今は深夜3時だ。
そっーと玄関を開ける。
「ただいま〜」
僕は小さな声で呟きながら抜足差し足で家に入る。
「お帰り。お兄さん。」
リビングのソファに弟の蒼真がいた。
「あっ、蒼真。ただいま。まだ起きてたの?」
「うん。父さんと母さんは寝たけどね。心配してたよ?」
「ごめんね、遅くなっちゃった。」
「こんな遅くまでどこ行ってたの?」
「友達と遊んでたらこんな遅くになっちゃったんだ。心配かけてごめんね?」
「兄さんに友達いたんだ。」
「いるよ?なぐるよ?」
「あはは。でも、最近兄さん変わったよね。」
「えっ?そう?」
「うん。なんか強くなった?いや、なんか存在が上がった?うまく表現できないや。とにかく、変わったよ。」
「褒めてるの?」
「褒めてるよ。でも、なんか兄さんが遠くにいっちゃったみたいな感覚。これからもちゃんと帰ってきてね。」
「当たり前だよ。」
「…まぁ、いいや。おやすみ。」
「うん。おやすみ。」
ーなにか勘づいてる感じがしますね。あやかしの類は見えてはないですが…感覚が鋭い感じですかねー
えっ?そうなの?
ーはい。廃れ切ってるとはいえやはり元名家の涼風家の家系ですねー
僕全く霊感とかなかったし、なにも感じたことなかったけど。
ー真広はほんとになにもなかったですねー
僕本当に涼風家の血統だよね?不安になってきたんだけど。
ーおじいさんの顔ににすごい似てるので大丈夫ですよー
そうかな?あんまり思わなかったけど。
ー結構似てますよー
もちろん朝にお母さんにしこたま怒られましたよ。
次の日の放課後。
今僕は、琴巴、伊東君と帰っている。
「真広!昨日は大丈夫だった?」
「うん。危なそうだから家にいたよ。」
「おれも帰鬼に今日は絶対外に出るなって言われてたから家にいた。なんか強い妖怪同士で戦ってたんでしょ?」
「なんであなたはそんないいあやかしを式神にできたの…意味がわからない…。そう。昨日大百足っていうあやかしとこの土地に住んでいるあやかしとの戦いがあったんだよ。凄まじい戦いだったわ。」
「どっちが勝ったんだ?」
「この土地のあやかしたちが勝ったから安心して。」
「おれも帰鬼と一緒に助太刀すれば良かったか?」
「私もお爺さまと見に行ったけど、私たちが入り込める戦いではなかったわ。お爺さまは別だったけど。」
「ここらへんのあやかしが参加してたって言うと、あの仮面のつえー妖怪も参加してたのかなぁ。」
「えっ!?あの妖怪を伊東君も知ってるの?」
「あ、あぁ。一回殺されかけたんだ。あははー。」
「えぇ!!?大丈夫だったの?」
「あぁ、帰鬼に助けてもらった。まぁ、おれが悪かったんだがなぁ。」
「伊東君、気をつけてね。」
あの時はごめんね。伊東君。
「おう。でも、あの仮面の妖怪いたなら楽勝だったんじゃない?」
「ううん。あのクラスのあやかしが3体いてそれぞれがあやかしを率いてたけどギリギリだったわ。」
「あのクラスが3体もいてギリギリなんだ…どんだけやばいんだよ。」
「まぁ、みんな無事でよかったよ。」
「そうね。よかったわ。」
「そうだな。」
この土地のみんなは僕が守るよ。人もあやかしも。
ー私もお手伝いしますよー
あぁ、霞。ありがと。
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