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「」せりふ ()こころ
赫 視点 .
「うん……なっちゃん。おねがい、俺を助けて……」
らんが俺の袖をきゅっと掴み、涙を浮かべてそう囁いた瞬間、俺の胸の奥で全てのブレーキが消滅した。
らんは俺を選んだ。
実の親を切り捨て、俺と同化することを選んでくれたんだ。
あぁ、なんて可愛くて、なんて愛おしい俺のお姫様。
らんのその一言のためなら、俺は喜んで悪魔にでもなってやる。
――だけど、すぐに牙を剥くのは三流のやることだ。
確実に、誰にも邪魔されず、らんの綺麗なおててを一切汚さずにすべてを終わらせるために、俺は一瞬で脳内の『計画書』を完璧な形へと書き換える。
「失礼いたしました、旦那様、奥様」
俺はすっとらんの前に出て、これ以上ないほど美しい角度で深く頭を下げた。
赤い毛先を床に向け、完全に気配を殺す。
声音には寸分の揺らぎもなく、完璧な「百瀬家の忠実な執事」の声を紡ぎ出した。
「らん様は突然のことで混乱されているだけでございます」
「百瀬家の次期当主としての義務、そして旦那様が決められた御婚姻の重さは、この私が誰よりも理解しております」
「卒業までの数週間、らん様が健やかにその日を迎えられるよう、私が責任を持って『お仕度』を整えさせていただきます」
「……ふん。野良犬の分際で、弁えは良いようだな」
父親が鼻で笑う。
俺をただの無力な使用人だと見下し、完全に油断している。
それでいい。
そのままその傲慢な頭で、せいぜい安心していればいい。
お前たちが我が物顔で座っているそのリビングも、歩いている廊下も、すでに俺が張り巡らせた蜘蛛の巣の真上なのだから。
両親の部屋に運ぶお茶の準備をするという名目で、俺は一旦、らんを連れて彼の自室へと戻った。
部屋の鍵を閉めた瞬間、俺は完璧な執事の仮面をかなぐり捨て、ガタガタと震えているらんの華奢な身体を強く、強く抱きしめた。
「なっ、ちゃん……俺、本当に、お見合いなんて嫌だよ……っ」
「なっちゃんと離れたくない……っ」
「大丈夫。大丈夫だよ、らん。離さない、絶対に離さないから」
俺はらんの淡い髪に何度も唇を寄せ、耳元でとろけるように甘く囁いた。
タキシードの袖から覗く俺の手が、らんの背中を安心させるように優しく撫でる。
「あのゴミども、らんを『人形』なんて呼んだよね」
「らんを傷つけたあの口も、らんを縛ろうとするあの手も、俺が全部綺麗に『お片付け』してあげる。らんは何も見なくていいし、何も心配しなくていいの」
俺の腕の中で、らんは恐怖で逃げ出すどころか、俺のシャツをきゅっと強く掴み返して、コクンと小さく頷いた。
「うん……なっちゃん。俺、なっちゃんのこと信じてるから……」
「ありがと、らん。本当に愛してる」
らんの額に優しいキスを落としながら、俺の頭の中は信じられないほどの冷徹さで、次の配牌を進めていた。
まずは、両親の周囲にいる百瀬家の偉い連中や、屋敷の警備のスケジュールを書き換える。
防犯カメラの死角を作り、あいつらの飲み物に少しずつ『お薬』を混ぜて、体力を奪っておくのもいい。
卒業式までのカウントダウンが始まった。
完璧な執事としてあいつらの前で跪きながら、裏では確実にその首を絞めるための罠を張っていく。
暗闇の中で、俺の赤い毛先が、血の匂いを予感して妖しく揺れていた。
【て】
episode . 18 end__
や ば い 。
金 欠 過 ぎ る 。
て か 明 日 ぽ て ち っ す ね 。
新 し い 支 援 者 見 つ か っ て 、
五 袋 買 っ て 出 費 450 円 !!!!
あ り が て ぇ …… ッッ
や っ ぱ 持 つ べ き も の は 友 で す わ 。
明 日 結 果 出 し ま す ね ん 。
早 起 き し ま す の で 、
そ れ で は ま た 次 回 !!
ば い ち ゃ !!!
コメント
5件
いやもう金がない 桃桃の人形は必ず買うのは決まってて問題なのがポテチなんだよマミーが働いてるコンビニで売ってくれるかどうかか分からないんだよなぁ 明日マミーに聞いてみる
🌾失っ.ᐟ.ᐟ いやもう文章力ありまくりの🐜で泣く(?) はぁっきたぁ 共依存の何個かある美味ポイント 「お互いのしまするやついたら✗す」 はいすこ 何故こんなに共依存っていいんだろうか。 何故くるちゃはこんなに天才なのか。 続きが楽しみ~っ.ᐟ.ᐟ
第19話、読み終えました……! 「なっちゃんを信じてる」ってらんが言った瞬間、本当に胸が熱くなったよ。赫があそこまで冷静に計画を練り直すところも、愛ゆえの狂気というか、執着の美しさみたいなものを感じてゾクゾクした。執事の仮面をかぶったまま裏で糸を引く感じ、めちゃくちゃ好き。次が待ち遠しいです!
ゆ59
11,787
さなめ
108
#赫
天国 ♭
4,296