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葵
「もう耐えられん、」
「何言ってるん、まろちゃん」
「なんか急に怖いんですけどー」
ボコッ
「いったぁ!」
「はい、ストップストップ」
「で、何が耐えらんないんや?
もしかして別れたい、、、とか?」
「え、そうなの?」
「別れるとかそういう次元ちゃう」
「…可愛すぎて抱きたい時がある」
「は?…」
「帰るか、いむくん」
「うん、聞いたのが無駄だった」
「ただいまー」
「ないちゃん買い物行ってたの?」
「うん、あついからアイス買ってきちゃった。2人も食べる?」
そう言って袋を持ち上げる。
水と白は顔を見合わせた。
「…食べる!」
二人とも即答。
桃は嬉しそうに笑いながらキッチンへ向かう。
その後ろ姿を見た瞬間。
「……ほら」
「ほら、やないねん」
「今の見たか?」
「見たって?」
「アイス買ってきちゃった、やって」
「しかもお前らの分まで」
青は深いため息をついた。
「優しすぎるやろ……」
「それだけで?」
「それだけちゃう」
青は真剣だった。
「朝起きたらおはよう言うてくれるし」
「普通やろ」
「俺が疲れてたらコーヒー入れてくれるし」
「普通やろ」
「寒い日にはブランケットかけてくれるし」
「普通……か?」
少し怪しくなってきた。
「この前なんか」
青は遠くを見る。
「俺が寝落ちしてたら、起こさんように音立てんようにしてた」
「……」
「……」
白と水が黙る。
「な?」
「いや知らん知らん」
「惚気やん」
「何の話してるの?」
桃がアイスを持って戻ってきた。
四人の前に順番に置いていく。
「はい、まろはチョコ」
「おお」
「初兎ちゃんはいちご」
「覚えてくれてたん!?」
「ほとけっちは抹茶」
「やったー!」
そして自分の分を持って隣に座る。
白と水は再び顔を見合わせた。
(できる嫁だ、、)
無言で意見が一致する。
桃はそんな空気に気づかず首を傾げた。
「……?」
「なんか変?」
「変やない」
青が即答する。
「全然変やない」
むしろ問題なのは自分の方だった。
桃はアイスを一口食べる。
「冷たっ」
その反応に思わず青の口元が緩む。
白はそれを見逃さなかった。
「……まろちゃん」
「なんや」
「顔」
「ん?」
「めちゃくちゃ緩んどるで」
「……」
青は無言でアイスを口に運ぶ。
水が小声で呟いた。
「重症だ、」
「末期やな」
「聞こえてんねん」
そんな三人のやり取りを見ながら、桃は不思議そうに首を傾げるだけだった。
そしてその数分後。
桃はふと青の肩にもたれかかる。
「……ちょっと眠いかも」
「……っ」
青が固まる。
白が吹き出す。
水が机を叩いて笑う。
「まろちゃん終了のお知らせ」
「耐えられへん言うてた意味分かったわ」
「好きだぁぁぁ」
これは抱くのにも時間はかからなさそうだ
コメント
1件
いやもう、このエピソード、完全に「惚気」の教科書ですね(笑)。青さんの「可愛すぎて抱きたい」からの周りのツッコミ、そして桃さんの無自覚な破壊力…最後の「好きだぁぁぁ」は声出して笑いました。何気ない日常の一瞬一瞬に愛情が詰まってて、読んでるこっちまでほっこりしちゃいます。重症どころか不治の病ですね、これは。また更新待ってます!