テラーノベル
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約10分後、俺らドズル社の本社に着いた。
そうすると、「 んっ … 」という可愛らしい寝息が聞こえる。
思わず、少女の頬をすり … と撫でた。無意識にやったことなのだから、ぼんさんの目の前にも関わらず。
「 ふ〜ん???? 」
わざとらしく、ニヤぁ〜と効果音がつくほどニヤつくぼんさんを見て、はっとする。
「 … 早く行きますよ。」
「 はいはい 笑 」
ガチャ、と本社のドアを開ける。
そこにあったのは、いつもの3人の姿だった。
「 お、おんりーおかえり〜! 」
おかえりと声をかけてくれたのは、オレンジジュースを飲んでいてくつろいでいたおらふくん。
「 … 笑 ただいま。」
「 あ、おんりーおかえり〜、任務どうだった? 」
次に声をかけてくれたのは、今筋トレ中のドズルさん。
「 まぁ、商品はばっちしです。」
「 んんっ … ? 」
ちょうど少女が目を覚ますと、MENが作業室から出てきた。
ぼんさんも車を入れる倉庫から出てきた。
「 あ、おんりーおかえりぃ! 」
「 … 誰、? 」
「 この人たちはね、俺の … 」
「 仲間。」
仲間、と言おうとして時、少女が先ににこっ、と笑って、「仲間」と答えた。
「「「「「 !!! 」」」」」
「 なんで? 」
隣にいたドズルさんが少女に向かって、柔らかな声色で質問をした。
「 だって、5人とも幸せそう! 」
本当に6歳児の語彙なのかびっくりするほど、はっきりとその声が耳に響いた。
「 … 僕たちって子供にもそう見られるんやね。」
「 おん、びっくり。」
「 そうだな、笑 」
他の人もおらふくん釣られて、にこりと笑った。
「 そんな口が甘い子にはご褒美を上げないとな! 」
ぼんさんが少ししゃがんで、少女と目線を合わせる。
「 名前は? 」
「 なまえ … ? 」
「 … っ、0103番です。」
「 …… え、何その、名前。」
場にいる俺を含めた5人が困惑した声を零す。人身売買の待遇がこんな酷いのだと。
「 … あと私、自分が誰だかわからないの。」
「 名前も、私のママも。全部忘れちゃった、笑 」
「「「「「 … っ。」」」」」
俺は、まだ無意識に少女の頭を撫でる。言葉に出さないのは、きっとどんな言葉以上に少女は辛かったから。
言葉だけじゃ補えない傷が、そこにはあるから。
「 じゃあ、名前をつけましょうよ、」
あのMENとは思えないほど、まともな意見がMENの口から出た。
「 え、珍し。」
「 はー!? あーあ、傷ついた! 」
そうそっぽ向いてしまう。
そんなMENを丸ごと無視して、俺とドズルさんで名前を考え始めた。
「 確かにね、そうした方がいい。」
「 おんりー、なんか案 … 」
「 ……… すずらん。」
「 、すずらん? 」
「 中国語の方の铃兰、とか、どうですか、」
「 うん、いいと思う。スズランは『再び幸せが訪れる』なんて意味があるらしいし。」
「 … これからよろしくね、铃兰。」
これが、君の幸せになる第一歩目。
主から
毎日投稿13日目!えーー、昨日は投稿出来なくて申し訳ございません!!!!!(土下座)
代わりに2話分詰めたので、これで許してください …… 。
コメント
7件
bnqnって神……(?) そしていつかちゃんの作品も神や……(?) 最高すぎるぅ……w(T^T)絶対その少女の子可愛いやん……… 中国語………分かんなかった…… リスランって読むんだ……!初めて知った…!w すずらんって読むんかと思っちゃった(((
铃兰(リンラン) スズラン『 再び幸せが訪れる 』
んわ…相変わらず神…! そして、中国語のすずらん読めたぞ…! 私の言語感覚は一応未だあるみたい…w