コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
~⚡said~
今日は、🦖とどうやって付き合ったのか、説明していこうと思う。
~高校生~
今俺は、ホテルにいる。
もちろん一人じゃない。一緒に居るんは知らんおじ。裏垢男子ってやつ。対象は女性やないけど。まぁ、P活に近いかな。
「お待たせ。早速始めようか。」
別にお金の為にやってるわけやない。布団の上では、意外と化けの皮が剥がれる。どんなに偉い人でも、一人の人間として心を開く。それが一番面白い。ただそれだけ。
「⚡君は、お金の為に体売ってるの?」
一通り終わって、帰ろうと準備をしていた時、そう問いかけられた。
そんなこと聞いて、何になるというんだ。そう思ったけど、本音を話す義理は無い。
「まぁ、そんなところです。」
愛想笑いをして、そう答えた。
自分から質問してきたくせに、あまり興味が無さそうな反応だった。
「俺はこれで。」
金額を確かめて、乱雑に鞄にしまい颯爽と部屋を出た。
ホテルを出ると、辺りは少し暗くなっていた。
今日の晩御飯は何にしようか。考えながら歩いていると、ふと声をかけられた。
「⚡…?」
振り返ると、俺が嫌いな人気者が立っていた。
「今、ホテルから出てきた?よね。」
殆ど確信したかのような口調で話し始める彼に、苦い顔をしながら歩き始める。
「こんな所で何してたの?危ないよ!」
余計な心配をしているのか、説教をしているのかよく分からないが、とにかくうるさい。しかもなぜか着いてくる。
「着いてこんで。それにうるさい。俺、お前の事好きやないからどっか行って。この事は誰にも言うなよ!」
そんなに仲良くもないし、お互いに相手とは顔見知りだというくらいのはずなのに、俺が放ったその一言になぜか、彼はすごく傷ついたような顔をしていた。
別に傷つけるつもりは無かったので、少し気まずくなって、走って家まで帰った。
~次の日 🦖said~
いつも通りの時間に教室に着くと、昨日黙っていろ。と言っていた彼を見つけた。影が薄い子だとは思っていたが、まさか裏垢男子だったとは思いもしなかった。
「おはよう⚡!」
教室に入って真っ先に挨拶しに行くと、彼は俺を見て昨日と同じように苦い顔をした。
「あの事は誰にも言わないから大丈夫だよ。」
彼の耳元で囁いたら、顔を真っ赤にしながら睨まれた。
「そんな怖い顔しないでよ。秘密はちゃんと守るから!」
笑顔でそう返して席に着いた。結構な殺気を感じたけど、きっと気のせいだろう。
放課後、誰もいなくなった教室で⚡に呼び出された。
「どうしたの?もしかして、俺の事好きになってくれた?」
冗談交じりに問いかけると、案の定怒られた。
「お昼の時間のあれはなんや!ふざけんな!俺は静かに学校生活送りたいだけやのに…。」
そう言いながらうる目で睨む彼が、すごく可愛く見えた。
ずっと仲良くなりたかったけど、嫌われていることは分かっていたし、タイミングが掴めずに過ごしていた矢先の出来事だった。弱みを理由にしてはいけないのは分かっていたけど、二度と無い様なチャンスに、舞い上がってしまっていたのかもしれない。
「俺が今からする質問に正直に答えてほしい。」
「…分かった。」
「いつから裏垢やってたの?」
「高校入ってすぐ位から。バイト感覚で。」
「なんでそれ始めたの?」
「最初はお金のためだったけど、最近は本音が聞けるのが面白くて。」
他にも聞きたかったことなんて山ほどあるのに、その一言に驚いて言葉が出なかった。
自分を大事にしていない⚡に、怒りが込み上げてきた。
気が付いたら、⚡を押し倒していた。
「な…に…?」
「⚡は何もわかってない。本当に危ないって事。俺の力にも、勝てると思ってるんでしょ?振りほどいてみてよ。」
~⚡said~
いきなり押し倒されたと思ったら、思ったよりも強い力で押さえつけられた。抵抗すればするほど力が強くなっている気がして、このまま嫌いな奴に食われるのかとすら錯覚するほどだった。最初は暴れれば振りほどける、言葉で言えば離してくれる。そう思っていたけど、何も言わずにただひたすらに押さえつけられているこの状況に、だんだんと恐怖を覚え、視界がぼやけてきた。
「はな…せぇ…!」
時計で言うなら、10分程度だろう。でも、体感ではもっと長い時間だったように感じる。彼の手が緩まり、ようやく解放された。
「まだ裏垢やりたい?」
乱れた髪を整えていたら、問いかけられた。
「どういう意味?」
「俺の力に勝てなかったでしょ。俺より強い人なんか山ほどいる。今みたいな状況が起きるかもしれないってこと。それでも続ける?」
その問いかけに、何も答えることができなかった。
「俺の事嫌いでいいからさ、俺のものになってよ。」
「嫌だって言ったら?」
「学校に秘密バラす…かも。」
「…分かった。」
殆ど脅しと捉えられるような告白に、秘密をバラされたくない一心で付き合うことになった。
最初はただ面白がっているだけだろう。なんて思っていたが、思いのほか俺の事を大事にしてくれるから、いつの間にか彼のそばにいるのが当たり前だと思うようになった。
俺が心を開いてしばらくの事。
「⚡、約束してほしい事がある。」
「何?」
「今後、裏垢は絶対にやらないし、俺意外とシないって約束して。」
最初は意味が分からなかった約束だけど、今ならわかる。
『⚡はもう、俺のものだ。』
って言われてるって。
~現在 🦖said~
「⚡~。大好き!」
最初は少し強引な交際の仕方かなって思ったけど、⚡が俺に甘えてきてくれるところを見ると、あの時勇気出して良かったって思う。
もう俺無しじゃ生きていけないくらい、ドロドロに溶かしてしまおうかなって考えてるところ。
⚡を好きなのは、一生俺だけでいいよね!