テラーノベル
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痛い。息を吸うたびにお腹の奥が軋み、まるで鋭い針で内臓を縫い付けられているかのように感じる。その痛みは一瞬で消えるものでなく、
じんわりと絡みつくような帯となって私を 捕らえて逃がしてはくれない。
単なる痛みではない。体の中を這い回り、
締め付け、突き刺し、飲み込んでくる感覚だ。
横になれば少しは楽になるかもしれないと
願ってベッドに身を沈めるが、
体重が布団に預けられるたびに逆に痛みが 鮮明になる。布団の柔らかささえ、今は鋭い針のように感じる。
呼吸を整えようとするが、空気は肺の奥まで
届く前に、胃のあたりでぎゅっと圧迫され、細く途切れてしまう。
そのたびに胸の奥でかすかな喘ぎが漏れ、涙がにじむ。
波のような痛みが規則もなく押し寄せる。
次の波がいつ来るのか分からない
波が来れば勝手に体が跳ね、肩をすくめ、枕を握る手には自然と力がこもる。
指先が白くなるほど握りしめても 救いは訪れない。それどころか、次の波は前よりも重く、深く、鋭く私を貫いてくる。
お腹の奥がじわりと熱を帯び、冷たい汗が額からこめかみ、首筋をつたって背中へと流れ落ちる。
体は自分のものではないようで、 ただ痛みに支配されているだけだった。
痛みをやわらげるため、薬も飲んだ。
湯たんぽも抱きしめ助けを求めるように体を丸める。
しかし痛みは、まるで意地の悪い訪問者のようにそこに居座って、離れようとしない。
耳を澄ませば、時計の針の音がやけに大きく部屋に響き、ぼんやり光る数字は3:21を示していた。
時間は確かに進んでいるはずなのに痛みの中に閉じ込められた私にとっては夜が永遠に続くように感じられた。
また波が来る。
お腹の奥で何かがぎゅっと捻じ切られるような感覚に、息が詰まり、無意識に体をさらに小さく丸める。
胸の奥からかすかなうめき声が漏れる。
波はやがて去るが、次の波はさらに鋭く、
重く、深い。
その予感だけが先に私を覆い尽くす。
時計が3:22を示したころ、痛みの間にかすかな眠気がようやく訪れた。痛みはまだそこにある。
それでも意識はゆっくりと薄れ、まぶたが重く落ちていく。最後に胸の奥に浮かんだのは、
たったひとつの願いだった。
「早く終わるといいな、、、」
その祈りを抱いたまま、私は痛みの波間に
漂うようにして、ようやく浅い眠りに落ちていった。
コメント
1件
うわ、すごい……この1話、読んでて思わず息を止めちゃいました。痛みがまるで意思を持った生き物みたいに描かれていて、体の奥がぎゅっとなる感覚がありました。特に「時計の針の音がやけに大きく響く」ところ、あれ、本当に痛いときって時間の感じ方が歪むんですよね。そのリアルさに鳥肌が立ちました。最後の「早く終わるといいな」という祈りが、諦めと希望の間で揺れてて切なかったです。続き、どうなるんだろう……
鬌 _ 死にたがりのかたつむり
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