとつに
過剰にドキドキするようになった。
髪を直されると意識する。
背中をさすられると身体が熱くなる。
視線が合うだけで、逸らしてしまう。
でも、叶は気づいてるのか、気づいてないのか、
ずっと変わらない笑顔で言う。
「僕、葛葉のそういうとこ、ずっと好きだけど?」
その言葉に、また心臓が跳ねる。
(“ずっと”って、いつからだよ……)
——そしてその夜、葛葉は自分でも信じられないほど、叶のことを考えてしまい眠れなかった。